【2】立夏の過ごし方は?
夏の始まりの立夏

子どもの日や連休などイベントごとも多い時期ですが,タケノコ狩り藤祭,ツツジ祭りなども開催される時期です。
立夏の年中行事は?
立夏ということでの行事は多くないですが,元々はこの時期に,その年の豊作を祈り「御田植神事」「御田植(おたうえ)祭」と呼ばれるお祭りが日本各地にはたくさんありました。 
①今「御田植神事」「御田植祭」
現在でも、あちこちに残っていて、全国各地で行われています。
当時の神聖な行事を後世に残すため、そして豊作を祈るため,早乙女(若い清らかな女性のこと)による田植え田楽(でんがく)の奉納,天候を占う等,地域や神社によって,様々な神事や祭りが行われ,御田植神事は郷土色豊かです。
(※田楽は田植えの時に笛や太鼓を鳴らして歌い踊った芸能。平安時代に始まりました。)
ただ,旧暦と新暦(グレゴリオ暦)では,一ヶ月程のズレがあり,旧暦の5月5日は新暦の5月末~6月初に当たることから,現在は,梅雨入り前の5月のこの時期と6月とに分かれています。
⑴女性が主役の祭り
田植えの神様は男性なので,女性が主役の祭りが多いのが特徴です。
御田植神事は端午の節供と深い関係があり,元々日本では,田植え月の五月に「五月忌み」という日本古来の行事をしていました。
神聖な行事である田植えは早乙女がするものとされ,田植えの前には,一定期間心身を清める「物忌み」をしていました。
ここに「端午の節供」が結びつき,早乙女は菖蒲で屋根を葺いた小屋に一晩こもり,菖蒲酒を飲んで,穢れを祓い,神聖な存在になってから,田植えに臨むようになりました。
つまり,女性のためのお祭りであり,当時の女性にとっては,堂々と休める嬉しい日でもあったのです。
今は田植えはほとんど機械化されていますが,昔は田植えをするのは女性の仕事でした。
大変な田植えの作業を少しでも楽しくしようと,田植え歌を歌いながら行う風習が生まれました。
その風習と田の神を祀り,豊作を願う祭事(儀礼)が結びついたものが,御田植神事の始まりと言われています。
⑵5月が皐月(サツキ)と呼ばれるのは,田植えの時期だったから!
田んぼに植える為に,程よい大きさに育った稲の苗を早苗と言い,田植えの月は早苗を植える月という意味で「早苗月(サナエツキ)」

言われていました。
この「サナエツキ」が省略されて,短くなった呼び方が「サツキ」だと言われています。
⑵以下が、その一例です。 
南宮大社 御田植祭(岐阜県一宮)…毎年5月4日

境内に作られた田で豊作を祈る神事が行われます。
御田植祭と5月5日例祭における還幸舞(かんこのまい)は,国の重要無形民俗文化財。 
伊作田稲荷神社 御田植神事(和歌山県)…毎年5月5日 


住吉大社 御田植祭(大阪:摂津一宮)…毎年6月14日…中でも特に有名。
御田植神事」は,1979年に重要無形民俗文化財に指定され,お祓いを受けた女性や子供達が田植えをしたり,踊りや舞を奉納し,豊作を願います。 
住吉大神草を敷かずに苗代を作る方法を教えたという伝説により,古くから「農耕の神」として篤い崇敬を受けてきました。
古い時代の農耕は当時の産業を代表するものでしたから、住吉大神は「産業の神」と言ってもいい訳で,現在は農業関係者のみならず,商業・工業関係者からも深く信仰されています。
境内には約二反の御田があり,毎年6月14日には「御田植神事」が盛大に行われておりますが,第四本宮ご祭神:神功皇后長門国(現在の山口県)から植女 (うえめ) を呼び,御田を作り,五穀豊穣を祈られたことが始まりといわれています。 
三重県の伊雑宮(いざわのみや)御田植祭り
壬生の花田植え(広島県)…商店街を子供の金管バンドや花笠踊り,さらには美しく装飾された牛などが練り歩き,街一体となって催されます。
そして花田植えの会場では,田植え唄を歌いながら,早苗を植える女性達の様子を見ることができます。
昔ながらの田植えスタイルを見られるだけでなく,古くから伝わるお祭りの様子も楽しめることから,国内外問わず多くの観光客で賑わいます。


⑶田植え時期
日本で田植えが始まるのは,品種や地域によって異なりますが,3月下旬~6月中旬と言われます。
関東地方では,5月の連休過ぎ,つまり「立夏」の頃から田植えが済んだ美しい水田を見ることができます。
中国大陸では長江付近では,やはり立夏の頃から田植えが始まります。
暖かい台湾では稲作は基本二期作(1年に2回収穫する)なので,田植えは立夏よりずっと早いかずっと遅くなります。


②その他祭り
立夏の前のゴールデンウィークや立夏の間は,全国的にお祭をする地域が多くあります。
この季節には、神田祭・浅草三社祭・葵祭全国的に有名なお祭り立て続けに行われているのも特徴です。 


㈠「葵祭…「祇園祭」「時代祭」と共に京都三大祭の一つ。

 6世紀から続く行事。…5月15日
賀茂御祖(下鴨)神社と賀茂別雷(上賀茂)神社で行われる王朝風俗の伝統が残された祭。
・葵の花を飾った平安後期の装束での行列が京都の街を練り歩きます。
㈡神田明神の「神田祭」日本三大祭/江戸三大祭
・山王祭,三社祭と並ぶ江戸三大祭の一つ,京都祇園祭,大阪天神祭と共に日本の三大祭りの一つにも数えられています。
・「神田祭」例大祭:5月18日(水)…神社の巫女の神楽が見所

2年に一度,奇数年に「本祭」が行われ,偶数年には「蔭祭」が行われます。
偶数年の本年度は「蔭祭」となり,「本祭」とは異なり,
御輿,山車,武者行列が練り歩く「神幸祭」と妖艶な手古舞も披露される「御輿宮入」という行事は行われませんが,氏子の幸せと日本の繁栄,平和を祈念する大切な神事として例大祭が執り行われます。
浅草「三社祭」…5月第三週の金・土・日曜日(23年5/19(金)20(土)21(日)に斎行致します。
㈣「仙台・青葉まつり…2024年は5月18日(土),19日(日)
仙台市都心部で2日間に渡り,山鉾巡行,神輿渡御,すずめ踊り,武者行列などが催されます。

お釈迦様の誕生を祝う「永平寺花祭り
毎年連休最終(24/5/6)に開催。

大きな白象を引きながら歩く稚児行列をメインに行います。
山門前で役寮様より洒水(しゃすい)を受けられるほか、甘茶のふるまいなどもあります。
この時期はまだ暑さも激しくないので、お祭も快適に楽しめる季節です。


③端午節句
立夏の行事は特別あるわけではありませんが、5月5日の子どもの日=端午の節句が重なります。 
「端午」とは,「月の初めの午(うま)の日」を意味しますが,旧5月が十二支でいう午の月であることから,「端午」といえば5月5日を指すようになりました。
菖蒲や蓬(生薬)で邪気を払う中国の古い風習【菖蒲の節句】と5月の田植え前に早乙女が「五月忌み」といって家にこもり,身の穢れを祓田の神を迎えて祀る日本古来の農耕儀礼が結びついたものが,端午の節句の原型になったとされています(元々日本では女性の日でした)。
この端午の節句が平安時代に「端午の節会(せちえ)」という宮中行事になり,武士の世になってから,男の子の節句として定着するようになります。
武士の力が強くなると,「菖蒲」が武を尚(たっとぶ)「尚武(しょうぶ)

や「勝負」に通じ、葉の形が刀に似ていることから,兜に菖蒲を飾ったり,流鏑馬(やぶさめ)をするようになり,男の子のおまつりに変わっていきました。
さらに、江戸幕府によって五節供のひとつに定められると,男の子が強く逞しく成長して,立身出世することを願う行事として定着していきました。
昭和23年に「こどもの日」に制定され,「こどもの人格を重んじ,こどもの幸福をはかるとともに,母に感謝する」日となり,男女の別なくお祝いをするようになりました。
⑴鎧兜を飾り、男の子の身の安全を願い、鯉のぼりを飾って、男の子の立身出世を願う節句です。
⑵「男の子の成長」や「健やかに育つように」「立身出世」を願って,祈りを込めて,鯉のぼりを上げる家庭も多いです。 
江戸時代,男の子が生まれた印として(のぼり)を立てた武家をまね,粋な町人達が和紙で作った鯉の幟を揚げたのが始まりです。
鯉は立身出世のシンボルで,「鯉が滝を昇って龍になった」という「登龍門」伝説に由来し,「男の子の立身出世を願う」という意味があります。
鯉のぼりの中には五色の吹き流しがありますが,この五色は古代中国の陰陽五行説に由来し,「木=青・火=赤・土=黄・金=白・水=黒」を表しています。
これを五色(ごしき)といい、陰陽五行説では、この5つの要素がこの世のものすべての根源と考えられています。
全国的にもあちこちで【鯉のぼり祭り】が開催され、中でも発祥の地である【杖立温泉】(熊本県阿蘇郡小国町)では,3500匹の鯉のぼりが上げられます。 
五月人形は…人形が人の厄を受けてくれるという身代り信仰

のひとつで、有名な武者を模したものを「武者人形」と呼び、勇ましい男子に育つよう願いが込められています。
人形は一人一人の身代わりなので、長男に金太郎、二男に牛若丸というように、一人に一つそれぞれの分を飾ります。
【金太郎】(坂田金時の幼名)【牛若丸】(源義経の幼名)【弁慶】(牛若丸の家来で、知恵と怪力で大活躍し、豪傑の代名詞)【鍾馗(しょうき)】中国の皇帝の枕元にあらわれた幻の英雄。邪悪なものや疫病から守る魔除けの神。
【鎧(よろい)】や【兜(かぶと)】…武士の命を守る大切な道具を飾り、

様々な災いから子供を守って逞しく成長するよう願います。
この日は、鯉のぼりを飾り、菖蒲(しょうぶ)につかって、柏餅ちまきを食べます。


④菖蒲湯
心地よい緑の季節という印象が強い立夏の頃ですが、急に暑くなることから、昔は病気にかかり、亡くなってしまう人も少なくありませんでした。
昔の人達は旧暦の5月を毒月と呼び、厄や毒を祓うために、菖蒲や蓬(ヨモギ)の葉を門に刺して、健康を祈願しました。

また、夏が本格的になれば、一層暑くなり、体力が奪われますし,昔なら伝染病が蔓延することもあったでしょう。
そうならないようにするために、昔の人々は薬草などの力を借りて、立夏から健康的な生活を心がけていたのです。

端午の節句に菖蒲湯に浸かったり、ヨモギ餅を食べたりするのも、邪気を祓うためで、端午の節句は子供の成長の為に、邪気を祓う行事だったのです。

【菖蒲湯】菖蒲の葉を湯に浮かべ、頭に葉を巻き、の葉も一緒に入れて、身体をそれで叩くなどをして,【厄除け】をし、無業息災、学業成就などを願います。
菖蒲は、どちらも薬膳的にも魅力的な薬効を持っています。 
菖蒲は水辺に生えるサトイモ科の植物で、強い香りで頭をすっきりさせ、体を温めて、痛みを鎮め健胃作用もあります。
薬膳では、葉よりも根茎の薬効が強いとされます。 
また、菖蒲の香りは腰痛や神経痛を和らげてくれますから、菖蒲湯は健康のためには、理にかなったことでした。
リラックス効果も期待大です! 
は山野や道端に生えるキク科の植物で、若葉をゆでて刻んだものは草餅よもぎ餅に使われるので、別名は「モチグサ」です。 
葉の裏の白い毛を集めたものお灸の材料の(もぐさ)です。
少し成長した茎葉を乾燥させたものは艾葉(がいよう)と呼ばれ、止血作用のほか、体を温め、冷えによる腹痛、肩こり、腰痛、生理痛などをやわらげる薬効があるとされ、“女性に嬉しい婦人薬"の異名を持ちます。 


五月五日背比
柱の傷はおととしの五月五日の背比べ」という戦前からの童謡(『せいくらべ』)がありますが,端午の節句には背比べをするという習慣があったようです。
もし中国の称人」(三国時代に起源を持つ中国の南方の立夏に体重や身長を測る慣習)が日本にも入ってきていて,日本では,それが体重ではなく身長になったということかもしれません。
この南方独特の習慣が日本にも伝わったということは、中国南部と日本の深いつながりを感じさせます。


⑥立夏の時期にはがあります。
毎年5月の第二日曜日が「母の日」なので,今年は5月12日となっています。 
日頃お世話になっている母親に日々の苦労をいたわり,感謝の気持ちを表すのに,赤いカーネーションを贈りますが,今では花を添えてプレゼントを贈るのが定番になっています。 
母の日にカーネーションを贈るという習慣は,アメリカで一人の女性が母親の命日に,教会でカーネーションを配ったことからきています。


❷【立夏行事食】 
日本では暦ごとに,その時ならではの行事を行う場合が多く,冬至には「カボチャ」,春分や秋分の日には,「おはぎ」や「ぼた餅」といったものがありますが,立夏にはそういった行事食はないようです。 
ただ,立夏は「端午の節句」と重なることが多いので,「子供の日」の行事食をあててもいいのかもしれません。
子供の日の行事食は,「柏餅」や「(ちまき)」です。 
東は柏餅、西はが主流のようですが、柏餅も粽も香り高い葉

で餅を巻く所は同じで、冷蔵技術のない時代のこの季節、殺菌作用のある葉に包むことは理にかなっていました。
柏餅日本に起源を持つと言われる和菓子です。
柏の木は、新芽が出るまでは古い葉が落葉しないことから、後継ぎ(家系)が絶えることがない子孫繁栄を意味を持つ縁起の良い木とされました。
柏餅は東日本でよく食べられていますが、あんこの入った柔らかい餅を柏の葉で包んだものです。
桜餅の桜の葉とは違い、柏の葉は固くて食べられません
食べるためではなく、上記のように「子孫が繁栄するように」と願いを込め、柏の葉で餅を包んでいます。

西日本で食べられることの多い粽の起源は中国とされ,5月5日に様々な陰謀で,川に身を投げて自殺をした有望な政治家:屈原(くつげん)を弔うために,川に投げ入れるようになったものがの元と言われます。
せっかくの粽を悪い龍が食べてしまわないように,楝樹(れんじゅ・悪い龍が苦手にしている)の葉で巻き、赤・青・黄・白・黒の5色の糸で縛ってから川に投げ入れていたそうです。
ちなみに粽を包んだ楝樹の葉ですが,他に(ちがや),だったともいわれています。
これが日本に伝わって、粽を作って災い除けにする風習ができました。
粽は5月5日の節句に食べるほか、祇園祭の厄除けとして玄関に飾られています。
中華料理でチャーシューなどを入れた粽とは違い、端午の節句で食べる粽は独特のさわやかな香りがついたお餅でおいしいです。
他に、ちらし寿司、赤飯、中華ちまきなどが比較的よく食べられているようです。 
この二つは似たような食べ物ですが、実はそれぞれ違う意味合いがあり,柏餅は「子孫繁栄」,粽は「邪気払い」という意味合いになります。 
柏餅と粽、両方とも緑の葉が大きな役割を果たしています。

子供の成長を願うとともに、皆様も是非一緒に食べて、立夏をご堪能しましょう♪

↓◇続きは

☀③立夏の食養は?
https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12595181406.html
☀④立夏の旬を感じるものは?

https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12595298241.html
☀立夏の養生法
https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12595361009.html

・・・・・・・・・・・・・

☀①5/5~20=24節気&72候:立夏とは?
https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12594686031.html
☀②立夏の過ごし方は?
https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12595170569.html

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