(『新・人間革命』第7巻より編集)
37
〈萌芽〉 10
(つづき)
もし、中心者が嫌いだからとか、自分の方が信心が古いからといって、あの人のもとでは活動ができないという人がいたならば、
その人は『法』が根本ではなく、『人』に対する自分の感情が根本になっているんです。また、それは、わがままです。
わがままは、自分の心に負け、信心の軌道を踏み外した姿です。結局は、その人自身が不幸になります。
反対に、中心者を守れば、自分が守られる。これが因果の理法です。
一方、幹部になった人は、絶対に威張ったりせずに、よく後輩の面倒をみていただきたい。
皆に奉仕するために幹部はいるんです。広宣流布に戦う人は、皆、地涌の菩薩であり、仏です。
その方々を励まし、尽くした分だけ、自身も偉大な福運を、積んでいける。
ともかく、皆が同志として尊敬し、信頼し合って、また、足りない点は補い、守り合えば、鉄の団結が生まれます。
その団結が、最大の力になる。
御書には『異体同心なれば万事を成じ、同体異心なれば、諸事叶うことなし』と仰せです。
広宣流布に向かって、心を一つにすれば、すべてに大勝利できる。どうか、この決心で、ハワイの旭日の前進をお願いいたします」
ハワイ大会は、このあと、会長・山本伸一を囲んでの質問会となった。
伸一の初訪問の折の座談会では、人生の悲哀と苦悩に打ちひしがれ、質問の途中で泣きじゃくる人もいたが、ここには、そんな光景は全くなかった。
あるのは希望の旅立ちへの、朗らかな誓いの笑顔であった。