契約解除 | 向井幸一のブログ

向井幸一のブログ

高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

お客様相談窓口には入居者、ご家族からのご相談以外にも様々な方からご相談を受けます。

昨日はオーナー様から「サブリースで30年の契約だったが5年ほどで中途解約通知がきたがどうしたらいいでしょう」というご相談がありました。2億円以上の借金をしてサ高住を建てたのに返済できなくなるという切実な内容でした。既に4か月支払がないので困っているとのことです。


借りている事業者は県内で4か所、合計200戸くらいのサ高住と併設のデイサービス等を運営しているとのことです。調べてみると社員の社会保険料も滞納になっており入居率は10%程度とのことなので行き詰まっていることは明確であると思います。社員もほとんど辞めてしまっているそうです。

併設事業所以外のサービス利用を禁止するという事業者なので社員も定着しない事業所とのことです。


このような状態になってからご相談を受けても残念ながら有効なアドバイスはできないというのが実態です。県に相談にいって法的な対抗措置を講じるようにアドバイスしました。もう少し早めに相談していただければ方法はあったかもしれませんが最終段階まできてからのご相談にはお役にたてる回答はできないですね。


このようなご相談が徐々に増えてきました。賃貸住宅なので入居率10%程度では経営できないと思います。囲い込みと過剰サービスを強引に進めると近隣事業者の評判が落ちてしまうのでますます入居率は低迷してしまいます。

オーナー様は借金だけが残ってしまい、少ないながら入居しているお客様は行き場がなくなってしまいます。


通常の賃貸住宅と異なり社会的影響が大きい事業なので慎重に事業を進めることが大切です。オーナー様も管理運営する事業者の信用を入念に調査しなければいけないと思います。

高齢者住宅は決して大儲けできる事業ではないと思います。社員に給与支払いをして少し事業税を納税しながら継続することができればいいという事業であると考えています。


今回の事業者は社長が毎晩のように飲み歩いて景気が良さそうに見えていたとのことですがそういう事業ではないと思います。こんな事業者の存在により高齢者住宅全体の評価が落ちてしまうことが残念で悲しいことですね。

他山の石として誠実に管理運営させていただこうと再認識しました。