公務員と接待 | 向井幸一のブログ

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総務省の許認可権限者が対象事業者である総理の息子が所属する企業からの接待を12回にわたって受けていたことが問題視されていますね。飲食代、お土産代、タクシー代の全てを事業者に負担させるいわゆる「顎足付の接待」になります。何故こんなことが許されていたのか信じられない気持ちです。

 

私が公務員時代には許認可対象事業者と食事する際には事前の届け出と事後の報告書提出が必要とされていました。事前の届け出とはされていますが現実は届け出ても認められるのは公平性が担保されている場合のみで稀有でした。まして対象事業者から「顎足付の接待」を受けることは報告書提出の時点で叱責のうえ費用を返還することを求められていました。特定の事業者から12回も接待されていれば組織内で問題となっていたと思います。

 

許認可対象事業者以外との飲食でも神経質に対応して割り勘を原則にしており個人的に記録を残すようにしていました。それは万一事後に問題となった場合に備えて自己防衛のために習慣化していたことを記憶しています。公務員も人間なのでご馳走になった相手にはどうしても便宜を図りたくなります。12回も「顎足付の接待」を受けるということは阿吽の呼吸で許認可してしまうと思います。

 

公務員は組織上は行政府のトップが上司、任命権者になりますが職務の特性上では雇用主は主権がある国民となります。公正、公明な職務を全うすることは公務員の基本であると思っています。卑しくも特定の事業者から接待を複数回にわたって受けることは「李下に冠を正さず」という諺のとおり厳に慎むべきだと考えています。

 

私が公務員であったのは30年前なので現在は異なった内部規律になっているのかなとは思いますが行政権の行使には徹底した透明性が必須であると思っています。届出書、報告書も残っていないというのは不自然だと思います。徹底した調査により自浄作用が働くことを示してもらいたいものですね。