「最近,寝起きに腕などが虫にかまれたみたいにかゆくなることがあるから調べてみたら,畳の裏からトコジラミ(南京虫)の死骸が発見された」調査依頼 があり,状況確認にお伺いして捕獲された死骸(だいぶんつぶれていました)を見てみると・・・

『生まれて間もないクロゴキブリの幼虫だった』なんてことがありました。


死骸と似ているものをネットで画像検索したところ,トコジラミに似ており,しかもかゆいから間違いないと思われたみたいです。普段から昆虫を見慣れている私からしたら,トコジラミとゴキブリはぜんぜん見た目が違うのですが,昆虫を見慣れない人でましてやつぶれていたとなると害虫の種類を勘違いすることもあるのですね。ちなみに,依頼主様のかゆみは,さまざまな状況を総合して考えると,蚊によるものではないかと判断できました。依頼主様のホッとした顔が忘れられません。


さて,次の写真のゴキブリの種類が何かわかりますか?



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-クロゴキブリ成熟幼虫






これはクロゴキブリです

色が茶色なのでよくチャバネゴキブリと勘違いしているひとがいます


実際に,「チャバネゴキブリをよく見るから駆除してほしい」と連絡があり,

お伺いして上の写真などを見てもらうと


「そうそう,見たのはこのチャバネゴキブリ」



といわれることがあります。でも,これ色は茶色くてもクロゴキブリです。



上の写真はクロゴキブリの成熟幼虫期のものです。


では,クロゴキブリの成長による色の変化を見てみましょう。




クロゴキブリの幼虫の若令期は黒色で中胸背と第二腹節背面に白色の斑紋があります。

成長するにつれて白紋は消失していきます。それにつれて体色も赤褐色の体色に変わっていきます。この時に,個体によりかなり変異が見られますが黒色紋を持つものもあります。(中令期)

成熟幼虫期になると全体的に赤褐色になります。




そして,最後に全体的に光沢がある黒褐色の成虫になります。ただし,時には茶色がかったやつもいます。




害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-クロゴキブリの成長


(色の変化を理解してもらうために縮尺はバラバラになっています)






チャバネゴキブリは次の写真のようなやつです。






害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-チャバネゴキブリ






明らかに形態が違いますよね。

クロゴキブリとチャバネゴキブリ,写真を見比べてみるとその違いがよくわかります。

クロゴキブリのほうはずんぐりしていますし,チャバネゴキブリの方は細長いです。また,大きさもチャバネゴキブリのほうが小さいです。






せっかくですから,チャバネゴキブリとクロゴキブリの概要をまとめてみます。



【 クロゴキブリ Periplaneta fuliginosa (Serville) 】

 一般住宅に多く生息しており,ゴキブリの代表格である。成虫の体長は30~38mm,全体が赤黒みを帯び,脂ぎった光沢のある黒褐色だが,時には茶色がかった個体もいる。幼虫は8~10回の脱皮の後,成虫となる。成虫は羽化後数日で交尾をはじめ,10日後には産卵を開始する。卵は一卵鞘内内に20~28個で,雌は一生の間に卵鞘を20個近く産むことができる。

活動期は5~9月(気温による)。寿命は8カ月~1年半だと言われている。

このゴキブリは多湿な場所を好み,流し台,洗面台,排水溝,戸棚の裏などに生息することが多い。

また,屋外の植え込みなどにも生息する。寒さに比較的強い。夏の夜などには普通に道路を走り活動範囲を広げることができる。チャバネゴキブリとは違い,飛ぶことができる。そのため,屋外から侵入することが多い。





【 チャバネゴキブリ Blattella germanica(LINNE) 】

 成虫の体長は11~15mm,体は黄褐色で,前胸背面に1対の細長い黒斑がある。雄の体形は細長い感じで,雌の腹端は丸みを帯びている。成虫は羽化一週間後には産卵をはじめる。卵鞘は薄くて半透明で,卵数は40~48くらいである。卵期間は約20日。幼虫は全体黒色に胸部外縁や脚は黄褐色,腹部背面中央に一条の黄褐色状紋がある。成育期間は60~80日で,この間に5~6回脱皮する。


このゴキブリは都市型害虫で,家住性が強く,屋外での生息事例の報告はまったない。翅があってもまったく飛ぶことはできないし,行動範囲もそう大きくはない。

しかし,小型の特性を活かし,電気器具のなかや,家具やダンボールの隙間壁などにあいた穴に入り込み,成長の早さとあいまって,どんどん増殖する。また,雑食性でゴミや食品の切れ端・排水溝の汚れを餌にすることができるので,ちょっとした油断で爆発的に増えることがある。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-チャバネゴキブリの成長


(色の変化を理解してもらうために縮尺はバラバラになっています)









クロゴキブリとチャバネゴキブリでは,対処の仕方がかわります


そのため,発生しているのがどちらの種類なのか見分ける必要があります




今,皆さんがお困りのゴキブリはクロゴキブリですか?チャバネゴキブリですか?


写真を参考に見分けて下さい。







株式会社エスケーシステム では,ゴキブリトコジラミハエなど害虫類の

生態にあわせて駆除・防除方法を選択しています。






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 10月ももう残り1週間です。すっかり秋ですね。
今日の神戸の予想最高気温は23℃と,あの夏の暑い日と比べたら10℃以上低くなり,過ごしやすくなりました。


でも,まだまだクロゴキブリは外をウロウロしています。
一般的に,ゴキブリは18℃~31℃の間では体の代謝機能が正常に働き,問題無く生きていけます。今の時期,夜間の気温が下がっているとはいえ,まだ19℃ほど。
ゴキブリの活動が鈍くなるのは,もうちょっと先ですね。

(写真は色の違いはあるけどもすべてクロゴキブリです)



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-クロゴキブリ

害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-クロゴキブリ単体


さて,前にダメダメな業者の話 を書きました。


ゴキブリ対策として,あるお宅の室内にめちゃくちゃなジェル施工をしていた業者。
効果も望めないし,見た目も悪い。ひどいものです。




しかも,この御宅が悩んでおられるのは「クロゴキブリ」だったのです。


部屋でクロゴキブリを見かけるから心配になって業者に依頼したそうです。


たしかにクロゴキブリが室内で繁殖することはあります。
しかし,一番多いのは,外部からの侵入です。



家主様のお話では「クロゴキブリを時々部屋で見かける」とのことでした。
室内で繁殖していたら,頻繁に姿を見るでしょう。

また,クロゴキブリを見かけるのは,台所でもなく単なる居室だということです。


調べた結果,キッチンにクロゴキブリの痕跡はなく,おそらく居室の窓の隙間からや
窓を開けている時に侵入してきているものと判断されました。


クロゴキブリは数多く野外に生息しています。

そのクロゴキブリの侵入対策として室内に毒餌を設置していては
侵入対策にはなりません。

しかも下写真のような場所に設置していては効果は望めません。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ジェル施工1


毒餌を設置するなら,せめて窓の外にケースに入れて設置したいものです。



ただし,毒餌は「餌」であることに注意が必要です。



下手に設置するとゴキブリを誘引してしまうこともあります。


よくクロゴキブリをベランダや玄関で見かけるという御宅に
調査でお伺いすると,部屋中に市販の毒餌を置きまくっているのを見かけます。

時には,同じ場所にいくつも置いている場合があります。

下の画像はあるワンルームマンションでの例です。
このお宅では,計32個もの毒餌が部屋中に設置されていました。


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-毒餌1



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-毒餌2


たくさん置くことで安心する,という気持ちは分かります。


しかしむやみやたらに置きまくるというのでは効果は発揮できません。


市販の毒餌には設置の目安となる場所や個数が書かれています。
それを自分の部屋の状況にあわせて変更してください。


たくさん置きまくるより,ピンポイントに設置して
古くなったら新しいものに取り換える方が効果を発揮し易いと思います。
(餌は新鮮な物のほうがゴキブリもよく食べるでしょう)



株式会社エスケーシステム では,クロゴキブリ対策として,
 薬剤を上手く散布することで,侵入しようとしたゴキブリや侵入してきた

 ゴキブリが早期に死亡し,室内で長期間生息できないようにする施工方法

 を採用しています。
 (ただし,クロゴキブリが一切近寄らないという施工は不可能です)

 前回紹介したジェル状毒餌を用いた駆除施工ですが
薬剤散布よりも作業がやりやすいのでこの方法を採用している業者は多いです。


大手の業者でもジェル施工を主として実施しているところがあります。


しかし,正直なところ,日本において,この「ジェル施工のみ」でゴキブリの駆除を成功させるのは不可能に近いと考えられます。




次の写真を見て下さい。



これは,某大手有名駆除会社が管理していた店舗のカウンターの一部です。


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ジェル状毒餌で汚れたカウンター



このカウンターの中にチャバネゴキブリが多く生息していました。


だからでしょう,この業者はジェル状毒餌をカウンターの板の隙間に設置していました。

害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-チャバネゴキブリ



でも,まったく効果を発揮できかったようで,何度も何度も設置を繰り返した跡がありました。そのせいで,写真のように毒餌だらけの状態になってしまいました。
ちなみにこのように汚れている場所は店舗の至る所にありました。


こんなにもたくさん毒餌を設置しても駆除出来ないのが現状なのです。



何故でしょうか。


もともとゴキブリが大量に生息するようになった原因は,暖かく湿っている環境がある上に近くにエサ(食品残滓)が豊富にあるからです。


考えてみてください。



あやしい毒餌と,普段から食べ慣れているエサと,あなたならどちらをより多く食べますか?


普通は食べ慣れているエサを選ぶでしょう。

また,周りに毒餌以外のエサが豊富にあると毒餌を食べる量が減ります。

そのため,致死量に至るまで毒を摂取してくれません。




徹底的にエサを取り除いたような環境で,ゴキブリが発生した場合は
他に食べるものがありませんから,ジュル施工だけでも駆除は可能です。


それに,そのような環境はゴキブリの発生の可能性が低く,万が一発生したとしても大量に生息することは不可能で,設置する数も少なくてすみます。





残念ですが,多くの飲食店では,忙しいからでしょうか掃除が行き届いていません。



また,店舗の構造上,厨房機器を移動させることができず
隅々まで掃除をすることが不可能なのも事実です。


その結果,食品残滓が溜まっている場所が多いのが現状です。

そのような環境では,毒餌のみに頼る駆除は成功しにくいのです。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-油汚れ

害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-床に落ちているエビ



 本気で,ジェル施工のみで駆除を実施するためには,環境改変と従業員の意識改革など多大な労力,そして御客様の協力が必要です。

そのためには,費用もかなり掛かります。



現実問題,そこまで取り組むことが出来ない店舗のほうが多いでしょう。



だから,私は,多少労力はかかるけれども薬剤散布(ただし,出来る限り使用量は減らす)とジェル施工をあわせて行う方法を採用する方がいい考えています。




株式会社エスケーシステム では,薬剤散布とジェル施工を合わせた方法で

  駆除・防除作業を実施しています。

 
 

次の写真は,ある一般家庭の壁の写真です。
写真にある黒い汚れが何かわかりますか?


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ジェル施工2

害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ジェル施工1


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ジェル施工3


これは,ゴキブリ駆除用の毒餌を施工した跡です。


業界では,ジェル状毒餌を使った駆除方法「ジェル施工」とか「ベイト施工」と呼んでいます。
半生状態の餌に毒が仕込まれていて,それを食べたゴキブリが死ぬ仕組みです。


大がかりな薬剤散布ではないので後片付けが不要で,短時間でできるため
この方法を採用している業者は数多くあります。



この御宅は「部屋でゴキブリを見かけることがあるので怖くなり,ある業者に駆除の依頼をした」そうです。そしてその業者は,部屋中にこの毒餌を設置して,帰ったそうです。


しかし,ゴキブリの発生がおさまることなく,新たに我が社に問い合わせを頂きました。




お伺いしてみて,ビックリでした。
先ほどのような跡が部屋中についているのです。


いくら施工が楽だからといって,むやみやたらにジェル状毒餌を設置しても効果はありません。


毒餌はゴキブリに食べてもらわないと効果はありません。

そのためにはゴキブリの生息箇所に近いところ,ゴキブリが潜んでいる場所に施工する必要があります。
例えば,シンクの下やコンロの近く,冷蔵庫の裏などです。
このような所は暖かく・暗くゴキブリが好みます。



考えてみて下さい。


リビングの壁のように明るく目立つ所でゴキブリが餌を食べますか?
コンセントの上でゆっくり食事ができますか?



この写真のような場所にジェル施工をしたとしてもゴキブリはこの毒餌を食べません。もし食べたとしても,おそらく致死量に達するまでは食べないでしょう。


これでは駆除できません。


この業者は,ゴキブリの生態を理解していないのでしょう。
だからこんないい加減施工ができるのです。
理解していながらこんな施工をしているとしたら,本当に悪質です。


また,この業者は「御客様の視点に立った施工ができない業者」とも見ることができます



お伺いして部屋を見せてもらった時,
ジェル剤の跡を見て「汚い」と思ってしまいました。
これは,家主様も同じことを言っていました。


このジェル剤,剥ぎ取ることはできますが,写真のような壁紙では
黒いシミが残ってしまうことがあります。


いくら駆除のためだとは言え,今後も生活を続ける空間で
掃除できないような汚し方をしてはいけません


ジェル剤を施工するのなら,棚の裏など目立たない場所にすべきです。


それが出来ないのなら,また数多く設置したいのなら
いつでも除去できるよう,以下のように何らかのケースに入れて設置すべきです。(業者向けの毒餌ケースはちゃんと販売されています)



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ジェルをケースに入れて施工1

害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ジェルをケースに入れて施工2



駆除は,御客様の今後の生活のことも考えて施工する必要があるのです。




株式会社エスケーシステム では,御客様の状況にあわせて

  一番最適な方法で駆除・防除を実施しています。

 最近,マンガ「美味しんぼ」にハマっています。前から好きで,時々読んでいたのですが,ついに文庫版で本格的に集め始めました。



読んでいるだけでお腹がすいてきます。そして無性に料理がしたくなります。

でも現実には,あれだけ素材にこだわった贅沢な料理を作ることは出来ません。

お金がたくさんあったとしても,あれだけこだわった料理はなかなか出来ないでしょう。そう考えると,本当に我々の食文化は豊かなんでしょうか。。




 さて,先日,ある飲食店で,ネズミの通り穴の封鎖作業をしてきました。


以前から,ネズミの捕獲作業などをしているのですが,どうやらお店の二階にある押入れの中から出てくるようだ,ということで,穴があるなら封鎖しようと作業に入りました。



ネズミの対策には,捕獲も必要ですが,物理的に侵入経路を塞ぐことも,有効な方法の一つです。




押入れをあけてみると


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-荷物がぎゅうぎゅう


長い間にたまった物品で,中はギュウギュウでした。



荷物を外に出していくと

害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ネズミのフンを発見



ネズミの糞が落ちています。荷物などにも付着しています。
中には,ネズミの糞と尿でベトベトになっているものもありました。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-フンと尿でべとべと





さて,肝心の穴は,押入れの一番奥の上隅にありました。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-侵入経路

何回も行き来したのでしょう,見事なラットサイン(ネズミの汚れにより何度も通るところは黒く汚れる)がありました。



よく見ると,他にも侵入できそうな危険な隙間がありました。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-他にも穴が


そこで,押入れの天井全体を金網でふさいでおきました。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-封鎖完了


これで,この押入れからはもう出入りは出来ないでしょう。




 実は,この押入れの奥に,巣まではいかないにしても,明らかに居心地のいいように新聞などを改良した形跡がありました。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-巣?


ネズミ防除には,整理整頓が欠かせません。


要らないものがたくさん詰まった場所では,狭い隙間が多くなり,ネズミの好む環境が出来上がります。また,ネズミは周囲の荷物を使って自分の巣を作り,そこで繁殖してしまうことがあります。




押し入れなどは,時々整理しましょう。
そうすれば,異常があった場合の早期発見にもつながります。




でも一番重要なのは,ネズミを寄せ付けないこと。


それには,ネズミの餌となるようなものは出来るだけ頑丈なケースにいれて保管する,食品残滓などのゴミは取り除く,清掃を徹底するなどが大切です。




「美味しいぼ」面白いです。今日も続きを読むのが楽しみです。
しかし,あのマンガ,巻数が非常に多いのです。
これからどんどん巻数が増えていくはずですが,いったいどこにしまうのでしょう。

我が家にはすでに本が溢れていると言うのに・・・

大切な本がネズミの巣材にならないように,うまく片づけなくては。



株式会社エスケーシステム では,ネズミの駆除・防除も取り扱っています。