特養での介護事故 | 向井幸一のブログ

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重度の方が多く入所している特養では介護事故をゼロにすることは困難ですが長野県の特養で誤嚥による死亡事故について業務校過失致死罪で職員が起訴された事案が注目されています。現在は証拠調べの段階なのでどのような判断がされるか分かりませんが複雑な気持ちになります。

 

特養に限らず介護現場では慢性的な職員不足のため過酷な勤務が続いているというのが現状だと思います。一人の職員が多数の要介護高齢者を担当するには限界があると思います。本件でもおやつの時間に19名の入所者に対して2名の職員が従事していたそうです。

 

2人の職員で19名の入所者に万全な目配りをすることは難しいことだといえます。ちょっと目を離した隙に誤嚥による窒息事故は防ぐことは難しいと感じています。公判ではどのような判断がされるか分かりませんが職員に注意監督義務があれば業務上過失致死罪に問われることになってしまいます。

 

ギリギリの体制で毎日の介護サービスを提供している職員のことを考えると刑事責任を問うことは過酷過ぎると思います。誤嚥事故を無くすには経口食を止めて経管食にすればいいという判断になってしまうかもしれません。介護現場の過酷さを理解して判決を下していただきたいなと願っています。

 

裁判官に限らず政治家、行政担当者も現場を実体験してから政策を進めていただきたいと思います。急激な高齢化は身をもって体験しなければ常識が通用しなくなってきていると感じています。机上の空論ではなく現場に即した判断をお願いしたいですね。