ほんものは? | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 出口を小さくすれば出ていかない?

 家計でよくある話です。給与生活をしていると収入は毎月ほぼ一定です。それに見合った支出で抑えなければなりません。

 どうしているでしょう?所得税や社会保険料は控除されているので手取りいくらかで支出予算を組んで(仮に組んでなくても手持ちの金額に見合って)支出しながら1ヶ月間を乗り切るのでないでしょうか?

 ただ、ここにも二通りのやり方があります。

 とにかく、その1ヶ月を乗り切ることだけを考えるのか、将来を見越して支出というもの自体をよく分析しそのしくみを我が家流につくり変えていくのかというものです。

 宵越しの金は持たないというのが前者、将来予測もして支出配分をしていくのが後者といえます。前者は気っぷの良さ、くよくよしない楽観主義、需要喚起ということで必ずしも否定できない側面も大きいものもあります。対して後者はややもすると消費意欲の萎縮という面も考えられます。

 前者はともかくとして後者の中にもまず食費はいくら、お小遣いはいくら、衣服費はいくら、娯楽費はいくら、貯蓄はいくらと支出枠を細かく決めてその枠の中に抑えようとする方法と私たちはこういう生活をやります、そのためにこの支出総額の中でこことここに重点配分をしてそれ以外はこういった工夫をして支出を小さくし1ヶ月をすごしますという方法にわかれます。

 一つは「出口を小さくすれば出ていかない」というもの、もう一つが「こういった生活であればこの枠でも楽しんでやっていける」というものです。もうおわかりでしょうが後者にはアグレッシブな部分が感じられます。「出口だけ小さくする」方法は何か苦しみだけしか感じられません。苦しめば将来が明るくなるかといえば今の時代、それは約束されていません。生活の中身、質の部分にも踏み込んで家計体質まで変革していってこそ楽しむことができるのでないでしょうか。

 企業活動でも表面的なコスト抑制にとらわれるのなく、コスト発生のしくみ、体質を変えることによって脂肪を取り除きスリムなものに切り替えることが求められます。そのために真因に迫り地道に改善を続けることを風土として定着させていく活動が必要でしょう。

 出口を小さくすれば出ていかないのでしょうが、その中身を変えなければどこか他の出口を作ることもあり得ます。中身の体質を作り替えていくことでそれに見合ったすっきりとした出口になるでしょう。

今日のキーワード

“出口を小さくするのでなく、すっきりとした内蔵にすることを!”