賃金と物価 | 向井幸一のブログ

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昨年11月の名目賃金は前年同月比で+0.2%でしたが物価変動を考慮した実質賃金では前年同月比で-3.0%となり物価上昇に賃上げが追い付いていない状態です。遡ってみてみると名目賃金は23か月連続で対前年同月を上回っていますが一方で実質賃金は20か月連続で対前年同月を下回っています。

 

給与は上がり続けていますが物価が賃金を上回って上がり続けていることになりますね。通常は物価が上昇するのは需要過多になり上昇しますが現在は円安を原因とした輸入依存度が高い原材料費の上昇に起因しているようなので購買力の低下から支出を控える傾向になっています。物価は上がっているのに消費支出は下がっているという負のスパイラルに陥っているような気がします。

 

特に食品の値上げが顕著であり昨年は32,000品目を超える食品が値上げになりました。今年も昨年ほどではないにしても2万品目に近い食品の値上げが予想されています。原材料費の高騰に加えて4月からは運送業の残業規制が他産業並みに制限されますので輸送コストの上昇も考えられますね。

 

給与は上がっても比例して税、社会保険料も上昇しますので手取収入は中々増えない現状に加えて物価上昇が続くと可処分所得が減って購買力が減少することとなり善の循環に転じることは難しい気がします。

 

一方で税収は過去最大、特に消費税は物価高騰に比例して過去最大の上昇率となっています。国民の可処分所得を増やして購買力、購買意欲を向上させて善の循環に転ずるためには減税が最も効果的ではないかと思います。特に消費に連動する消費税の減税は景気回復には直接的に影響があると思います。

 

いくら税収が増えても国民の購買力が低下して購買意欲をなくしていくので国が潤い国民が貧困になるという状況から脱却することは困難であると感じています。政治に求められていることは企業に賃上げを要請するだけでなく政府単独で実行できる減税が必要なのではないかと思います。そして徐々に円高に向かうような政策が必要な時期になっていると思います。

 

政治とカネの問題では国民は辟易していると感じています。自ら襟を正して裏金作りではなく国民の幸せのための政策に取り組んでいただいたいですね。