世界選手権 順位予想
今日はテレビでクロカン女子クラシカル10kmを見ましたが、感動しました。
優勝したサーリネン選手も石田正子選手もメチャメチャ凄かったです。
さて、せっかくなので、ジャンプのメダリストを予想したく思います。
参考に前回札幌大会に至るまでのワールドカップ順位の推移と今回これまでのワールドカップ順位の推移をグラフにしてみました。
2年前と今とでは大きく実力も変わってきているので、簡単に参考にはできません。
ですが、調子の良し悪し、大舞台での強さを計るという点では参考になるかと思います。
↑今シーズンこれまでのワールドカップ順位の変遷
以上を参考に、メダリストを予想してみました。
女子は残念ながらデータ不足でわかりません。
ノーマルヒル
金…Simon Ammann (SUI)
銀…Thomas Morgenstern (AUT)
銅…Wolfgang Loitzl (AUT)
ダークホース…Dimitry Vassiliev (RUS), Martin Schmitt (SUI), Andreas Kuettel (SUI)
シュリーリが鉄板ですが、ワールドカップにないノーマルヒルで、且つ彼には初戦のプレッシャーも物凄いとあって、お祭り男のアマンの優勝と予想します。
2位には復調してきたモルギー、3位は"ジャンプの教科書"ロイツル先生が入るとみました。
ノーマルは高く出た者勝ちの傾向がある為、ダークホースは主にパワー系ジャンパー達です。
ラージヒル
金…Gregor Schlierenzauer (AUT)
銀…Simon Ammann (SUI)
銅…Harri Olli (FIN)
ダークホース…Anders Jacobsen (NOR), Martin Schmitt(GER), Thomas Morgenstern (AUT)
2戦目ラージヒルには慣れてきたシュリーリが実力通り優勝。
アマンとは接戦になるのではないでしょうか。
好不調の波の著しいハリ・オリですが、今年は極めて安定している為、この辺で一発やらかしてくれると思います。
ダークホースではヤコブセンが特に注目です。当たった時は大ジャンプが出ます。
団体
金…Austria
銀…Finland
銅…Norway
ダークホース…Russia
団体もオーストリアでほぼ間違いないでしょう。
フィンランドは若手のラリントが爆発すれば金も見えて来るかも知れません。
日本も葛西選手・伊東選手が上り調子なので目が離せません。
さて、どうなることやら。
楽しみですね!
(連載)ジャンプ観戦ガイド【②動くべからず】
連載第2回目の今回のタイトルは"動くべからず"。
どこで動いてはいけないかと言うと、アプローチの湾曲部分("R"と呼びます)の部分に於いてです。(図1参照)
図1:アプローチ
これはジャンプの最重要ポイントと言っても過言ではありません。
動くか動かないかで勝敗が決します。
究極的には、ジャンプとはRで動くか動かないかの勝負なのではないかと感ずる程です。
前回述べた通り、Rでは体重のおよそ2倍もの遠心力("圧"と呼びます)が掛かります。
"動くべからず"と言うのは、その圧に負けない、体を揺さぶられないという意味です。
テレビを見ていると、失敗ジャンプの時に解説の方(特に竹内元康さん)がしばしば
「腰が落ちてしまった。」
とをおっしゃいます。
"腰が落ちる"というのはどのような状態を指すのでしょうか。
写真2
↑はそれぞれオーストリアのロイツル選手のR通過前、R通過後の比較です。
通過前後で頭と腰の位置は全く変わりません。
一方、写真3,4は私のR通過前、通過後の比較です。
R通過後に腰の位置が相対的に低くなっているのがわかります。
これが、腰の落ちた状態です。
"腰が落ちる"というのは圧に負けていることを意味します。
本来、Rの通過に伴う圧は、背中の上から均等に体全体に掛かるはずですが、圧に負ける時はほとんどの場合腰が落ちます。
なぜならば足首関節は可動域が狭く、ある程度の角度でロックされる(=これ以上曲がらなくなる)のに対し、膝関節は可動域が広く、腿とふくらはぎが接するまで(≒180°)曲がり得るからです。(試してみて下さい。足首関節が柔らかければジャンプに向いているはずです 笑。)
その為、足首関節で逃げ場を失った圧は、膝関節に集中します。
結果、腰が落ち易くなるのです。
では、なぜ腰が落ちてはいけないのでしょうか。
答えは簡単です。
前回述べたパワーポジションと腰が落ちたいわゆる"ウンコ座り"の両方の姿勢から、ジャンプしてみて下さい。
写真3:パワーポジション
写真4:"ウンコ座り"
腰が落ちている方が、高くジャンプし辛い上に、跳躍動作に時間が掛かるのではないでしょうか。
この結果は腰が落ちると踏み切り("サッツ"と呼びます。)時に
①力が伝わり難い
②タイミングが遅れる
恐れがあることを示唆しています。
それに加え、サッツ後に体が起きてしまったり、飛型の完成が遅れたりと、空中でのロスにもつながるのですが、そろそろ話の収拾がつかなくなりそうなので、次回に回します。
それほどRで動かないことは大切だということです。
では、腰を落とさないようにするにはどうすれば良いのでしょうか。
それは踏ん張ることです。
腰に圧がかかるのであれば、それに耐えなければなりません。
"踏ん張る"などと言うと一見簡単なことのように感じられそうですが、時速80~90kmものスピードの中、様々な力に体を揺さぶられながら、同じ姿勢をキープし続けるのは非常に難しいことです。
アプローチは雪や氷で出来ている以上、完全にフラットではなく、どうしても凹凸が出来てしまいます。
そのようなアプローチを滑りながら、しかも圧まで受けるというのは実に不安定で、体を揺さぶられながら滑っているようなものなのです。
そこで、まず、前回述べた"低い姿勢"(=低重心)が活きてきます。
車と同じで、重心が低ければ低い程安定し、揺さぶられ難くなるからです。
次に、前回述べた"パワーポジション"が活きてきます。
体重の2倍にもなる圧に耐えるには、筋力を最大限発揮する必要があるからです。
以上、Rに於いて動かないことの重要性について述べてきました。
しかし中には明らかに腰が落ちているにも関わらず、距離を出す選手もいます。
そういう選手はつまり、腰が落ちてもそれを跳ね返し、タイミングを合わせることが出来る程の強い筋力があるということなのでしょう。
ただ、理論上は腰を落とさない方が良いジャンプにつながるはずです。
~まとめ~
観戦ポイント②"動くべからず"
・R通過の際に体重の2倍もの圧が掛かる
・圧に負けて腰が落ちると、サッツ時に①力が伝わり難く、②タイミングが遅れ易い
・動かない為には、"低い姿勢"と"パワーポジション"をとることが有効
(例)
・腰が落ちながらも距離を伸ばす選手・・・渡瀬あゆみ (JPN), Thomas Morgenstern (AUT)
(連載)ジャンプ観戦ガイド【①低い姿勢】
ご無沙汰してます。
年始以来、仕事で休みが思うように取れず、全くジャンプを飛べていません。
国体も全日本選手権も出たかった。。。
大会に出たいのに出られないというのは本当にストレスになります(-_-メ)
さて、間もなく世界選手権が開幕します。
私も楽しみで楽しみで仕方がありません。
どんなにこれを待ちわびていたことか…。
世界選手権の為に今年はわざわざブルーレイレコーダーを購入したほどです。
ただ、ジャンプってみるのが難しいですよね。
どれが良いジャンプでどれが悪いジャンプなのか非常にわかりにくい。
アナウンサーですら
「高さはある!・・・・・・が、これは伸びません。」
といった具合に苦労していることがしばしばです。
ですが、ジャンプのポイントを理解すれば、観戦は何倍も面白くなります。
そこで、今回から数回、経験して分かったジャンプ観戦のポイントを何点かご紹介したいと思います。
もっとも、「なぜ?」と思う程セオリーを外れながら距離を出す選手もいます。
よって、あくまで最大公約数的なガイドですので、ご了承下さい。
第1回の今回は"低いアプローチ姿勢"です。
良いジャンプの為には、アプローチで低い姿勢をとることが有効です。
その理由は
低い姿勢をとることにより
①空気抵抗が減り、スピードが増す
②重心が下がり、滑りが安定する
からです。
しかし、誰でも簡単に低い姿勢をとれる訳ではなく、低い姿勢をとり、維持するには
①柔軟性
②筋力
が不可欠です。
特に①の柔軟性については、股関節と足首が柔らかくある必要があります。
↑写真は私です。
私は足首が極めて硬く、低い姿勢をとれません。
毎日欠かさずストレッチをしていますが、なかなか改善しません。
一方、こちらはオーストリアのモルゲンシュテルン選手です。
アプローチに吸い付くような低く素晴らしい姿勢です。
さすがですね。
もっとも、単に低くあれば良い訳ではありません。
低くても体をうまく使えなければ意味がありません。
"体をうまく使う"とは筋力を活かすということです。
アプローチでは湾曲部分("R"と呼びます)を通過する際、高速で円弧を描くが故、体の上方向から遠心力を受けます。
この仕組みはジェットコースターのカーブで外側に引っ張られるように感じるのと同じです。
結果、選手は体重の実に2倍もの圧力に耐える必要が出てきます。
さらに、その圧力を跳ね返しながら踏み切り("サッツ"と呼びます。)を行うこととなります。
この一連の流れをスムーズに行い、且つ大きな力をカンテ(アプローチの先端)に伝える為には、筋力を最大限活用する必要があります。
では筋力を最も発揮できる姿勢とはどのような姿勢なのでしょうか。
それは"パワーポジション"と呼ばれる姿勢です。
パワーポジションは、地面から重たい荷物を引っ張り上げる時に、最も力が入る姿勢に等しいと考えて下さい。
試しに重いものを持ち上げてみましょう。
腰を沿り、膝を曲げながら腰を落とし、踏ん張りの利く姿勢をとられることと思いますが、それがパワーポジションです。
では、その姿勢から腕を後方へ伸ばしてみて下さい。
まさにアプローチ姿勢ですね。
さて、このパワーポジション、限界まで低く組んだアプローチ姿勢と一致するとは限りません。
せっかく低い姿勢をとっても、力を発揮できないのでは元も子もありません。
よって、パワーポジションをとる為、ある程度高い姿勢がとられることもしばしばあります。
スタート直後に一旦落とした腰を、アプローチを滑っている間に徐々に上げていく選手は多くいますが、それはパワーポジションを作っているからなのです。
日本の岡部孝信選手もその一人だと考えられます。
~まとめ~
観戦ポイント①
・低いアプローチ姿勢…加速・安定に有効
・パワーポジション…筋力を最も発揮できる姿勢
・低いアプローチ姿勢とパワーポジションが一致するとは限らない
(例)
・アプローチ姿勢の極めて低い選手・・・葛西紀明 (JPN), Thomas Morgenstern (AUT)
・アプローチ中にパワーポジションに直す選手・・・岡部孝信 (JPN), Bjorn Einer Romoeren (NOR)
Incredible Willingen !!
大貴選手 7位
岡部選手 14位
すごい・・・。すごすぎます。
私はネットで中継を見ておりましたが、とっっっっっても感動しました。
世界選手権がますます楽しみですね。
シュリーリは強すぎ。ありえない♪
それだけデス。
テレビ告知
先日、報道ステーションで山田いずみ選手が取り上げられました。
私ももちろん見て、大変感銘を受けました。
実力もさることながら、中学以降は試合に出られない、試合が無い、という状況下でも放り出さず、トレーニングを続けてこられたところが本当に偉大だと思います。
また、番組の中で渡瀬あゆみ選手が
「いずみさんがいたから続けられた。」
と言っておられましたが、納得です。
私はテストジャンプ等を行ってきた関係で、女子チームに混じって飛んだり、控室で待機したり、ということを度々経験したのですが、チーム全体が毎回明るく、雰囲気がとても良かったと感じます。
その中心にいるのが山田選手で、毎回盛り上げ役をやってらっしゃいました。
私も大学時代にチームをまとめる立場にあったので感じましたが、大会でも合宿でも自分のことだけでも大変なのに、ましてやチームを盛り上げることは大変な苦労であり、負担になります。
しかも女子選手は皆一緒に合宿を張っており、最年長の山田選手と伊藤有希選手や高梨沙羅選手との年齢差は実に20歳近くです。
私は20歳も下の子となんて盛り上げるどころか会話すらろくにできません。
山田いずみ選手、本当に偉大です。
2月の世界選手権でも良い結果が出ると良いですね。
さて、ここまで女子チームの番組の話でしたが、フィットチームもテレビに出ます。
名寄合宿中の12/27~28に名寄・下川で撮影した映像が、1/25(日)朝7:00の日本テレビ系列「所さんの目がテン!」で放映されます。
船木選手と上田選手が大活躍です。
上田選手の美しい肉体も披露されるはずです。
皆さん見て下さいね~
ビデオ解析による復習 雪印杯
私のビデオカメラは9月に購入したばかりの世界のソニー自慢の一品です。
大容量ハードディスクは当たり前。
フルハイビジョン、長時間撮影、顔検出機能等々とんでもないスグレモノです。
ですが、それでもまだ終わらない。
特筆すべきは"なめらかスロー録画機能"
これは通常の数倍のコマ数で記録することにより、超高精細なスロー映像を撮影できるという先進機能。
ただし1回最長3秒という制限つき。
ウルトラマンかよ
これを初めて使ってみました。
これが実にスバラシイ。
高精細映像がここまで手軽に撮れるとは感動ものです。
選手のクセ等がくっきりとわかります。
以下、その映像を掲載します。
沢山の選手の映像を撮ったのですが、許可が取れた選手のもののみ掲載します。
↑笛木美沙選手(新潟県)
伊藤有希選手らと共にこれからの日本女子ジャンプ界を担っていくホープです。
↑船木和喜選手(フィット)
言わずと知れた大御所です。
ジャンプではアプローチが大切と言われますが、そのアプローチを滑った結果は踏切に現れます。
よって踏切を見れば良いジャンプかどうかが概ねわかります。
フルハイビジョン画質でアップできないのが残念ですが、今回の映像でも踏切時の選手の動きやクセが鮮明に表れています。
YouTubeに飛んで頂ければ、もう少し高画質で見られると思います。
これは大いに勉強になります。
ハンディカメラでこのような映像を撮れるとは、なんというイノベーション。
さすがSONY!!
繰り返し見て、良く勉強したいと思います。
雪印杯を終えて
二年振りの公式戦雪印杯が終わり、大阪に帰ってきました。
結果は51mという大失敗ジャンプで予選落ち。
したかったことを何一つとしてできませんでした。
悔しくて涙が出る程でしたが、結果は極めて妥当と言えましょう。
ジャンプの技術的向上には多くの練習量が必要です。
また、技術の基礎となる筋力・柔軟性も必要です。
夏と冬はアプローチの滑り具合・安定度が全く異なる為、不安定な冬の台で練習量を稼ぎ、適応する必要があります。
さらに技術が向上しても、試合でそれを発揮する為には、試合経験を積んでおく必要があります。
ただでさえ時速80kmを超えるスピードの中冷静に動くのは難しいのに、試合という追い込まれた状況では尚更です。
私にはその全てが欠けていました。
よって、良い結果など望むべくもないのです。
ジャンプはそんなに甘いスポーツではないのです。
ただし、暗い話をしようとしているのではありません。
要素が欠けていればいる程、満たした時に伸びるものと考えられます。
ここはサラリーマンらしく"カイゼン"していきたいと思います。
今年度は大学卒業と共で引退したはずのジャンプをどうしても飛びたくなり、8月の余市合宿から急ピッチで準備を進めてきました。
仕事の都合等でまともに体を動かすことすらできなかった状態から始め、テストジャンプやフィット入部、大阪転勤等を経ながら、ようやく大会に出場することができました。
今日はひどい結果だったとは言え、自分がずっと憧れてきた世界に一歩近づくことができた実感はあります。
宮の森の大会に出ることは、私にとっては高校球児が甲子園に出ること程光栄なことです。
またフィットに入ってからは新たに多くの方々と知り合ったり、従来以上に仲良くなることができ、世界が広がりました。
憧れの存在でしかなかった人々と話し、練習できたことは、これもまた光栄なことです。
さて、シーズンは始まったばかりですが、昨今の経済情勢の為休みを取り辛く、今シーズンはこれ以上大会に出られないことが濃厚です。
状況は厳しいですが、今シーズン経験したことを反省し、今できること、大阪でできることを一つ一つ積み上げて、次の大会へ繋げたいと思います。
船木さん、泊めて下さった上田選手、合図を出して下さった吉田さん、シミュレーションを取って下さった杉本さん、そして見ず知らずの私をも応援して下さったフィットクラブの方々、ありがとうございました。
明日からトレーニング頑張ります。
左から私・船木さん・吉田さん・上田さん
札幌の締めはスープカレーですね!
雪印杯公式トレーニング
年末は野沢温泉での国立八大戦で後輩大学生達の応援をし、元旦に明日の雪印杯出場の為札幌に入りました。
昨日宮の森がオープンし1日練習、今日は公式トレーニング3本&予選の予定。
でしたが、昨日は気温・雪温の高さ故ジャンプ台 CLOSED。
今日は降雪&強風で公式トレーニング1本で終了。
(-_-メ…
今年はこんなことばかりですね
予選は明日、試技を兼ねることになりました。
今日予定通り行われ予選落ちしていた場合、大会当日は何もできないので、その点はラッキーです。
国内大会では異例の予選は上位30人まで絞るとのことで、私にとっては相当厳しい条件です。
が、せっかく来ていますし、次いつ大会に出られるかわからないのでミラクルを信じて頑張ります。
写真は宮の森の整備の様子。
なお、チームメイトの上田直樹選手もブログ( http://blogs.mobile.yahoo.co.jp/p/blog/myblog/mytop?bid=dis_like_half )を書いているので、是非ご覧あれ。