クエン酸の効用 | 自然治癒力研究所のブログ

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■クエン酸とは

クエン酸とは、柑橘類や梅干し、パイナップルなどに含まれている「酸味のある弱酸性の成分」であり 食品、医薬品、化粧品、雑貨などの、さまざまな分野で使われています。

 

 

■クエン酸回路

食事から取り入れた糖分(グルコース)は、腸管を経由して体内に吸収され、やがて細胞内に取り込まれます。

 

細胞内に取り込まれたグルコースは、呼吸によって解糖系(グルコースの分解)が行われます。ここでも若干のエネルギーが生まれますが、その際にピルビン酸という有機物が生じます。

 

このピルビン酸は、細胞内にある「ミトコンドリア」内のマトリックス(細胞内膜の内部)に移行し、ここでクエン酸回路と呼ばれる代謝反応の材料に使われます。

 

細胞内にあるミトコンドリアによって、「ピルビン酸」から「活性酢酸」が作られ、次に「クエン酸」を作り出します。その後次々と連鎖反応がおこり、いくつかの有機物に変換された後に、やがてクエン酸に戻るといったプロセスが生まれます。

ミトコンドリアの内部では、このような「クエン酸回路」の代謝反応の過程で、水を材料にして水素や二酸化炭素を排出すると共に、エネルギーを蓄える物質(ATP:アデノシン三リン酸)を生産する事が出来ます。

 

食物から摂取したクエン酸は、ミトコンドリアのマトリックスに直接関与し、クエン酸回路の効率を上げるといった、直接的な効果は無いとされています。 しかし、あらゆる代謝反応を通じて、クエン酸回路に間接的に良い影響を与えている可能性が考えられています。

 

つまり、クエン酸を摂取する事で、体内の他の代謝反応に関与し、クエン酸回路全体の働きに良い影響を与えているのかもしれません。

 

 

■クエン酸抗菌作用

クエン酸には抗菌作用があるとされています。その理由は、クエン酸の高Phによって、細菌の表面に「負の電荷」が増える為、クエン酸との結合が強まる事で細菌が弱体化し、抗菌作用が発生する為とされています。

 

具体的には、細菌の表面に存在する二価金属が、クエン酸などのキレート作用(金属イオンと結合する性質)により、細菌を覆う細胞膜が不安定になり、生存率が下がる事で、抗菌効果が高まるとされています。

 

■クエン酸抗炎症作用

クエン酸がどのようにして身体が受ける酸化ストレスや、炎症反応を軽減しているのかを研究したマウス実験があります。

ここではエンドトキシン(細菌が生み出す毒素)に侵されたマウスを対象に、クエン酸を投与する事での実験が行われました。

 

エンドトキシンとは、大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌など「グラム陰性菌」から生み出される毒素であり、その細菌の死後も「より強力になって産出される毒」であり、人体へも感染症や炎症などの問題を引き起こします。 

その為、エンドトキシンに侵されると、脳や肝臓に「酸化ストレス」が引き起こされ、細胞に損傷を与える「脂質過酸化反応」が生じます。

 

エンドトキシンの毒素に侵されたマウスに、クエン酸を投与したところ、エンドトキシンによる「酸化ストレス」と「脂質過酸化反応」が軽減されている事が分かりました。

また、エンドトキシンによって受ける「肝臓の損傷」や「DNAの断片化」といった問題も抑制されている事が示されました。

 

これらの結果は、クエン酸がエンドトキシンによって引き起こされる「酸化ストレスによるダメージ」や「炎症反応」を抑制出来る可能性を示しています。

 

ただし、クエン酸の過剰摂取は逆効果となる結果も示されましたので、その点を注意する必要もあるようです。

 

■クエン酸の植物活性化効果

農作物が受けるストレスは、気温や天候、土壌の栄養不足、重金属汚染、塩害などがあります。

こういった厳しい環境下でも作物の成長や収量を向上させる可能性がある成分として、クエン酸やクエン酸塩が注目されています。

クエン酸を植物に使う事で、光合成の効率アップ、活性酸素の減少、細胞内の水分バランスの調整、植物の抗酸化防御システムなどの活性化が見られたとされています。

 

また、土壌中にある有害な金属イオンにおいても、クエン酸によるキレート効果(金属イオンと結合する性質)により金属ストレスを和らげる効果がみられたとされており、植物に対するクエン酸の良い影響が示されました。

 

■クエン酸の疲労回復効果

エン酸は疲労のもととなる乳酸を分解することで、効果を発揮します。

運動をしたあとに身体が疲れている時は、体内に乳酸がたまっている状況が予想できます。

そういった時にクエン酸は体内の乳酸成分の分解や新陳代謝を助けてくれる働きがあります。

 

■クエン酸の胃腸の働きを整え効果

クエン酸は胃液や唾液の分泌量を増やすため、胃腸の働きを整える効果もあるとされています。

さらに、クエン酸によって分泌が促された唾液には、活性酸素を除去する働きがあるため、活性酸素の増加によって発症リスクが高まる病気の抑制にもつながるでしょう。

 

■クエン酸のミネラル吸収サポート効果

クエン酸はマグネシウムやカルシウム、鉄などのミネラルの吸収をサポートします。

ミネラルは人体において重要な成分で、不足するとさまざまな不調が体に現れますが、体内では作ることができません。食品で補う必要があるので、効率良く摂取できるよう、ミネラルを含む食品とともにクエン酸を摂るとよいでしょう。

 

■クエン酸の効能

        ・疲労回復を助ける

        ・血糖値が上がるのを抑制する

        ・胃腸の働きを整える

        ・便秘や下痢を解消する

        ・活性酸素を取り除く

        ・マグネシウムやカルシウム、鉄の吸収を助ける

        ・食欲を増進させる

        ・尿量を増やす

        ・殺菌する

        ・においを抑える

        ・植物を活性化する  

 

 

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