8月30日、かつて引き分けた伏兵の古岡大八を挑戦者に迎え、日本バンタム級王座初防衛に成功した瀧澤博人がさらなる高みを目指し、打倒ムエタイに挑む。
絶好調のチャンピオンと拳を交わすのはチャンプアック・ゲッソンリット。
そう、80年代から90年代にかけ、日本のキック界だけではなく、総合格闘技やプロレスのリングでも暴れ回ったチャンプアの二世ともいえるサラブレットだ。
ゲッソンリットジムは初代会長の息子が受け継ぐ形で活動を再開し、名門復活を目指している。
ビクトリージムの八木沼会長は「チャンプアックはとにかく若い。勢いに呑み込まれないようにしないと」と警戒心を強めるが、瀧澤は今年5月のビアソッド戦以来2度目となるタイ人との国際戦に闘志を燃やす。
その意気込みを瀧澤は自身のブログで次のように語っている。
「昨年8月、当時無敗の王者を倒して日本チャンピオンベルトを巻きました。それから韓国5冠王、タイの地方王者、そして初防衛をクリアして世界への入り口に立つことができた。俺はチャンピオンベルトにたくさんのことを学ばせてもらいました。周囲に認めてもらえない世界タイトルなんて俺はいらない。俺は本物の世界チャンピオンになってやる」
どうやらこの一戦を瀧澤は世界への入り口と捉えているようだ。無理もない。チャンプアックを撃破すれば、来年1月開催のWINNERS1stで、とんでもない対戦相手との一騎討ちが計画されているというのだから。
最近はバンタム級では長いリーチや身長を十分に活かして闘えるようになった。
キッチリとタイからの刺客を下して、次のステップへと進めるか。
(スポーツライター 布施鋼治)