先日,久々に実家に行ってきました。久しぶりといっても,私の自宅から車で25分ほど。遠いわけではありません。が,実家に顔出すのがめんどくさくて,たまにしか帰りません。帰ればそれなりにちやほやされたり,いろいろ貰えたりして得することも多いのですが・・・。近いとかえって帰らないものなのかもしれません。
さて,私の父も母も,花や植物を育てるのが好きです。
そのおかげか,私も生き物好きになりました。
そんな父や母が世話している庭で草木を愛でていると,門の塀周辺に違和感が。
下の画像みてください。門にある郵便受けの上の画像です。
わかりますか?拡大してみます。
赤い虫がついているのがわかりますか?
周辺を見ると塀や門灯に小さな赤い虫がついて動いています。
よく見ると門灯のケースの中にもいます。
これらは「タカラダニ」といいます。
見たことある人も多いはずです。
タカラダニは,正確には「カベアナタカラダニ Balaustium murorum (HERMANN)」
(節足動物門 鋏角亜門 クモ綱 ダニ目 前気門亜目 タカラダニ科 アナタカラダニ属)といいます。
ダニの仲間ですが,ヒトを刺すことはありません。
暖かくなりゴールデンウィークを迎えるころから長くて7月ごろまで,日当たりのよい公園の花壇や階段,家の門壁やベランダ,橋の橋脚などさまざまなコンクリート壁上を歩いていることがあります。
このタカラダニは突然,しかも大量に発生します。
大きさは1ミリほど。上の写真のように,拡大してもしっかり姿が見えないことで実感してもらえるでしょう。非常に小さな生物なので,単体だと肉眼では見つかりにくいのですが,赤い色が大量にうごめいていると気づいてしまいます。
さて,私の方は実家の庭でしばらくタカラダニを観察して,ついつい興味がわいてしまい,顕微鏡でしっかり姿を見たくなりました。で,採取を試みたんですが,あまりに小さいのでピンセットでつかめません。
そこで紙に乗った個体を回収して持って帰ろうと思い,塀に紙をのせてみました。
しかし,どうやら紙の厚さでさえタカラダニにとっては多少の障壁になるようで,なかなか紙の上に乗ってくれませんでした。それだけ,小さいということですね。
しばらく格闘後,やっと3匹ほどゲットし,仕事場で顕微鏡で観察してみました。
こんな小さな体にちゃんと関節などの構造があり,生き物の精巧さが実感できます。
ぜひ皆さんも上の画像で実感してみてください。