ビジネス・ケアラー | 向井幸一のブログ

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高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

聞きなれない言葉ですがヤング・ケアラーと同様に働きながら親の介護に従事することを意味するそうです。親の介護のために離職する、仕事を制限することにより2030年には経済損失が9.1兆円に達すると経済産業省が試算しました。ビジネス・ケアラーは300万人を超えるとのことです。現在は介護離職が年間に10万人程度とのことなので爆発的に増えて経済損失が発生するという予測です。

 

親の介護をしながら仕事を続けることは決して容易なことではないと思います。年齢的に子供がまだ小さく親の介護まで手が回らないという方が増えていくかもしれないですね。

介護保険制度が始まって従来の与えられる介護から保険契約により選ぶことができる介護を目指しましたが介護サービスを提供する人材の不足、分かりにくい介護保険制度等により安心していることができる現状ではないと考えています。

 

私自身もビジネス・ケアラーのような経験をしました。30年くらい前に親の介護が必要になり公務員を退職して実家の近くに転居、転職をしました。周囲からは転職には反対の声が多かったですが育ててくれた親を放置することはできなかったというのが決定的な動機でした。当時は介護保険制度がなく措置の時代であり右も左も分からない状態でした。振り返ってみると大変だったなという感じがしますが後悔はしていないというのが本音です。

 

慣れない仕事、慣れない介護等で苦しかった思い出はありますが家族の理解と協力があったおかげで何とか乗り切り両親とも見送ることができました。現在は自分が高齢者の立場となりましたので子供には苦労させないように準備することに努めています。どうすれば子供の負担にならないようにできるかは自ら経験したことが役にたっていると感じています。

人生は親から子へと順繰りになっているなと感じています。

 

子供の負担になることがないように生涯現役を目指していきたいと考えています。もし要介護になっても介護保険制度を活用しながら自力で日常生活を送ることができるようにしたいなと思います。

両親から言われた「人は自分が振舞ってきた通りに周囲からも振舞われる」という言葉を自覚しながら有意義な日々を過ごしていきたいですね。