「国士十万」の意義を噛み締めながら、出席できない青年たちも、死に物狂いで、 | くにまさのブログ

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     (『新・人間革命』第5巻より編集)

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        〈勝利〉 8

 

 しかし、彼は誓った

 

 ”たとえ誰がやらなくとも、私は、断じて、先生のご構想を実現して見せる!”

 

 彼は、敢然と、一人立ち、青年部の室長として、自ら身を粉にして戦うとともに、同志に「国士十万」の達成を訴えていった。

 

 この伸一の行動と叫びに呼応して、次第に、男子部の心は一つになり、部員十万人の達成は、皆の誓願となっていった。

 

 そして、昭和三十二年十二月には、男子部員は七万八千を数えるに至った。

 

 あと一年あれば、必ずや部員十万の達成ができることを伸一は確信した。

 

 

 戸田は、この年の秋に病で倒れ、その後、快方に向かいつつあったが、体の衰弱は、なお著しかった

 

 翌年の一月、伸一は戸田に報告した。

 

 「先生、今年は、男子部は部員十万人を達成できます」

 

 「そうか!」

 

 布団の上に身を起こしていた戸田は、嬉しそうに目を細めて、言葉をついだ。

 

 「十万人の青年が集まれば、何でもできるな。民衆のため、新しい時代の夜明けが来るぞ・・・

 

 「はい。男子部が十万人を達成しましたら、国士十万の結集を行いますので、ぜひ、ご覧になってください」

 

 「うん、そうだな。そうだな・・・」

 

 戸田は、何度も頷いた。だが、彼は男子部十万人の達成の報告を耳にすることなく、四月二日、世を去ったのである

 

 男子部が、この目標を達成したのは、その年の九月のことであった。

 (略)

 

 (昭和三十六年)

 東京での十万結集の男子部総会に参加できるのは、当然、一部の代表に限られてしまう。

 

 しかし、出席できない青年たちも、この総会の深き意義を噛み締めながら、死に物狂いで、各地で果敢に折伏の渦を巻き起こしていったのである。