今年になり、仕事の帰り道に気になる店を見つけていた。
「鮨久保」とあり、夜のコース2種類のみの営業とある。
高知市の寿司店では見ないメニュー構成だ。
ホワイトデーの夜を予約して、家内と出かけてみた。
木材をふんだんに使用した清潔感のある店内。
壁は土佐和紙を貼っている。
もちろん、カウンター席に座る。
予約したのは2コースのうちリーズナブルな方のコース。
まずはお試し的なところで…
ワインも置いているようだが、生醤油や酢飯を口にするのでパス。
日本酒が揃っている。なかなかいいではないか。
土佐酒では美丈夫が並ぶ。「夢許(ゆめばかり)」があるではないか。
美丈夫を奨める理由を聞くと、大将が一言「親戚なので」…。
なるほど、そうなのか。
こちら、大将の息子さんだという。
明るく、話し方に好感が持てる。酒に詳しく、酒の保存方法や提供の仕方に拘りがあるようだ。
前菜を用意している。
日本酒で始める。
佐賀の鍋島 純米吟醸
山田錦を50%精米 アルコール度16% 日本酒度-1
最初の一口だけに、ピュアな旨みが染みる。
前菜
水蛸(北海道)酢の物 鰻(高知)押し寿司 胡麻間八(高知) 数の子に代わり赤貝
赤貝は好物だ。下処理が素晴らしい。
間八のしっかりした歯応えのよさ。
大将が握り、一仕事加えている。
大将の穏やかな話しぶり。静かな動きの中に、これから出す寿司一貫への最善の手が入っていくことが分かる。
平目(高知)
「今朝入った新しい平目です。ウチはこれを1日以上寝かせて旨みを引き出しますが、今日は新しい平目しかありません。これで召し上がってみてください。」と大将から。
縞鰺(愛媛)
香りがいい。ヅケのタレの具合がいい。
土佐あかうしの炙り
家内が「塩は高知産ですか?」と聞くと「沖縄の塩です。いろいろ試しましたがこの塩が一番あかうしを美味くします。高知の塩もいいのですが、最も良いと思うものを使います。」と返ってきた。
もうここまでで、この店のファンになっている。
(続きます)