普陀山の太陽崇拝 | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

○当古代文化研究所では、これまで、中国浙江省舟山群島の普陀山へ6回参詣している。

  ・テーマ「海天佛国:普陀山」:31個のブログ~2012年3月~

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  ・テーマ「普陀山・洛迦山」:29個のブログ~2012年7月~

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  ・テーマ「寧波三歩・洛迦山参詣」:34個のブログ~2012年11月~

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  ・テーマ「観音信仰の島:普陀山」:14個のブログ~2013年3月~

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  ・テーマ「日本仏教伝来の普陀山」:37個のブログ~2013年10月~

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  ・テーマ「普陀山巡礼」:62個のブログ~2017年12月~

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○日本では、普陀山を御存知無い方が多いのではないか。ウイキペディアフリー百科事典が案内する普陀山は、次の通り。

      普陀山

   普陀山(ふださん、拼音: Pǔtúo Shān)は中華人民共和国浙江省・舟山群島にある島。中国四大

  仏教名山(仏教の聖地。五台山、九華山、峨眉山、普陀山)の一つで、観音菩薩が祀られている。年

  間360万人を超える観光客が訪れる。

   当地が観音霊場となった由来は、後述の「普済禅寺」の項にも記述される通り、916年、中国への渡

  来僧である慧萼(えがく)が、中国留学を終えて日本に帰国しようとした際、日本に招来しようとした観

  音菩薩が当地で日本に渡ること拒んだ(=不肯去)、という故事にちなんでいる。

  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%AE%E9%99%80%E5%B1%B1

○ちなみに、当古代文化研究所では、中国四大仏教名山とされる、仏教の聖地、五台山、九華山、峨眉山、普陀山の全てに参拝している。できるだけ、見たことも無いものを話することは避けたい。普陀山にしたところで、一回訪れたくらいでは、なかなかその全容を理解することは難しい。それで、何回もお参りを続けている。

○だからと言って、私が観音信仰の信者であるわけではない。我が家は浄土真宗である。ただ、日本仏教を追い求めると、どうしても、舟山群島普陀山へ到達する。だから、このように何度も普陀山参詣を続けているわけである。

○普陀山は観音菩薩信仰の島として知られる。はたして、それがどういう信仰形態なのか。そういうことを誰も教えてくれないし、案内するものも無い。したがって、出掛けて行って、そのことを確認するしかないわけである。

○普陀山では日本人僧の慧萼が開山みたいに言われているけれども、慧萼は九世紀の人物である。普陀山の歴史は遥かに古い。慧萼は普陀山中興の祖だとするのが適当なのではないか。

○問題は、普陀山の信仰形態がどういうものであるかと言うことである。それを知るために何度も普陀山参拝を続けているわけである。観音菩薩が居るのは補陀洛山だとされる。それに擬せされるのが普陀山

であり洛迦山だと言うことになる。

○中国浙江省舟山群島の普陀山が、何故、わざわざ、補陀洛山を普陀山と洛迦山の二つに分けているのか。それは中国浙江省舟山群島では、普陀山と洛迦山の両方で一つの聖地の概念を構成しているからに他ならない。

○普陀山には、
  ・“南海普陀去烧香,不到洛迦烧半香”
  ・“不到洛迦山就不算朝完普陀”
の言葉があるように、洛迦山参詣を済ませることによって、普陀山詣では目出度く完了することになっている。普陀山参詣で、洛迦山にお参りすることは、それほど重大事なのである。それは普陀山と洛迦山の両方で一つの聖地の概念を構成しているからであろう。

○それはどういうことかと言うと、普陀山から洛迦山を遥拝することが普陀山の信仰形態の中心だったからではないか。普陀山へ行くと判るのだが、普陀山から見る洛迦山は、きれいに観音様の御姿をしている。したがって、普陀山から洛迦山を遥拝すれば、そのまま観音様を拝むことになるわけである。

○その洛迦山遥拝は常時行うことができるわけだけれども、普陀山では、最も良い時間帯と言うのも決まっている。それが朝の太陽が昇る時間帯である。つまり、普陀山の真東に洛迦山は存在する。したがって、朝、太陽が昇る時、普陀山では洛迦山から太陽は昇る。その感動は、見た者しか判らない。

○それが普陀山の信仰形態なのである。なかなか信仰も難しい。