高齢者からの学び | 向井幸一のブログ

向井幸一のブログ

高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

公務員を退職して高齢者住宅管理事業に携わるようになって30年以上が経過しました。30年以上前には介護保険制度はなく高齢者住宅は自立、要介護に関係なく賃貸住宅として多くの高齢者に入居いただいていました。医療・介護・看護サービスは外部から提供いただいていました。

 

当時は高齢者住宅という名称も認知されていなかったので住宅の特性、魅力から説明する必要があったので時間を要したという記憶があります。入居者の平均年齢が80歳くらいでしたので自立した方が多かったと思います。以後は多くの高齢者の方々に接してきましたが学ぶことが大変多かったと感じています。

 

当時は私は40歳代でしたので入居者は親の世代ということもあって日々が充実しており毎日が新鮮であったと記憶しています。勤務する高齢者住宅は120戸余りで入居者は160人くらいの大型物件でした。単身からご夫婦まで自立から要介護の方まで様々な方々に入居いただいていましたがお客様から教えてもらうことばかりでした。

 

人生の大先輩ばかりなので貴重な意見を数多くいただきましたが共通していたことは「人生を精一杯、全力で生きてきた」ということだったと思います。反省することはあっても後悔はないということが共通していました。精一杯、全力で家庭を仕事に取組み子育てを終えてこられた方々でした。

 

彼らから教わったことは「若いうちの苦労は買ってでもしろ」「子育ては親の楽しみであり権利である」「周囲の皆様、家族への感謝」ということが共通していました。入居者と話すことが楽しみで自分の将来像をイメージすることができました。多くの方をお見送りしました。公務員時代の5年を1年で経験できたくらいの濃密な時間であったと思います。

 

若い方々は高齢者の皆様から学ぶこと教わることは決して少なくないと思います。高齢者は「老いては子に従え」という考えに方も多く謙虚な姿勢もみられますが学ぶ気持ちで接すれば必ず応えてくれます。人生経験豊かな高齢者の皆様からの成功体験、失敗体験も含めて学ぶべきことはたくさんあると思います。

 

世代間対立ではなく、先人の知恵、経験を活かすことができる社会になってもらいたいですね。