昨年10月の王座獲得から今回の初防衛戦。
日本バンタム級王者 瀧澤博人が挑戦者に古岡大八(日本バンタム級1位/藤本)を迎え撃つ。
今回は自分の集大成と決意を固める挑戦者 古岡大八を迎える若き王者 瀧澤博人に防衛戦直前インタビューしました。
一瞬たりとも目を離さないで。
──日本バンタム級チャンピオンになって10か月。その実感は?
瀧澤 結構ありますね。(チャンピオンになったおかげで)いろいろな出会いもありました。これから世界に向けて、日本のキックを引っ張っていく。そういう意識が生まれたのもチャンピオンになったおかげかなと思いますね。
──周囲の反応は?
瀧澤 やっぱりファンの方々は『次は世界を獲ってほしい』と言っている。夢を見せるのも僕らの仕事。だったら、これからは世界チャンピオンになることがファンに対する一番の恩返しなのかと思いますね。
──チャンピオンとしての自覚はかなり芽生えているようですね。
瀧澤 そうですね。ただ、日本チャンピオンは通過点。とりあえず世界への切符をつかめたととらえています。このチャンピオンベルトを持って、次にどうステップアップできるかを考えています。
──今回は初防衛戦。「初防衛戦は獲るより難しい」という声もあります。
瀧澤 そうですね。ただ、まわりが心配してくれるほどプレッシャーは感じていない。挑戦者も本気で来ると思うので、かなり厳しい試合になることは覚悟しています。そうした中でも僕は内容の濃いトレーニングができている。完璧に防衛する自信しかないですね。
──挑戦者の印象は?
瀧澤 過去2回闘っているので、お互い手の内はわかっている。古岡選手はもう何年も現役をやっていてトップランカーとしてずっと君臨している。たぶん負けない闘い方は心得ているでしょう。さらに僕の研究もしてくると思うので、さらにその上を行く気持ちで闘いたい。
──現時点ではどんな試合をイメージする?
瀧澤 もしかしたら僕が「苦戦するんじゃないか」と思っている人がいるかもしれないけど、早い段階で試合は終わるんじゃないかと予想しています。
──自分のどこを見てほしい?
瀧澤 僕は入場から退場までが輝ける時間だと思っているので、試合はもちろん、僕から一瞬足りとも目を離さないでいてほしい。勝負は一瞬で決まってしまうと思うので。
──今回は同じ興行にジムメイトが多数参戦します。同じ日に試合が重なるとお互いいい練習ができているのでは?
瀧澤 そうですね。ビクトリージムは「勝って当たり前」というところがあるので、試合内容も大事だと思っている。本当にひとつのところに向けて、みんなで一緒になって練習している感じですね。
──八木沼会長からのアドバイスは?
瀧澤 圧倒的な強さを見せつけたうえで最低でもKOしなければ防衛だとは認めないと言われています。ウチのハードルは高いですから(微笑)。
(スポーツライター 布施鋼治)