昨年12月に入塾したMikityさんの作品を、二ヶ月近くかけて読み検討してき
ました。バーチャル空間で少年少女がバトルゲームを繰り広げ目的に向かう長
編物語です。ただ戦うだけでなく「人の繋がりや思いやり」を根底に持ってい
るので頷かせるものがあります。とはいうものの、完成度はまだまだ不十分と
いえます。テーマの方向性と人物像の見直し、再構成、ムダな文章表現の排除
が課題として浮かびました。
コンクールの審査で作品を読んでいると、「こうすれば面白くなるのに」と
感じるときがあります。しかし、コンクールは応募された現状作品で評価しま
す。「タラ・レバ」を期待した過剰評価は禁物です。
脚本@塾の活動のひとつとして、作品に潜んだ面白味を出発点に見直し、改
訂により完成度を高めるよう支援しています。当然その先に『放送化や出版化
といった結果』をターゲットにした動きです。
さて、Mikityさんの作品ですが、改訂により『遊びの中でルールを学び、実
践で逞しくなっていく姿が描ける』と感じています。この作品とも長い戦いに
なると覚悟しました。結果は容易に得られるものではありませんが、達成した
ときには格別の満足感が湧き起こります。それを糧に、Mikityさんが改訂の荒
波を乗り切ってくれるよう願っています……。