アパレル商品は季節、色、デザイン、サイズなど商品計画から販売まで非常に大変なステップを踏んでいると聞きます。しかし以前より相当短期間でそれらの工程を踏み数量変動に対応することも可能なシステムになったところも目にします。
しかし、季節商品の多くは通常商品の空き間に作りだめをするとか閑散期に作っておくとかで販売までの在庫日数が長くなりがちです。企業によっては通常商品は自社生産、季節商品は外部委託といったように使い分けをしているところもあるようです。
ここで問題になるのが在庫期間の長さです。
それだけキャッシュを寝かすことになります。倉庫費用もかかります。確実にそのシーズンに売れる保証も定かでありません。売れる量に追いつかない可能性もあります。全くの見込生産ですから・・・。下手をすれば翌年まで1年間も在庫を抱えることになります。
対処法としてはいくら季節商品といえども最終生産は売れる時期に無理をしてでも作れる体制にしておくか通常月に平準化生産しておき不足すると思われる分をシーズン中に追加生産するかしかないでしょう。少なくとも「つくりすぎ」のムダは避けたいものです。多少のチャンスロスには目をつぶるしかありません。1年間の持ち越しがどれだけ大きなロスを招くかと比較すれば結論はここに持っていかざるを得ないのでないでしょうか。
同じようなことが、原料が安いから今の内に手当てしたくさん作っておこうという発想があります。確かに差益は大きくなりますがこれから売れる保証がどれだけあるか、在庫を持つリスクはどれくらいかなどを十分天秤にかけることが大事でしょう。できれば在庫リスクは避けるべきという方が今の時代の共通認識と思います。しかし、この考えはまだまだ浸透はしていません。
今日のキーワード
“在庫リスクとチャンスロスリスクは綿密に比較を!”