介護保険 | 向井幸一のブログ

向井幸一のブログ

高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

社会保障審議会介護保険部会では2024年4月から現行の介護保険制度を改正するという議論がなされていますが概要が決まったようですね。増えていく社会保障費の削減と少子高齢化の進行から負担が増えて給付が減るという方向は一貫しています。現在の高齢者にとってはさっそく影響があります。若い世代にとっていずれ行く道の様相が明白になってくると思います。

 

現在の方向性では介護サービス利用時の負担について現状の1~3割負担は変わらず2割、3割負担になる収入基準が下がるようです。現在は原則1割負担ですが2割負担となる基準は年金を含む収入が年間280万円を超えた方になります。3割負担になる基準は年間収入が340万円を超える方となっています。改正案では2割負担になる基準が年間収入200万円くらいになるのではないかと思います。

 

介護保険サービスは長期化する傾向にありますので1割から2割に倍増すると家計負担はかなり重くなってしまうと感じています。今回は見送られたようですが今後は月々に支払う介護保険料も収入によって増えていくことが予想されています。老後の生活設計では想定しておく必要があると思います。減っていく年金と負担が増えていく医療・介護保険料については将来予測をしながら準備しておく必要があると考えています。

 

年金支給開始年齢について繰下げて年金額を増やしましょうという声が聞こえてきますが負担増になる基準年収が下がっていくことを想定すると一概に年金額を増やすために繰下げ受給を選択すべきか悩むところです。65歳支給開始を70歳支給開始に繰下げると約1.5倍の支給額になります。負担増となる高所得高齢者の基準が現行の280万円から200万円に下げられると年金支給開始年齢を繰下げたために高所得高齢者の区分になってしまうケースもあり得ます。

 

国から長期の見通しが公表されればいいですが現在のように短期で改正が続き高所得高齢者に区分されて負担増になることもあるので一概に繰下げたほうが老後は安心ということもないと思います。

老後は年金は生活費の補助くらいに想定した生活設計が無難なような気がします。そのためには健康で少しでも永く現役生活を継続して老後を短くするという考え方が安全だと思います。老後はできるだけ社会保障費のお世話になることなく生活していきたいものですね。