老老介護 | 向井幸一のブログ

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高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

昨日、兵庫県で寝たきりの夫を殺害して妻が逮捕されました。寝たきりの夫を見るに見かねての殺人とのことです。自分たちの将来に光を見出すことができなかった結果だと思います。

家族介護に疲弊して殺してしまうという事件は後を絶たないですね。以前にはなかった形態の事件だと感じます。


2000年に介護保険がスタートした際には「家族介護の負担軽減」「与えられる介護サービスから選択して自由に受けることができる介護サービス」が謳い文句であったと思います。しかし残念ながら介護保険制度が始まってからのほうが老老介護等の疲れで殺してしまう事件が増えてしまいました。

また家族の介護のために離職せざるを得ない「介護離職」も増加に一途です。


高齢者が増えたからというのも一因ではあると思います。ただ介護保険サービスが使いにくいということも原因であると思います。在宅介護は家族の負担を軽減するためにあるものなのでもっと使いやすいサービスにすれば悲しい事件は減るのではないかと思います。


例えば「チケット制」にして要介護度別に介護サービスチケットを配布して自由に使ってもらえるようにすれば分かりやすく、使いやすいサービスになるのではないかと思います。チケットで自分が受けたいサービスを選ぶことができて限度額までなら自由にサービスを使いながら日々を過ごすことができるのではないかと思います。


家族介護の苦痛から家族を殺してしまう選択を迫られることは人生最後で後悔することになるのではないかと思います。

高齢期でも自由に保険サービスを使いながら生きていくことができる社会になって欲しいと思います。

そして選択肢の一つに高齢者住宅での安心の生活が加わることができればいいなと考えています。