新聞記事でこんなのがありました。
読んだ人も多いのではないでしょうか。


**********************************************************************<ヤスデ>大発生,列車が運休…つぶれて車輪空回り 南九州
毎日新聞 11月21日(日)20時18分配信


 

 21日午前7時ごろ,鹿児島県南九州市頴娃(えい)町のJR指宿枕崎線御領-石垣駅間で,線路に害虫が異常発生し,指宿発枕崎行き下り普通列車(1両編成)が徐行を余儀なくされた。


この列車が1時間16分遅れたのをはじめ,後続の普通列車上下2本が運休,上り2本が最大1時間18分遅れ,計約200人に影響した。


 JR九州によると,異常発生したのは,ヤンバルトサカヤスデ。線路上でつぶされ,油のようになり,車輪が空回りして速度が落ち,ノロノロ運転になったという。列車には乗客約10人が乗っていた。


 鹿児島県などによると,ヤンバルトサカヤスデは台湾原産とされ,体長2.5~3.5センチ。在来種のヤスデ(約2センチ)より大きい。一度に350個もの卵を産み,増殖能力が高い。農作物や人に害を及ぼすことはないが,コンクリートを好み,1平方メートルに数千~数万匹も密集して家屋内に侵入する「不快害虫」。外界の刺激には青酸ガスを含むガスを発生することもある。同県内では91年に徳之島で初めて見つかり,奄美大島や南薩地方での被害が深刻で,県がまん延防止策に力を入れている。【村尾哲】


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以前にヤスデの話(6/196/226/25 )を書きました。


我が家で発生しているヤスデはあの時と比べると
たまに見るぐらいになりました。

しかし,上の記事にあるように1平方メートルに数千~数万匹も密集して家屋内に
侵入なんかされたらたまったもんじゃありませんね。


さて,先週,害虫駆除従事者のための研修会が神戸市内で開催され,
我が社の社長も研修に参加してきました。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-研修会に参加して

害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-研修階に参加して
 

 薬剤の話や,機器の使い方,安全管理,害虫の生態や

駆除・防除の際のポイントなどの話があったそうです。
私が密かに師匠と思っているシロアリ駆除業者さんの話もあったそうです。
私も聞きたかった・・・。


あのような場所で,一日話を聞きながら研修を受けると言うのは
たまにはいいものです。社長も,いい刺激を受けて新鮮な気持ちで帰ってきたようです。



来月は私が大阪で行われるセミナーに参加する予定になっています。

今から楽しみです。




株式会社エスケーシステム ではより高度な駆除・防除ができるよう
  研修・研究に励んでいます。









こんな記事(ロイター通信)を見つけました。


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パリでもナンキンムシ急増,被害件数が年600件に

2010年 11月 17日 15:42 JST
[パリ 16日 ロイター] 



 米ニューヨーク市で問題となったナンキンムシの大量発生がフランスのパリでも起きるのではないかとの懸念が広がっている。

 フランスでは,3年ほど前までナンキンムシは珍しく家庭で問題になるのはネズミやゴキブリの方がはるかに多かったが,パリ市の公衆衛生当局者は,ナンキンムシの被害件数が今年は600件に上っており,昨年より大幅に増加していると明かした。

 複数の害虫駆除サービス会社によると,ナンキンムシの被害はパリ市内で急速に広がっており,すでにフランスのほかの地域にも拡大しているという。

 ラジオ局のフランス・インフォは16日,パリのいくつかのホテルで被害が発生したと報道。客の苦情を受けて,家具とカーペットすべてを処分したホテルもあると伝えた。


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このように海外ではトコジラミ(南京虫)の被害はどんどん拡大しています。


数年後には日本でも同じような状況になるのでしょうか!?

そうならないことを心から願っていますが・・・。


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-トコジラミ



 

さて,下の画像はトコジラミの卵です。


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-トコジラミの卵



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-トコジラミの卵2


卵は乳白色で大きさは1mm×0.5mmほどです。

卵は一日に2~6個,一生涯に200~500個産卵します。

よくよくみると卵には蓋がついています



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ナンキンムシの卵の蓋



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ナンキンムシの卵の蓋

この蓋の部分がはずれて中から幼虫が出てきて孵化となります。
(孵化後一日ほどで吸血ができます)

ちなみに孵化した幼虫の体長は1.5mmほどです。
肉眼で見えないこともないのですが,発見はかなり難しいでしょう。
聞いたところによると,孵化したばかりの幼虫は,息を吹き付けただけで空気中に舞い上がるそうです。



卵の表面には粘性のある透明膜があり,産卵場所に付着できるようになっています。


 どうやら,平滑な面よりざらざらした面のほうが産卵されやすいといわれています。(たしかに,ツルツルした面で卵を見たことはありません。)




産卵場所は,室内のあらゆる隙間や割れ目です。
決まった産卵場所はなく,室内のあらゆる隙間や割れ目,壁の中などに産みつけます。
だから,卵を完全に除去するのは,手作業だとほぼ不可能です。




卵の駆除の困難さも,トコジラミの完全駆除の難しさの要因の一つです。




トコジラミは本当に厄介な害虫です。



自分だけで駆除しようと思わずに専門業者に相談もしくは駆除を依頼しましょう。




株式会社エスケーシステム では,トコジラミの駆除を取り扱っています。
 悩んでおられる方はご連絡ください。








 トコジラミ(南京虫)は,ちょっとした隙間に身を潜め

ちょっとした隙間に卵を産みつけます。


トコジラミは成虫も若虫も習性は同じで,昼間は壁や柱の隙間,

床板や畳の間,ベッドの中,カーテンの重なった部分などに群がって潜んでいます。



例えば,先日のトコジラミ駆除作業中には↓写真のような場所で見つけました。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ファスナー


ファスナーがケースに潜り込む場所に数匹が群がっていました。
ある意味教科書通りの場所なのですが,施主様は驚いておられました。



過去にトコジラミの姿や糞,卵を見つけた場所を列挙してみます。
(すべて教科書通りです)



ふすまの木枠の隙間



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ふすまの木枠


ふすまの取っ手の内側



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ふすまの取っ手内



壁紙の裏


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-壁紙の隙間



テレビの下


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-テレビの下



畳の縁



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-畳の縁


ベッドの下



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ベッドの下


ベッドの木枠のつなぎ目



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ベッドのつなぎ目


壁と柱の隙間(壁内に入り込んでいる)



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-壁と床の間


畳と箪笥の接地面



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-畳と箪笥の接地面


ほかにも様々な場所でトコジラミの痕跡を確認をしています。




さて,以前から何度も話していますが,
家庭でも使える燻蒸・燻煙式を主とする殺虫剤は
トコジラミ駆除においてほとんど効果はありません。



先ほどの写真を見てもらえば納得してもらえるなずです。



写真のような隙間に,燻蒸・燻煙式殺虫剤の有効成分が入り込むでしょうか。
多少は入ったとしても,致死量に達するでしょうか。
無理ですね。



さらに,有効成分の多くがピレスロイド系です。


この種の薬剤は,昆虫類に対して忌避効果があります。

つまり薬剤から遠ざかろうとするのです。


ということは,薬剤が届かないような隙間のより深くに
潜り込んでしまうことが考えられます。


結果,駆除をより難しいものにしてしまうことがあります。




確かにトコジラミの駆除には時間と労力と費用がかかります。

しかし,放置しておいても被害は大きくなるばかりです。
個体数が多くなればなるほど駆除は難しくなっていきます。



早めに専門業者に駆除を依頼することをお勧めします。



株式会社エスケーシステム では

  トコジラミ(南京虫)の駆除の実績を積んでいます。


 先週,愛媛県松山市で,日本ペストロジー学会の大会が開催されました
年に一度の大会で,様々な研究成果が発表されました。


発表はしていませんが,私も参加させて頂きました。



研究対象はゴキブリ,カ,アブ,カメムシなど様々であり知らないことも多く

非常に勉強になりました。学術的に裏付けられた内容は説得力もあり
現場で様々な判断をする時のよい根拠になりそうです



また,懇親会では様々な業者や研究者と話すことができ,いい刺激なりました。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-第26回 ペストロジー学会



さて,発表の中には「トコジラミ(南京虫)」 に関してのものもあり
面白かったので皆様にも紹介したいと思います。



研究の目的は,


一般家庭で実施可能なトコジラミ防除法(駆除ではありません)を検討する 


ことでした。


そのため,市販の薬剤も使い実験をしていました。



実験方法は以下の通りです。(詳細は割愛)


使用薬剤は,


①パラジクロルベンゼン

②エンペントリン(クローゼット用防虫剤)
③ジクロルボス樹脂蒸散剤(一般的には手に入りくい)


です。


ダンボール箱の中に,衣服に見立てた脱脂綿を入れ,その中に薬剤および網かごの中に閉じ込めたトコジラミを入れます。(↓画像参照)



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-トコジラミ実験


ダンボールの隙間をテープで閉じて密閉し,放置します。

その後,1および2日後に至死状況を確認します。



その結果,

①パラジクロルベンゼンと③ジクロルボス樹脂蒸散剤

では,トコジラミの設置場所に関係なく2日後までにほぼ全部の個体が死んでいました。(①,③ともに致死率:97.3%)



②エンペントリン(クローゼット用防虫剤)では13.3%の致死率に留まりました。



この実験結果は,スーパーやホームセンターで手に入る薬剤を使って
一般の家庭でもトコジラミの防除が可能かもしれないことを示唆
しています。


しかし,あくまでも密閉された空間での実験結果ですから,
頻繁に出し入れしたり隙間があったりするような状況下では
思うほどの効果は無いかもしれません。


でも,有効な防除法が無い今の段階では,試してみるのもよいと思います。
(気休めかもしれませんが)



ただし,パラジクロルベンゼンは臭いがきつく,服に臭いがつきます。
また,気化スピードが速いので効果が無くなるのがはやいです。

使用の際には,使用上の注意をよく読み,用量・用法を守りましょう。



株式会社エスケーシステム では
 より安全に,確実に害虫を防除・駆除できるよう日々情報を集めています。


我が社に,新しい武器が導入されました



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ふとん乾燥車


「ふとん乾燥車」です。


箱の中は下の写真のようになっています。



害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-乾燥車の内部


この中に布団や服や畳などを入れて加熱乾燥させます


もちろん温度の調節も可能です。


畳なら3時間ほどで乾燥できます。


ちゃんと専用の温度計があり畳の中まで
十分な温度が届くようにチェックしながら乾燥できます。




でも,我々が使用目的としているのは乾燥ではなく「加熱」です。



加熱を十分にすれば,畳やカーペット,服などに付着したダニの駆除ができます。
また,布団などについていることがあるカツオブシムシなどにも効果があります。



それ以外にも,トコジラミ にも応用ができます。



海外では,トコジラミの駆除方法として

「室内全体加熱法」を行う場合があります。


この方法の一番のメリットは


「卵,幼虫,成虫という全ステージを駆除できる」


ということです。



トコジラミはあらゆる隙間に入り込み,卵をうみつけます。


実際に,畳の縁の布カバーの折り目の中に成虫がいたり
畳のイ草とイ草の間に卵が産みつけられていたりします。


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-イ草内のトコジラミの卵

過去にはベッドの脚の接続部分に卵があったりしました。


害虫・害獣から街を守るPCOの調査日記-ベッドの脚のつなぎ目



室内全域を加熱できればこのように見えないところに潜んでいる成虫や卵を駆除できます。(ある実験によると,45℃2時間,40℃24時間の加熱でシャーレ上のトコジラミ全ステージが死亡。)




この方法には,室内に機材を持ち込んで加熱するタイプと,室外からナイロン布ダクトで熱風を送り込むタイプがあります。でも残念ながらこの機材は日本にはありません。また,欧米と比べて小さな家同士が密集しており,道幅も狭い日本では使いにくいですね。



で,今回この「布団乾燥車」を導入しました。



これなら,今まで見つけられず除去できなかった卵や
畳の隙間に逃げ込んだ成虫を駆除できます。


また,今まであらゆるところに薬剤を残留散布していましたが,
この車の導入で薬剤の散布量を減らすことができます
その分,安全性が向上します。


うまく用いれば,箪笥などの家具も加熱処理することができるかもしれません。
(ただし,家具が痛む場合も考えられる)



応用や施工のしかたはいろいろ考えられるはずです。今後の研究課題ですね。



※上記の乾燥車での施工に興味がある方は

 株式会社エスケーシステム までご連絡ください。