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PTD ~ Pilot To Dispatch ~

ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 関東大学ラグビー対抗戦

   早稲田 21 - 14 慶應

キック
 拮抗したゲームだったが、
戦略の見えないキックが
多発したり、お互いに肝心な
ところでミスや反則を犯して
点を取れなかっただけ。

ラインアウト
 ラインアウトは相変わらず
取られたりこぼしたりだし、
スクラムに至ってはアーリー
エンゲージを3回も取られる拙攻。

スクラム
 レフリーとの息が合わなかったのか?
帝京戦以来どうもスクラムがおかしい。
明治戦までに修正が間に合うだろうか?

 とりあえず勝つには勝ったが、なんだか
勝った気がしないゲーム。
 飛行教官の課程に上がった時、
最初に学んだ科目は飛行機には
一切関係ない

 「Fundamental of Instructing」

というものでした。

 ざっくり言うと、教育心理学のような、
「モノを教えるということはどういうことか?」
を学ぶことでした。ちなみに、飛行教官
課程では、航空の知識だけではなく、
この「Fundamental of Instructing」の
学科試験にも合格しなければいけません。

 教官課程で私なりに学んだことは
 
 ・よく準備をする(あいまいな根拠で
  ものを語らない)
 ・答えを与えるのではなく、考えさせる
 ・「伝える」方法をいくつか持つ
 ・相手の理解度を計る
 ・そして、何よりも熱意と根気

 よく、人にモノを伝える時は、だいたい
70~80%ぐらいしか伝わらないといいます。
だから、自分が100の教官だったら、生徒は
70のパイロットにしかなれない。

 自分が120の知識と技量があれば、よりよい、
100に近いパイロットを育てられる。

 そして、120の力をを持った教官を育てる
ためには、「教官の教官」は、200の力を
持たないといけない… と考えています。

 飛行教官の道は、まさに根気と熱意。
「伝える」ことのプロフェッショナルでなければ
訓練生は上達してくれません。

 サラリーマンを辞め、この世界に入って
26年が経ち、最近感じることは、この
「Fundamental of Instructing」、企業の
管理職にも通じるものが多いような気がする
ということです。
 
 どちらも
 
 「伝わったら、嬉しい。
    訓練生(部下)が成果を上げたら
      もっと嬉しい」

この思いに違いはないのではないでしょうか…

 そう考えると、企業の管理職というのも、
部下を育てる教官なのかもしれませんね。

 ここのところパイロットの飲酒が
社会問題化している。酒を飲むこと
そのものが悪いというつもりはない。
ただ、「残るほど」飲むというのは問題だ。

 緊張の糸が張り詰めたフライト。機長の下で
強いられる精神的なストレス。到着後、最小の
滞在時間でまた同じ距離を飛んで帰らなければ
ならないプレッシャー…

 「飲まずにやっていられるか!」という部分も
大いにあるだろう。ストレスや精神的な緊張を
ほぐすためならば、酒も大事な嗜好品。実際、
酒以外にもパイロットの喫煙者も意外と多い。

 以前は「ピー」もなく、淡々と翌日の業務が
始まっていたわけだが、いつからか呼気検査が
始まり、今では逮捕者が出るまでになってしまった。
 
 呑みたい気持ちを抑える。飲んでも翌日に
残らない程度に抑える… といった自制が、
かつてのパイロットの矜持だった。 自らを
律する強い意志が空の安全を守ってきた。
  
 私も酒好きの分類に入る。他山の石として、
これからも飛行前の肉体と精神の健康管理には
一層気を引き締めて臨まなければならない。
 
 ちなみにわが社の規定は、飛行前12時間の
飲酒禁止。飛行前日からの7時間以上の睡眠。
飛行当日の呼気アルコール含有量0.4mg/ml
(0.04%) あるいは呼気1リットル当たり0.2mg以下と
定められている。自動車の酒気帯び検挙の
基準値よりも厳しいことは言うまでもない。

 ざっくりと割り切って、私はフライト前日は
飲まないことにしている。