蘇州:北寺塔 | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

○蘇州で、北寺塔は有名である。蘇州城内の何処からでも眺め望むことが出来る。ある意味、蘇州のラウンドマークであり、シンボルでもある。蘇州寒山寺も知られるが、寒山寺は張継「楓橋夜泊」が案内する通り、

  姑蘇城外寒山寺

であって、蘇州城からは、3、4㎞ほど、西へ離れて存在する。

○それに対して、北塔報恩寺が存在するのは、蘇州城内の人民路であって、塔の高さも76mもあるから、蘇州城内外、何処からでも見える。塔の名は「北寺塔」であって、その名の通り、蘇州城内の北部に位置する。

○面白いことに、塔の名は「北寺塔」なのに、寺の名は「北塔報恩寺」と言う。それ程、蘇州の北塔が有名だと言うことの証である。ちなみに、中国の検索エンジン、百度百科が案内する北塔報恩寺は、次の通り。

      北塔报恩寺

北塔报恩寺,是苏州历史最悠久的寺院,距今已有1700多年。始建于三国赤乌年间(238—251年),据史志记载,乃孙权为乳母陈氏所建,始称通玄寺。唐初改称开元寺,后易名为报恩寺。

北寺塔是中国楼阁式佛塔,塔八面九层,规模宏大,重檐复宇,占地1.3亩,塔高76米,为江南第一古塔。塔内设置木梯,人们循级而上,可俯瞰苏州古城全貌。 北寺塔现为省级文物保护单位。

北寺塔东侧是明万历四十年重建的楠木观音殿,为苏州现存最完整的明代古建筑。观音殿南面建长廊,陈列着目前国内最大的巨型漆雕《盛世滋生图》,也称《姑苏繁华图》。该图全长32米,高2米,再现了清代“乾隆盛世”苏州的繁华。塔后碑亭中置有罕见的元代石雕艺术品张士诚记功碑,具有极高的历史艺术价值。

  北塔报恩寺_百度百科 (baidu.com)

○2023年9月12日、滄浪亭・可園を見学後、地鉄4号線電車に乗って、三元坊站から北寺塔站まで行った。すでに地下鉄の駅名が「北寺塔」なのである。蘇州で北塔を知らない人は居ない。地下道から出ると、目の前に北寺塔が見えていた。

○仏教で、仏塔は、基本、舎利塔であって、特別に大事なものとされる。つまり、お釈迦様の化身が仏塔なのである。仏教の三宝、仏・法・僧でも、筆頭はお釈迦様である。それは、この『蘇州:北寺塔』でも同様で、境内には、

      繞塔之功徳

   仏塔是三宝的所依、是仏陀的法身。(以下略)

と載せていた。

○それが蘇州では、北寺塔であって、蘇州のラウンドマークであり、シンボルとなっている。まさに、仏都、蘇州と呼ぶにふさわしい。しみじみ、蘇州人の信仰の深さを感じた。