老老介護 | 向井幸一のブログ

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高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

介護苦を原因とした介護殺人、無理心中、自殺がニュースで見かけることが多くなりました。2016年の国民生活基礎調査によると在宅要介護高齢者世帯の70.3%が60歳以上のみの世帯との結果でした。さらに65歳以上のみの世帯は54.7%、75歳以上のみの世帯は30.2%という実態です。

 

要介護者の介護を同居する高齢者が実施している世帯が多いことに驚きます。以前は二世代、三世代同居が多かったので介護力も若い人がいましたが核家族化が進んで高齢者のみの世帯が増えているので老老介護は今後も増加していくのではないかと思います。

 

介護は身体的な負担を伴いますので高齢者が介護を実施することには限界があると思います。特に後期高齢者になっての介護は怪我をすることも考えられます。疲れ果てて介護殺人、心中に及んでしまう事例もあるのではないかと感じています。

 

在宅介護の支えとして介護保険制度が始まりましたがサービスを利用するには高齢者には事務手続きが複雑であると思います。また毎年のように制度改正が実施されるので昨日まで利用できたサービスが使えなくなるということもあります。

 

公的介護保険サービスであることを考えるともっと使いやすいサービスにしたほうがいいと思います。要介護度別の介護サービスチケットを配布して自由に使えるようにすればいいと思います。また制度の安定性からも頻繁に改正するのも高齢者が混乱するばかりだと感じています。

 

介護離職ゼロを重点政策目標に掲げていますが現実はサービス提供するスタッフが不足しており十分なサービス体制が準備できていないと感じています。大変な介護現場の実態を正しく把握して適正な収入を得ることができる介護保険制度にしていただきたいですね。