医療用の尿素クリームについて理解を深めよう~乾燥肌の保湿剤 | 皮膚科系薬剤師が教える保湿剤の上手な使い方・選び方

皮膚科系薬剤師が教える保湿剤の上手な使い方・選び方

薬剤師になって10年。皮膚科の近くの薬局に勤めていますが患者さんとお話していてなかなか保湿剤について知識が足りないなと思うことが多いです。私も勉強の途中ですが今ある知識の中からみなさまのお役にたてればなと思います。

尿素クリームは皮膚角質内の水分量を増加させることにより


乾燥肌の保湿効果に寄与します。


角質溶解作用があり、経皮吸収があがることがあります。



一般の方はあまりご存知ないかもしれませんが


医療で使われる薬には適応症なるものがあって


一部の医薬品を除けば


適応症の通りにお医者さんが診断名を書かなければ


保険が使えません。


この尿素クリームは先に書いたように


①保湿効果


②角質溶解作用


により症状の改善をすることになりますが



尿素クリームの適応症は


①保湿効果によるもの


魚鱗癬、老人性乾皮症、アトピー皮膚、進行性指掌角皮症(主婦湿疹の乾燥型)



②角質溶解作用によるもの


足蹠部皸裂性皮膚炎、掌蹠角化症、毛孔性苔癬




効果・作用からおおまかにわけることができます。


尿素クリームは


保湿効果を期待して処方されても


角質溶解作用を併せ持つことから


刺激があったり、外部からのアレルゲンの侵入を


ゆるしやすくしてしまう可能性があることから


アトピー皮膚(アトピー性乾皮症)に対して


あまりオススメではないのかなと個人的には思います。




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