避暑山庄芝径云堤 | 古代文化研究所

古代文化研究所

古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

○2024年3月1日に、中国河北省承徳市にある、世界文化遺産、避暑山荘を見に出掛けた。もっとも、当古代文化研究所が目指したのは、世界文化遺産ではなく、『中国四大名園』が目的だった。ちなみに、『中国四大名園』は、次のものを指す。

  拙政园 江苏省苏州市 

  颐和园 北京市海淀区 

  避暑山庄 河北省承德市 

  留园 江苏省苏州市 

○昨年9月に、蘇州を訪れ、拙政園と留園を見学した。その際、中国庭園と言うものが甚だ気になった。中国庭園には、中国文化の粋が見られる。少なくとも、当古代文化研究所は、そのように感じた。それで、せっかくなら、『中国四大名園』の全てを見てみたいと思った。

○今回の旅行「北京漫歩」は、それが最大の目的であった。承徳の避暑山荘と北京の颐和園を見学すれば、『中国四大名園』の全てを見たことになる。なかなか、こういう機会は無い。

○承徳の避暑山荘を訪れ、たった一泊で避暑山荘を見学することの無謀さを痛感させられた。承徳の避暑山荘を訪れるなら、少なくとも数日は要する。それが承徳の避暑山荘なのである。その規模が尋常ではない。

○今回、麗正門から入って、宮殿区を一通り巡回した。もうそれだけで、数時間を要する。それから、湖泊区へ出て来たのだが、今回の見物は湖泊区までであることを理解した。まだ、承徳の避暑山荘の、ほんの一部しか見物していないのに。それが承徳の避暑山荘である。

○宮殿区から湖泊区へ降りて来て、驚いたのが一面の銀世界だった。広大な湖面が厚い氷に覆われていた。日本でも南国生まれの当古代文化研究所にとっては、初めて目にする光景だった。岸辺に、瀟洒な建物が建っていて、それが晴碧亭だった。

○その晴碧亭の向こうに、湖水が広がり、その中を小道が走っている。それが『避暑山庄芝径云堤』だった。日本なら「芝径雲堤」と表現するところである。東京で言えば不忍池だろうし、福岡なら大濠公園と言った風情である。ただ、スケール感がまるで違う。

○これが中国の皇帝のスケールなのであろう。ただただ圧倒され、驚き呆れるしかない。中国の検索エンジン、百度百科が案内する『芝径云堤』は、次の通り。

      芝径云堤

      河北省承德市景区

避暑山庄万壑松风之北。建于清康熙四十二年(1703年)。为“康熙三十六景”第二景。是仿效杭州西子湖的苏堤构筑的,夹水为堤,逶迤曲折,形似芝字。

此堤连接三岛:环碧、月色江声、如意洲。堤穿湖而行,为湖区主要风景观赏路线。入夏以后,漫步长堤,满眼苍翠碧绿,四周胜景层层,步挪景动,百态千姿,绿柳袅袅,大有西子湖中“苏堤春晓”之风韵。康熙帝初建避暑山庄,疏导湖区时,亲自度量设计,其《芝径云堤》诗云:“命匠先开芝径堤,随山依水揉幅奇。”此堤对山庄湖区各处风景实有管理全局之妙。避暑山庄首先是从此处破土动工,挖池积土,成堤成洲,按说原本是避暑山庄的第一景,但皇帝的寝宫为老大,要居第一景,这里就只能退居第二了。

“芝径云堤”仿造于西湖的“苏堤”。

  芝径云堤_百度百科 (baidu.com)

○『避暑山庄芝径云堤』が、杭州の西湖の蘇堤を模していると言うのに、驚いた。こういうのが中国文化の伝統なのであろう。とにかく、清王朝が、よく中国文化を学習し、吸収し、自分のものとしているのに、感心する。まさに、文化とは、耕すことなのである。

○当古代文化研究所は、これまで、5回、杭州を訪問している。その話は、次のブログに書いている。

  ・テーマ「寧波・杭州・蘇州・台北旅」:ブログ『杭州纳德大酒店』

  杭州纳德大酒店 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

○もちろん、その時、西湖を訪れ、蘇堤にも言及している。

  ・テーマ「寧波・杭州・蘇州・台北旅」:ブログ『楊公堤・岳飛廟・蘇堤』

  楊公堤・岳飛廟・蘇堤 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)