「教える」ということ | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

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ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 飛行教官の課程に上がった時、
最初に学んだ科目は飛行機には
一切関係ない

 「Fundamental of Instructing」

というものでした。

 ざっくり言うと、教育心理学のような、
「モノを教えるということはどういうことか?」
を学ぶことでした。ちなみに、飛行教官
課程では、航空の知識だけではなく、
この「Fundamental of Instructing」の
学科試験にも合格しなければいけません。

 教官課程で私なりに学んだことは
 
 ・よく準備をする(あいまいな根拠で
  ものを語らない)
 ・答えを与えるのではなく、考えさせる
 ・「伝える」方法をいくつか持つ
 ・相手の理解度を計る
 ・そして、何よりも熱意と根気

 よく、人にモノを伝える時は、だいたい
70~80%ぐらいしか伝わらないといいます。
だから、自分が100の教官だったら、生徒は
70のパイロットにしかなれない。

 自分が120の知識と技量があれば、よりよい、
100に近いパイロットを育てられる。

 そして、120の力をを持った教官を育てる
ためには、「教官の教官」は、200の力を
持たないといけない… と考えています。

 飛行教官の道は、まさに根気と熱意。
「伝える」ことのプロフェッショナルでなければ
訓練生は上達してくれません。

 サラリーマンを辞め、この世界に入って
26年が経ち、最近感じることは、この
「Fundamental of Instructing」、企業の
管理職にも通じるものが多いような気がする
ということです。
 
 どちらも
 
 「伝わったら、嬉しい。
    訓練生(部下)が成果を上げたら
      もっと嬉しい」

この思いに違いはないのではないでしょうか…

 そう考えると、企業の管理職というのも、
部下を育てる教官なのかもしれませんね。