高齢者住宅と高齢者施設 | 向井幸一のブログ

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高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

サービス付高齢者向け住宅制度が創設されて10年が経過しました。制度創設から高齢者住宅が注目されるようになってきましたが高齢者施設と高齢者住宅の違いは明確になっていないのが現状です。事業者でも明確に違いを述べることができる人は少ないのでお客様である高齢者の皆様には違いがよく分からないという方が多いのも納得できます。高齢者施設と高齢者住宅の違いについてお客様目線で考えてみましょう。

 

第一に住宅は「住」んで「居る」ところという意味から住居と呼ばれます。一方で施設は特定の目的を「施」すために「設」けられた建物という意味になる点が大きく異なります。目的が異なりますので居室の間取り設備が異なります。住宅では住みやすい間取り設備になり施設ではサービス提供しやすい間取り設備になります。住宅では居室内で生活が完結・継続することが必須なのでバス、トイレ、キッチンは最低でも必要になります。施設ではサービスしやすい居室を求めますのでバス、キッチン等は共用設備になります。

 

また引っ越す際にも表現が異なります。住宅であれば転居になり施設であれば入所という表現になりますね。引っ越した際に「転居の挨拶状」をだすのが住宅といえると思います。施設では特定のサービスを受けることが目的なので「転居の挨拶状」をだす方は少ないと思います。病院に入院、施設に入所された方は住むという意識ではないので「転居の挨拶状」をだすことが少ないのではないかと思います。

 

高齢者施設と高齢者住宅は目的が異なるものでありお客様のそれぞれの目的によって選択していただければどちらも有益であり必要とされている建物であると思います。そのために必要なことは正しい情報発信でありお客様が自由に選択できるような市場を形成することが大切であると考えています。

「住替えて良かった」「入所して良かった」と評価いただける住宅、施設が増えていくといいですね。