今日,やっと時間が取れましたので,久々に更新したいと思います。
まだまだ夜などは肌寒いですが,もうすっかり春ですね。
気がつけば新年度が始まり,桜が咲いています。
(写真:公園の桜)
我が家のミニ盆栽の桜も後少しで開花しそうです。
(写真:我が家のミニ盆栽の桜)
このミニ盆栽は今年の2月に購入したのですが,寒い中でも徐々につぼみが膨らんできてだんだん春が近づいていることを教えてくれていました。
今年は我が家で花見が出来そうで,楽しみです。
さて,先日,ミニ盆栽を管理している時に
こんな昆虫が鉢についているのを見つけました。
(写真:カゲロウの成虫)
「カゲロウ」です。
カゲロウは,節足動物門・昆虫綱・カゲロウ目に属する昆虫の総称です。
カゲロウの成虫は短命で,儚いものの代表として扱われます。
学名のEphemeropteraも「その日一日」の意味を含み,カゲロウの寿命の短さに由来しています。確かに成虫は口が退化しており餌をとることはせず,交尾が終わるとほどなく死んでしまいます。しかし実際は,幼虫期を含めると寿命は半年から一年程度になり,特別に短い一生ではありません。
カゲロウは,種類によっては,大量発生して車のスリップを誘発したり,木材を穿孔するものがありますが,カなどのように人に直接害を与えることはなく,あまり害虫として扱われることはありません。むしろ人はカゲロウを有効に利用しています。
カゲロウの幼虫は水中で生活していますが,これは魚類の格好の餌です。
また,羽化した成虫も水面を盛んに飛び回るので,魚類によく捕食されます。
この自然界の摂理を利用して,釣りの餌に利用されていますし,フライ・フィッシングではその姿を似せて作った疑似餌などが用いられます。
また,カゲロウはその環境によって生息する種類が異なるため,河川における指標動物(ある生物が生息している場所の環境条件を示す目安)としてよく利用されます。
カゲロウは不完全変態
をする昆虫で,卵→幼虫→成虫と成長していきます。
カゲロウの幼虫は普通の昆虫より脱皮回数が多く,通常は10回以上も脱皮を繰り返します。(トコジラミは5回ほど,チャバネゴキブリは6回ほど脱皮して成虫へ)
羽化の時期は種によって違いがありますが,もっとも多くなるのが初夏の夕方です。
実は,羽化してすぐの成虫は本当の成虫ではなく,亜成虫と呼ばれる段階です。亜成虫は,水際や水中で羽化た後,別の場所で,もう一度脱皮を行い真の成虫になります。ちなみに,翅がしっかり伸びた後で脱皮をする昆虫はカゲロウだけです。
実は我が家の玄関では,亜成虫の脱皮殻も発見されました。
(写真:カゲロウの亜成虫の脱皮殻)
ちゃんと成虫の形をしていますよね。
おそらく,近くの川で羽化したカゲロウが,飛んでいるうちに
我が家の玄関の電灯に誘引され(明かりに集まる習性がある),
そこで脱皮をしたのでしょう。風除けもしっかりしていたのも
脱皮に好都合だったのかもしれません。
こんな身近な場所でも,こっそり生命の営みが行われていることに
ちょっぴり感動でした。次は脱皮の瞬間が見たいですね。
※株式会社エスケーシステムは,住建築における害虫類の管理
を行っています。