秋の季語、青い花が咲きます。 | 壇蜜オフィシャルブログ「黒髪の白拍子。」Powered by Ameba

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「わかばして おんめのしずく ぬぐわずや」。これは中国から船で来日するために、何度となく難儀な思いをして、視力を失っても日本にたどり着き教えを説いた鑑真大和上を想って作られた句だといいます。柔らかき若葉を持って、貴方の目の涙をぬぐいたい…敬愛の感情が伝わる優しい句だと感じました。私はそこまで多くの俳句を知りませんが、この俳句はとても温かく大好きです。季語は若葉で夏。詠み人はご存知松尾芭蕉。奈良県の唐招提寺にはこの句が書かれた石碑がありますね。柔らかい若葉はみずみずしい黄緑だったのかな、とか、なんの葉っぱだったのかな…と考えてしまいます。

この句を思うと、露草のことがふと頭をかすめます。露草は柔らかい葉と葉が対になってくっついており、その隙間には朝になると露が入り込むことがあります。葉の合わさった部分を軽くチョンと押すときゅっと水の粒が出て来て指を濡らすのです。幼い私はこの仕組みが面白くて、秋田の祖母の家付近に生えていた露草でよく遊んだものです。露草って泣くんだ、と思っていたっけ。