(『新・人間革命』第4巻より編集)
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〈春嵐〉 12
金木たちは、ここに至って、伸一の真意を、ようやく理解し始めた。
伸一は言葉を継いだ。
「地区部長になられる皆さんは、どこまでも支部長を守ってください。また支部長になられる金木さんは、地区部長のために、尽くしていってください。
同志を守れば、自分が守られます。それが仏法の因果の理法です。
学会は、仏意仏勅の目標をもった組織です。それを、幹部が自分の感情で仲違いをし、団結を乱していくようなことになれば、その罪は重いといえます。
これから先、青森は信心根本に、団結第一で、日本一仲の良い支部をつくっていってください」
十人は声をそろえ、「はい!」と力強く応えた。
「団結」が大切であるということは、皆、頭では、わかっていた。伸一は、それを生命に刻んでほしかったのである。
この夜、市内の会場に、青森県下の幹部が集まって、指導会が開かれた。
伸一は、ここでも、広宣流布の大指導者である戸田城聖の弟子として、仲良く、どこまでも団結第一で前進していこうと呼びかけた。
青森支部は、十一月九日の第十九回本部総会で誕生することになるが、これが事実上の、支部の出発となったのである。
支部の喜びは、爆発的な折伏の波となり、わずか一年後には、青森支部は結成時の七千五百世帯から、倍増の一万五千世帯に発展。
この大飛躍が、八戸支部の誕生につながっていったのである。