だいぶん寒くなってきましたね。あれだけ沢山いただいたゴキブリの相談も最近は大人しくなり,代わりにネズミイタチでの相談が増えました。でも,まだ多少は虫は動いています。虫ではカメムシの相談が増えています。この時期,カメムシは越冬場所を求めて室内に入ってきます。


さて,涼しい季節だと窓を開けて気持ちいい風を室内に入れたりするのでしょうが,
最近は窓を閉めていることも多くなったのではないでしょうか。

 

「窓を開けて網戸にしているけど室内に虫がいる」「窓を閉めているのに虫が室内にいる」

という経験,みなさんはありませんか?

 

現代の建物は気密性にすぐれ,どこにも隙間がないように見えます。
でも意外に皆さんが気付かない侵入経路があるのですよ。

 

たとえば窓枠とレールの隙間。ここは小さな虫なら通過できます。
実際に下の画像のようにアリが窓の隙間から室内に侵入していくのをみました。

 窓とアリ
(画像:窓枠とレールの隙間から室内に入ろうとするアリ)

侵入したアリ
(画像:室内に入ったアリ)



それから,窓を半分ほど開けている場合,窓と窓・窓と網戸には大きな隙間ができることがあります。

 窓と窓の隙間
(画像:窓と網戸のすきま)

 

その他にも,床と壁の僅かな隙間点検穴の隙間通風孔や換気扇の隙間ライトソケットと天井の隙間などなど・・・普段は気にしていませんが,建物には隙間が無数にあります。
 

通風孔
(画像:通風孔の隙間)

天井ライト
(画像:天井ライトの隙間)



虫は体がすごく小さいので(昆虫が繁栄している理由の一つです),人間が思っているより小さな隙間でも通過してしまいます。

 

その隙間をすべて無くすことはほぼ不可能に近いでしょう。

 

また,虫なんてちょっとした瞬間に室内に入ってきます


例えば,買い物から帰ってきて玄関に荷物を入れている間とか,洗濯物を取り込んでいる間お客さんが出入りしている間でも十分入ってきます。またハエなどの飛んでいる虫ならば窓やドアの開閉時の風の流れなどで入ってくる場合もあります。

 

さらに荷物や服について入ってくる場合も考えられます。代表格としては,チャバネゴキブリトコジラミ(ナンキンムシ)などがあげられます。

 

虫が全く出ないなんて,なかなか難しいのです。

 

では,虫が1匹も生きていけないように,定期的に建物中に薬を撒けば良いのでしょうか?


それでは経済的にも健康面でも大きな負担が生じる割に,絶対的な効果はなく,そのうちに薬に強くなった害虫が出現することもあります。

 

そこでIPM(総合的害虫管理:Integrated Pest Managementの考え方が大切になってきます。


IPMとは,昆虫の生理・生態に合わせて,薬剤散布・侵入経路の遮断・環境改善など,いろいろな防除手段をお互いに矛盾しないように組み合わせ,被害が許容水準以下になるように生息数を管理するという方法のことです。この方法を用いることで,薬剤の散布量を減らし,人体および環境への負荷が軽減されます。また,単なる薬剤散布だけより,効果の高い害虫の駆除・防除が可能となります。

 

IPMを実施するためには,事前の生息調査と目標設定が重要になります。


「今どこでどんな被害がどのくらいあるのか,それは目標をクリアしているのか」を調べないと,対策の必要の有無やどんな対策を講じたらいいのか分かりません。

 

このIPMという手法は農業害虫などのコントロールで使われていたのですが,最近では衛生害虫の管理をする我々のような害虫駆除業界でも導入されています。しかし,この方法は事前に調査が必要だったりするため,業者にとっては手間です。だから,何も考えず大量に薬剤を撒くだけの業者はいまだに存在します。

 

あなたならどうしますか?薬の大量散布を選ぶか,IPMを導入した害虫コントロールをおこなうか?


株式会社エスケーシステムでは,IPMの考え方に基づき害虫のコントロールをしています。


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