RUNWAY, NOWAY, FLY AWAY, FAR AWAY


Amebaでブログを始めよう!
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

137 -伊東大貴2勝に寄せて-

伊東大貴選手初優勝&連勝おめでとう。

ようやく得た1勝。彼は何を考え、何を思ったのだろうか。


満員の観衆、連日大々的に報じるテレビ・新聞、そして選手の用具を飾る数々のスポンサーのロゴ。
岡部・原田の137mの大ジャンプに湧いた長野オリンピックを目のあたりにし、ジャンプの世界はさぞ輝かしく映ったことだろう。

だが、彼がワールドカップ選手になった頃、それらは消え去っていた。
長野からわずか4年後、ソルトレークシティオリンピックでの日本ジャンプ陣の不調を見るやいなや、観客もマスコミもスポンサーも、掌を返したように離れて行った。


初出場した憧れのオリンピック、2006年トリノ大会。
ビショフスホーフェンのバッケンレコードを更新した前シーズンの好調から打って変わって、下位に沈む。
ノーマル18位、ラージ42位。
そんな自分を尻目に、「絶対に負けたくない」と思っていた同世代のライバル、オーストリアのトーマス・モルゲンシュテルンが金メダルに輝く。
苦虫を噛み潰すような思いをしたことだろう。


その翌年、地元開催の2007年世界選手権札幌大会では、意地を見せる。
自らの大ジャンプでチームを団体3位に導いた。
ところが、観客もいなければ、報道も無い。
テレビの生中継すら無い。
世界選手権は冬季オリンピックと並ぶ一大イベントだ。
大会が始まる前には10年前の長野の大観衆と大報道を思い描いていたのでは無かろうか。


そんな中、追い打ちを掛けるように、所属していた土屋ホームが活動縮小を発表。
チームを離れることを余儀なくされた。
トレーニングを続けながら、試合に出ながら、スポンサー探し・就職活動。
先が見えない。良い結果が出るはずもない。


世界の頂点に君臨するオーストリアチームは、スキーの専門学校を出た選手達が、手厚いサポートを受けながら競技に打ち込んでいる。
スポンサーも数多い。移動には選手専用のバスが用意されている。
選手はただ競技に専念していれば良いのだ。

一方、日本ではジャンプ選手は一般人と何も変わらない。
数多くのジャンプ選手を送り出している下川商業高校も普通の公立高校だ。
選手専用バスなど無く、自ら運転して試合会場へ行く選手も多い。

同じオリンピック選手、ナショナルチームのエース。
なのに、一方はスーパースター、もう一方は競技の続行すら危ぶまれる。
そのくせ結果だけは同等に求められる。


しかし、そんなことで潰れる伊東ではなかった。
何とか雪印に入社すると、長野のヒーロー斎藤浩哉監督の下、トレーニングに励む。
調子は徐々に上向いた。
2010年のサマーグランプリでは総合優勝。
ワールドカップ初優勝も秒読み段階かと思われたが、冬に息切れし、優勝はならず。


そして、2011-12シーズン、夏場から徹底的に自らの肉体と向き合った。
一番キレる身体を作ったら、体重が減り、その分板を短くすることとなった。
板は短くなったが、身体は本物だ。
第4戦(ハラコフ)では優勝まで1点差、第13戦(クルム)では1.6点差という僅差の2位。
ジャンプ週間でも、4戦中3戦で5位以内と、実力を発揮し、海外メディアが大注目する存在となった。


そんな中、迎えた札幌大会。
例年、ヨーロッパのトップ選手達は長旅や時差を嫌い、札幌遠征を避ける傾向がある。
その結果、国内大会に毛が生えたような大会となり、盛り上がらない。
だが、今年は伊東や竹内択、ノルウェーのアンデシュ・バーダルやポーランドのカミル・シュトッホらの活躍で、総合優勝争いが混戦だ。
その関係からか、総合上位10名中9名が参戦する、かつて無くハイレベル大会となった。


札幌は相変わらずだ。
観客は疎ら。テレビもカットやCMだらけの録画放送のみ。
だが、伊東だけは違った。
1戦目は逃げ切り。2戦目は大逆転。
凄まじいプレッシャーを払いのけ、連勝をやってのけた。

ジャンプは自分との戦いだ。
身体だけでは勝てない。
心・技・体全てが揃った時、ようやく形になって表れる。
それらはそう簡単には揃わない。一つを揃えても、他を揃えている間に逃げていく。
まして、競技に集中できない境遇では尚更だ。
伊東は11年前のワールドカップデビュー以来、ずっとこれと戦ってきた。

明るい性格でいつも笑顔だった伊東。
だが、初優勝が決まっても、連勝が決まっても、見せたのは控えめな笑顔のみ。
"神童"と言われた彼も26歳。目尻には皺が目立つ。
現在公開中の映画 "ALWAYS 三丁目の夕日'64" にはこんな台詞がある。
「傷、火傷、シミ、皺。一生懸命生きてる人の証だ。とても素敵なことだと思うよ。」


1998年2月17日の大逆転の狼煙となった岡部孝信の大ジャンプは137m。
今回、伊東が逆転勝利を収めたジャンプも137m。
彼の勝利が日本ジャンプ界の逆転の狼煙となることを願って止まない。

札幌大会 順位予想

あー、ほんとブログって続かない。
Twitterが流行ったわけが良くわかる。手軽さってホント大事。

さてさて、ワールドカップ札幌ラウンドですね。
今年は参戦メンバーがホント凄い。

これも全てAUTの牙城が崩れ始めて、混戦になってるからですね。
自分は観に行けませんがここ数年間で最も面白い試合になること必至でしょう。

では、勝手に順位予想をします。

その前にここまでのワールドカップ総合順位と得点のおさらい。

1. Kofler (AUT) 905
2. Schlierenzauer (AUT) 866
3. Bardal (NOR) 809
4. Morgenstern (AUT) 730
5.
Freitag (GER) 614
6. Stoch (POL) 600
7. Freund (GER) 488
8.
Kranjec (SLO) 472
9. Koudelka (CZE) 429
10. Ito (JPN) 420


来札しないのはSchlieriだけ。豪華!!

1戦目(天気予報がヤバそうだけど。。。)
1. Bardal (NOR)
2. Ito (JPN)
3. Stoch (POL)

2戦目
1. Ito (JPN)
2. Freitag (GER)
3. Kofler (AUT)


大した根拠はないけれども、(比較的天候が荒れやすい)夜間の大倉山にはBardalやStochが強いような気がする。
StochはZakopaneでも悪天候の中活躍したみたいだし。

午前中に行われる2戦目は風も天気も安定する傾向があるので、KoflerやFreitagが台頭しそうな気がする。
大貴はいよいよ優勝かな!?


なお、札幌ラウンドに合わせてか、TVもかなり豪華。

・1/28(土) ワールドカップ1戦目 19:00-20:50(NHK-BS1), 25:35-26:3(NHK総合)
・1/29(日) ワールドカップ2戦目 15:00-16:10(日本テレビ系列)
・同日          第1回インスブルック・ユース五輪総集編 19:00~19:50(NHK-BS1)
・同日          女子ジャンプワールドカップ 前半ハイライト 20:00-21:50(NHK-BS1)

テレビの前から離れられないな、これは。

 

Freundの板は壊れていた!

日曜のLillehammerでのW杯男子個人ラージヒル、逸話があった模様。
Bardal (NOR)と2位を分けあったFreund(GER)、飛ぶ前に板が壊れていたとのこと。

スタート前の尋常じゃない気分の選手にとって、板が壊れるなんてもってのほかの事態…のはずなんだがなあ。


以下、Berkutschiの記事 の抜粋の和訳と原文
(ちなみに文中の「ペリメーターボード」とは、スタートゲートの裏に付いているスポンサーとかが書いてある板 のことです。)

【和訳】
フロイント "鉄の神経"

ゼベリン・フロイントは"鉄の神経"を持っていることを証した。
スキー板が壊れていた為、1本目を(順番通りに)飛ぶことが出来なかったが、
審判団が現在のワールドカップリーダーであるコフラーの後であれば飛ぶことを許可した。
すると、しばらく待つことになったにも関わらず、1本目3位につけた。
それどころか、最終的にはさらに順位を上げ、2位(249.2点)に入り、
昨日のリヒャルト・フライタークに続いて、ドイツチームにとって今週末2番目の表彰台入りを果たした。

「慌ただしかったよ。」
フロイントはいつも通りの落ち着いた口調で話した。
「ペリメーターボードが上がってきて、僕の板が壊れたんだ。もちろんこんなことは今まで起きたことも無いし、多分二度と起きることも無いだろうね。」
彼は続けた。「もしかしたら、こんな慌ただしい準備の方が、色んなことを心配し過ぎなくて良いのかもね。」


【原文】

Freund nerves of steel

 

Severin Freund proved that he has nerves of steel. Because of a broken ski he could not jump in the first round, but the jury allowed him to start after World Cup leader Kofler. After some time of waiting he jumped and was third. In the final he could even improve this position and came in second (249.2 points). He achieved the second podium result for the German team this weekend after Richard Freitag was second yesterday.

 

"It was pretty hectic", Freund told in his usual calm manner. "My ski broke because the perimeter board came up. Of course that never happened to me before and it will probably never happen again", said Freund. "Maybe such a hectic preparation is better than to worry too much about everything."

 


こんだけ、強心臓なら今後も色々やってくれるだろう。
Freundよ、期待してまーす。

リレハンメルの意味

男子個人ノーマルはKofler (AUT) が貫禄勝ちと。Freitag (GER) も片鱗を見せてきたご様子。
日本勢は…毎年開幕戦は良いのになあ。
ノーマルだったからか、AUT勢がイマイチだったかな。タイミング合わせづらいのか。
NORは…orz 地元どうした!?

リザルト


何より注目すべきは、併せて行われた記念すべき第一回女子ワールドカップ。
1. Sarah Hendrickson (USA)
2. Coline Mattel (FRA)
3. Melanie Faisst (GER)
で、
5. Sara Takanashi (JPN)
8. Ayumi Watase (JPN)
22. Kaori Iwabuchi (JPN)
26. Atsuko Tanaka (JPN)
と。

Hendricksonが初代チャンピオンに。Lindsey Van といい、USAは大舞台に強いなあ…。

ちなみに、Hendricksonは17歳、Mattelは16歳、Faisstは21歳とメチャクチャ若い!
上位10名を見ても 4. Daniela Iraschko (AUT), 8. Anette Sagen (NOR), 9. Ayumi Watase (JPN) 以外は全員90年代生まれ。
女子ジャンプにも世代交代の波が来たらしい。未来は明るいな。
Ladiesskijumpingの記事


今回わかったのは、男子と女子の試合を同時に行うと効果が高いということ。
今回は 男子1本目→女子1本目→男子2本目→女子2本目 と変則型で行われたがこれはかなり有効。
人気の高い男子と女子を併せて行えば、観客は女子も当然観るので、興味を喚起できる。
これで女子競技の人気が上がれば儲けたもの。

が、残念ながら、今季のワールドカップで、男女同時開催は今回が最後。
女子は殆どノーマルヒルで行われる関係からだと思うが、ならば来季から女子もラージでやれば良い。
技術的には何の問題もない。

↓Sarah Hendricksonのインタビュー。彼女もまた、男女同時開催の意義を感じている模様。

2011- 12 開幕戦

延期になった開幕戦は1ラウンドオンリーで行われました。

1位:AUT
2位:JPN
3位:RUS

Team Japanおめでとう!!!


早速Berkutschi.comで記事になってます。
http://berkutschi.com/en/front/news/show/1773-austria---again-austria

以下、引用

【和訳】
小林潤志郎、栃本翔平、竹内択、伊東大貴は抜群に優れていたという訳ではないが、2位に入るには十分な良いジャンプを揃えた。

【元記事】
Junshiro Kobayashi, Shohei Tochimoto, Taku Takeuchi and Daiki Ito didn't have outstanding but consist good jumps and that was enough for the second place on Sunday morning.


ロシアについての記事も

【和訳】
ロシア驚きの表彰台

ロシア(398.3点)は、驚きの3位に入った。
ロシアのベストジャンパー、デニス・コルニロフ(25歳)は、サマーシーズンから良いジャンプを揃えていたが、今試合では143mの最長不倒を記録した。
今回の表彰台という結果は、"彗星"パベル・カレリンの悲劇的な死の後の厳しい状況下にあるロシアにとって、完璧なスタートとなった。


【元記事】
Russians surprisingly on the podium

The third place on the podium surprisingly went to Russia (398.3 points), their best was Denis Kornilov. The 25-year-old, who already had good jumps in summer, jumped on 143 m and had the longest jump of the competition. This podium result is a perfect start of the season for the Russians, after they had to handle the difficult situation after the tragic death of shootingstar Pavel Karelin.


おめでとう、日本。
おめでとう、ロシア。
RIP Pavel.

竹内択 on Berkutschi.com

竹内択が Berkutschi.com の記事に写真入りで掲載されています。


LET'S GET IT STARTED - EVERYTHING READY IN KUUSAMO


以下、抜粋と和訳

【和訳】
さあ始めよう - クーサモは準備万端
2011/11/22 10:28

日本:竹内択は優勝できるか?
日本チームの中では伊東大貴の活躍に特に注目だ。25歳の伊東は今年は(夏ではなく)冬に賭けており、少なくとも上位10名の候補には入るし、さらに上位も十分狙うことができるだろう。
また、竹内択が今夏のサマーグランプリで収めたような素晴らしい成績を挙げることができるかどうかも注目である。


【元記事】
LET'S GET IT STARTED - EVERYTHING READY IN KUUSAMO
Created at: 22.11.2011 10:28/ os

Japan: Can Taku Takeuchi be on top?

Of the Japanese team it will be especially interesting to see the performance of Daiki Ito. He was focusing completely on the winter. The 25-year-old is at least a candidate for the Top 10, even more is possible if he has a good competition. It will also be interesting whether Taku Takeuchi will be able to repeat the great results he achieved in summer.


竹内君ガンバレー

Twitter開設してます

本ブログのTwitterアカウント、開設しました。

アカウント: @skijumping137m
アカウント名の意味は、マニアのあなたならわかりますよねw

主に実況で使っていきたいと思います。

開幕直前おさらい

いよいよ、今週末ジャンプワールドカップ開幕です。

2010 - 11シーズン&2011サマーシーズンのおさらい

【2010 - 11シーズン】
・優勝:Morgenstern (AUT), 2nd:Ammann (SUI), 3rd:Malysz (POL)
・JPN最高位は伊東大貴の15位
・相変わらずのオーストリアの圧倒的強さ(総合上位10名中4名。これでも陰ってきた方?)
・Evensen (NOR)による新世界記録(246.5m @ Vikersund)樹立


【2011サマーシーズン】
・優勝:Morgenstern (AUT), 2nd:Stoch (POL), 3re:Hilde(NOR)
・JPN最高位は竹内択の6位
・ポーランド・ドイツの台頭(これは面白い!)


今シーズンはどうなることやら。
Kuettel (SUI)やMalysz (POL) が引退し、新陳代謝のシーズンです。

週末が楽しみ!
READY TO FLY ??

Ready to Fly

すごいですよー。女子ジャンプの映画ですよー。
それも実話のドキュメンタリー映画。アメリカでですけど。
http://www.readytoflyfilm.com/

今なら寄付すると、映画のCreditに自分の名を載せてもらえるとのこと。
私は、反射的に寄付しました。これ程名誉なことはない。

そして、事務局にメールを送ったら、なんと監督から返ってきました。
以下抜粋。

We are planning to open Ready to Fly in theaters in Utah beginning on February 8, 2012.
We hope you can come.
Please let us know, and we will put you on the guest list!
Cheers

Bill Kerig

そんな訳で、マニアの皆さん、ぜひ寄付してSalt Lake City へ映画に行きましょうね。

マジメに情報出しましょう

今年からJ SportsがBSで放送(→我が家でワールドカップが観れる)という情報、および、本ブログが意外にも大学生ジャンパーの役に立っていたという事実を知り、もう少しマジメに書いてみようかと思うに至りました。

素人としての視点 & まがりなりにも競技者としての視点 & 超マニアとしての視点から、わかりやすい記事を書いていければと思います。

しかし、アレですね。このブログを始めたのはWeb2.0の時期だった訳ですが、今や3.0。
Twitterが如何に有用かすんごく納得。
また、Twitterジャンプアカウントでも作ります。
それで、中継観ながらリアルタイムでつぶやきまくれれば面白いかと思います。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>