レーティッシュ鉄道 ベルニナ線 前編 アルプス旅行記⑤ 2020年夏
皆さん、こんにちは。今回からは、2回に渡ってサンモリッツからティラーノまで、レーティッシュ鉄道ベルニナ線沿線の見どころをご紹介します。中でも今回は1日しか時間が取れない!という方におすすめのコースです。私が以前訪れた時は、ベルニナ急行の車窓から見るのみ。もちろん景色は素晴らしかったですが、もっと日程取ってたらよかった~と思ってサンモリッツを去ったのを記憶しています。今回は途中で展望台やハイキングも盛り込んだ1日コースです。それでは、まずはサンモリッツから南へ向かいます!-----------車窓からの場合は進行方向右側がおすすめです。ベルニナ急行の席を予約するときも、サンモリッツ発の場合は右側、ティラーノ発の場合は左側の座席予約がお勧めです。途中下車ができない場合は特に重要になってきます。(往復する余裕がある場合は、両方側取るのがおすすめです。あえて言うなら右側ですが、ベルニナ線は左右両側に魅力が点在しています。)-----------今回は観光情報として最後にいろいろな情報を載せております。実際に渡航計画をされる際はそちらをご覧ください。-----------見どころ① モルテラッチ氷河(車窓)まず、サンモリッツから25分ほどでモルテラッチ(Morteratsch) 駅に到着します。この駅を出発直後から見えてくるのが、かつて駅前氷河を言われた、モルテラッチ氷河です。現在はかなり後退しているため、駅前に氷河が広がる光景は見れませんが、山の奥に残る氷河を見ることができます。車窓から見ることができますが、撮影は困難です。というのも、駅を出てすぐ右側に見えてくるのですが、近すぎてカメラには収まりません。しばらくすると進行方向を背にモルテラッチ氷河が見えたり、左右に列車が蛇行している間にチラチラと見えますが、木が多いエリアなので景色を阻まれやすいです。(こちらは後日ハイキング時に撮ったものですが、こんな感じです。。後編でお届けします)そして、車窓からは、ここんな滝を望むこともできますよー。見どころ②ディアボレッツァ展望台モルテラッチ駅から10分でベルニナ ディアボレッツァ (Bernina Diavolezza)(電車駅)に到着します。(サンモリッツからは30分です)駅に到着して、すぐ横ににあるケーブルカー乗り場に向かいます。ちょうど降りた電車が出発していきました。こんな感じで、ベルトコンベアに乗って向かってみたのですが、めちゃめちゃ遅かったので、徒歩で向うのをおすすめします。笑ケーブルカー乗り場はこんな感じ、ケーブルカーだけでなく、バス、電車の時刻表案内もばっちりです。さすがスイス。もっと驚いたのは、スイス国鉄(SBB)のサイトやアプリで検索してもケーブルカーの乗り換え案内がちゃんと出てくること。お宿からディアボレッツァ展望台の頂上まで乗り換え案内してくれます。見事な連携プレイ、お見事です。ケーブルカー車内からは、アルプスの山々に囲まれた湖や、いつもはスキー場コースの一部になっていてめったに見れない湖、スキーコースに一部残っている雪を眺めながら12分で上まで到着です。見ての通り、真夏の8月なのに、、、気温は0度。スイスの山に行く場合は防寒の準備も万端で!事前にディアボレッツァ展望台で、現地のお天気、気温を確認するのがおすすめです。地上の天気が悪くても、展望台は快晴なんてこともあるみたいなので。お宿で出会ったスイス人家族が言うには、夏の時期は朝天気が良くて、夕方から崩れることが多い模様。でも夕方まで諦めないで確認してみてください。そして、待ちに待ったこちらが、ディアボレッツァ氷河です大迫力のパノラマに圧倒されます。元気な方は、こちらから30分ほどの比較的簡単なハイキングコースがあります。行き方はロープウェイを降りて、ディアボレッツァ氷河を見ながら左側に進んでいきます。突き当りで、小さなハイキング道が左手に見えてくるので、こちらからゆっくりと上に上がっていきます。登り切ったときの景色がこちらです。眼下にビアンコ湖を望みながら、足元にはまだ少し雪が残っていました。こちらで美しい景色を見ながらいったん休憩です。スイスにはハイキングコース上に焚火スポットがあり、簡易的にバーベキューもできるそうです。こちらにもあったのですが、さすがにここだと周りに薪になりそうな木もないので、ちょっと準備大変そう。。。それでは、来た道を戻ります。帰り道にこんなものを発見!高千穂のように石が上に上に積まれていましたー。みんな考えることは同じですねー。ハイキングを終えて、山小屋に向かいます。結構立派な山小屋ですよね。本気の登山客はもちろんはもちろん、ここで一泊してキレイな星空を眺めるのもおすすめみたいです!(星空はこちらから。ホテルのサイトになります)ダブルルームで一人135スイスフラン(16,200円)、一泊2食付きみたいです。ドミトリーだともう少し安いみたいですね。興味のある方は是非~そして、ハイキング終わりに欠かせないのが、ラドラーですディアボレッツァ氷河を眺めながらの一杯、たまりませんそれでは次に向かいましょう。ケーブルカーに乗って下山です。展望台の向かい側も壮大な景色ですね。氷河から一転、異世界に来たみたいです。それでは、ベルニナ ディアボレッツァ(電車駅)で電車を待ちます。お、”世界遺産”と日本語が書いていますね~。レーティッシュ鉄道は箱根登山鉄道と姉妹関係にあり、各駅で日本語表記の駅名などを見ることができます。こちらは40周年記念に贈呈された、モノだそうです。海外で見る日本語、かっこいい!それでは、電車に乗って次の駅、オスピツィオ ベルニナ(Ospizio Bernina)駅へ向かいます。見どころ③オスピツィオ ベルニナ駅までの車窓ベルニナ ディアボレッツァ(電車駅)を出ると、一気に視界が開けます。大きなカーブを描きながら大自然を蛇行、左右にアルプスを眺めながらゆっくり鉄道が登っていく景色は圧巻です。特におすすめは電車の一番最後の車両から見ることです。列車が蛇行している様子を、カメラに収めることができます。特に右側がおすすめです。1度撮影のタイミングを逃しても大丈夫。何度も蛇行するので3回はチャンスがあると思います。そしてビアンコ湖に近づいていきました。目の前にはカンブレナ氷河も見ることができます。モルテラッチ氷河とは違い、車窓からゆっくりと氷河が見えます。笑ビアンコ湖が見えたら、オスピツィオ ベルニナ駅到着です。10分の乗車ですが、ホントに景色を見ているとあっという間です。この駅はベルニナ線の最高地点(2,253m)にもなっています。世界遺産の看板もお出迎えしてくれています。見どころ④オスピツィオ ベルニナ駅からアルプ グリュム駅までハイキングそれでは、こちらからハイキングを再開します。先ほど伝えした通り、オスピツィオ ベルニナ駅がレーティッシュ鉄道最高地点なので、基本的に緩やかな下り坂のハイキングコースとなります。(逆はお勧めしません!)バリアフリーなのでベビーカーを押して、ハイキングを楽しんでいる家族もいました。駅を出て10分ほどで早くも、美しい景色に出会いました。天気も相まって、湖がキレイに映っていますね。こちらのビアンコ湖はカンブレナ氷河の雪解け水が流れ込んでいるので、少し白みがかって見えるようです。それではこちらでしばし休憩しながら、電車が通過するのを待ちます。スイス国鉄のアプリで時刻表を検索しながら、いつ電車が通るか確認。そして、撮れました!空の雲が少し多いのが気になりますが、シャッターのタイミングはばっちりだったかと思います。先ほどの撮影地点から歩いていくと、湖畔に出てきます。簡易的な踏切を渡り、ここからは列車を真横にハイキングです。右手にはビアンコ湖、左手にはベルニナ線が見える美しいハイキングコースです。こちらからも電車を撮影することができました。ビアンコ湖ももうすぐおわりです。こちらの岩場で、一端お昼ご飯にします。ゆっくり湖を眺めながら、鉄道のガタンゴトンと音が聞こえたら、振り向いて電車を眺め、、、1日中ここに居れそうです。昼の休憩を終えて。ビアンコ湖の端まで来ました。アレ そうなんです、ビアンコ湖は実はダム湖。放水などの関係からか遊泳は禁止になっています。こんなきれいな湖なのに、なんで誰も泳いでいないのか不思議に思っていた方もいるかもしれません。私もこの事実を知る前日まで泳ぐ気満々でしたが、その話をしていると、お宿のおじさんに、泳ぐの??危険だよーって言われてました。笑湖を超えると、地形が荒々しくなってきます。草木もまばらで、岩がゴツゴツ。この区間は落石も多いため、ベルニナ線はトンネルになっています。金属の屋根の部分がそのトンネルです。少し歩くとまた景色は変わっていきます。今度は、こんな感じで森の中を進んでいきます。道が開けてくると、、、展望台が見えてきます。そして、展望台からの景色はこちら、今度はポスキアーヴォ湖が眼下に見えてきます。真下を覗くと、こんな感じ。ちょっと怖いです。岩の段々畑になっていますが、一番下にベルニナ線のトンネルが右に折れているのが見えます。こんなにも高低差あるんですねーもう少し進むと、山小屋が見えてきました。それではハイキングを終了して、もう1ラドラー頂きます。この景色を見ながらなんて、贅沢です。山小屋のレストランからは、真下にベルニナ線を見ることもできます。大きくカーブして、一所懸命登ってくる鉄道の姿がありました山小屋を過ぎるとあとはアルプ グリュム駅に向かって下っていくのみです。そして、5分ほどでアルプ グリュム駅に到着です!こちらで忘れてはいけないのが、この景色。駅に併設されているカフェレストランのバルコニーから撮影できます。山の奥にはパリュ氷河、そしてその氷河が溶け出しでできたパリュ湖を望むことができます。もう氷河に出会いすぎて、氷河が珍しいという感覚がなくなってしまいそうです。笑サンモリッツに戻る前に、駅前で箱根号も発見!車両は他のスイス国鉄と同じ車両だったので、日本から来たわけではない様でしたが、日本語見るとちょっとうれしくなってしまいます見どころ⑤アルプ グリュム駅からベルニナ ディアボレッツァ駅までの車窓それでは、本日最後の見どころです。アルプ グリュム駅を出発してしばらくはトンネルが続きます。トンネルを抜けると、、、すぐにビアンコ湖の景色が広がります!カメラはトンネルの中から要スタンバイです。笑(一気に天気悪くなってしまいましたが、、、)こんな感じで撮影可能です。(今回は動画から切り出してみました。)車窓からでもいい景色がみえますよねー。オスピツィオ ベルニナ駅を過ぎてもきれいな景色はもう少し続きます。行きと帰り、同じ場所でも見え方が違って面白いです。後は、景色を楽しみながらサンモリッツまでゆっくり車窓を満喫します。(アルプ グリュムからサンモリッツの電車は1時間です)ベルニナ線1日満喫コースはこれで終了です。次回はベルニナ線1日コース、第2弾をお届けします。この1日じゃ物足りなかったーという方、是非お楽しみに!それではご閲覧ありがとうございました。---------------------観光情報------------------サンモリッツからベルニナディアボレッツァ(電車駅) 行き方運行:スイス国鉄SBB、AGバス時刻表:電車は1時間に最低1本(毎時48分発)、AGバスは1時間に1本(毎時02分発)他にも電車がありますが、氷河急行・ベルニナ急行の場合は座席指定料金が別でかかります。所要時間:約30分料金:11.2スイスフラン(1340円)、電車・バス共に同じ料金です。(2021年9月現在)-----------ベルニナディアボレッツァ(電車駅)からベルニナディアボレッツァ(展望台) 行き方時刻表:1時間に3本(毎時00、20、40分発)。帰りも同じなので覚えやすいですね。所要時間:約12分料金:往復39スイスフラン(4680円)(2021年9月現在)------------ベルニナ ディアボレッツァ(電車駅)からオスピッツォ ベルニナ行き方運行:スイス国鉄SBB、時刻表:電車は1時間に最低1本(毎時28分発)所要時間:約10分料金:5.6スイスフラン(670円)、電車・バス共に同じ料金です。(2021年9月現在)----------アルプ グリュムからサンモリッツ行き方運行:スイス国鉄SBB、時刻表:電車は1時間に最低1本(毎時08分発)所要時間:約1時間料金:16.8スイスフラン(2020円)(2021年9月現在)-----------1日の電車(33.6スイスフラン)、ケーブルカー(39スイスフラン)をすべて合計すると、72.6スイスフラン(8,710円)!正規料金での利用は結構しますね。。。-----------グラウビュンデンパス以前紹介したグラウビュンデン(Graubünden)州全域で使える1日券、グラウビュンデンパスは1日35スイスフラン(4,200円)で該当地域の電車、バス、船、が乗り放題となります。こちらはオンラインではなく、電車駅のカウンターで購入のみとなります。今日の日程では電車・バスのみ乗り放題対象なのでトントンくらいですね。ケーブルカーは別料金となります。-----------エンガディンカードこちらは夏の間、サンモリッツ周辺のホテルを2泊以上取った滞在客に無料で配布されるカードです。エンガディン地区の公共交通機関、電車やバスはもちろん、10以上もある様々なロープウェイ/ケーブルカー等を利用すくこともできます。お宿到着時に配布され、チェックアウトの日も利用可能です。返却はホテルに返すか、エンガディンカード利用可能区間の駅で返却が可能です。カード発行時に10スイスフランのデポジットが取られているので、返却時に10スイスフランが戻ってきます。スイスではこのシステムが多くの都市で採用されています。ルールは地域によりますが、地元交通機関の利用が無料になります。今回訪れたサンモリッツ(St. Moritz)~アルプグリュム(Alp Grüm)間、乗り降り自由で乗り放題でした。ディアボレッツァのケーブルカーも無料で乗れました。ベルグバーネン・インクルーシブ | スイス政府観光局夏のエンガディン地方は絶景が広がる展望台へ結ぶ魅力的な山岳交通(ケーブルカー、ロープウェイ、チェアリフト)が無料で乗り放題!となる嬉しいサービスがあります。 ベルグバーネン(山岳交通)&インクルーシブ(すべて含む)という名称の通り、このパス1枚でエンガディン地方にある魅力的なケーブルカーやロープウェイなどの山岳交通が乗り放題となる便利な交通パス。指定ホテルや…www.myswitzerland.com----------その他、関連のスイス観光局のページはこちらとなります。フォトスポット:モルテラッチ | スイス政府観光局ポントレジーナ周辺からみえるベルニナ・アルプスの山々と氷河。世界遺産にも認定されているレーティッシュ鉄道ベルニナ線のハイライトのひとつで、モルテラッチ氷河をバックに走る鉄道が撮影できるモンテベッロ・カーブは、代表的な絶景撮影ポイントです。 グラウビュンデン州最大のモルテラッチ氷河、東部アルプスで最高峰となるピッツ・ベルニナ(4049 m)からピッツ・パリュ …www.myswitzerland.comディアヴォレッツァ | スイス政府観光局世界遺産のベルニナ線の駅からロープウェイでわずか10分でアクセスできる標高3000mのアルプス絶景展望台。雄大なピッツ・パリュ(3905m)、ベラヴィスタ(3922m)、ピッツ・ベルニナ(4049m)、ピッツ・カンブレナ(3604m)などベルニナアルプスの山々とペルス氷河が眼前に広がります。www.myswitzerland.comラーゴ・ビアンコ(ビアンコ湖) | スイス政府観光局標高2234m。エンガディン地方とポスキアーヴォ谷を分けるベルニナ峠にあり、世界遺産にも認定されているレーティッシュ鉄道ベルニナ線の最高地点にあたるオスピツィオ・ベルニナ駅前に広がる山上湖。”白い湖”という意味を持つように、カンブレナ氷河から溶け出る水が注ぐ青白い水の色が美しい湖です。www.myswitzerland.comアルプ・グリュム | スイス政府観光局標高2091m。ベルニナ谷の南端でポスキアーヴォ谷の入口。1910年にベルニナ線で最後に開通した区間として複線の駅がつくられました。奥にイタリアへと続く谷のパノラマ、正面に雄大なパリュ氷河とターコイズ色のパリュ湖、という美しい眺望が楽しめます。駅にレストランが併設されているのでランチストップに最適。絶景が広がるテラス席はとくにおすすめです。www.myswitzerland.comレーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観 | スイス政府観光局ヒンターライン地方のトゥージスから、エンガディン地方のサン・モリッツを結ぶアルブラ線と、サン・モリッツからイタリアのティラーノまでを結ぶベルニナ線。グラウビュンデン州を走るスイス最大の私鉄会社レーティッシュ鉄道が誇る約100年の歴史と伝統の鉄道路線と周辺に広がる風景が2008年7月7日に新しい世界文化遺産に認定されました。 www.myswitzerland.com資料・パンフレット | スイス政府観光局スイス政府観光局では日本語で制作・発行したパンフレットを無料で配布しています(送料のみご負担いただきます)。またPDF版をダウンロードしてご覧いただけます。www.myswitzerland.com絶景ルートの旅が特におすすめのパンフレットです。-----------