開催まで5か月と迫った東京オリンピックですが会長辞任によりドタバタしている現状が明らかになってきました。高齢の会長が不祥事だけでなく健康上の理由で交代せざるを得ないことは容易に予測できたにも関わらず後任選任の準備すらしていなかったことには驚きました。
こんな状態で本当に開催できるのか不安になります。そもそもが世界的なコロナウィルス感染拡大の現状で日本では開催について総理、担当大臣等は「何が何でも開催する。ワクチンの普及状況に関係なく開催する」という根性論で語っています。
しかし国際的にはアメリカ大統領に代表されるように「開催はコロナウィルス感染に対して科学的根拠を示して安全に開催できる状況になることが条件」とされてきました。全世界から選手、関係者をお迎えする開催国として安全を科学的に確保することが責任であるといえます。試合会場、運営体制、医療を始めとしたボランティア体制等の様々な問題を明確に示していくことが求められていると思います。
国内でのワクチン接種も始まっていない現状で国民全員に行きわたり訪日される選手、関係者への医療サービス提供体制も万全とはいえない現状では不安になります。世界的な催事であることを考えると日本人の根性論ではなく科学的根拠を示す国際標準で準備することが必須であるような気がします。アンケート調査では日本国民の80%が開催に消極的な現状から開催に向けての科学的根拠、スケジュールを明確にすることから始めていただきたいと思います。
1964年の東京オリンピックでは「日本の戦後は終わった」「世界に一人前の国家として仲間入りする」という国民の総意と高揚感があったと記憶しています。今回の東京オリンピックでは「東北の復興」「コンパクトなオリンピック」を標榜していましたが失望感のほうが大きくなっているような気がします。
今一度、基本に立ち返って国民全員、世界各国から祝福されて成功するための準備を徹底した東京オリンピックにしてもらいたいものですね。