世界文化遺産オンライン:紀伊山地・参詣道(さんけいみち) | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

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○文化庁の世界文化遺産オンラインの、『紀伊山地の霊場と参詣道』を、これまで、
  ・世界文化遺産オンライン:霊場「吉野・大峯」(よしの・おおみね)
  ・世界文化遺産オンライン:霊場「熊野三山」(くまのさんざん)
  ・世界文化遺産オンライン:霊場「高野山」(こうやさん)
と続けている。今回は、『紀伊山地・参詣道(さんけいみち)』について、考えてみたい。

○文化庁の世界文化遺産オンラインの、『紀伊山地の霊場と参詣道』では、次のように案内している。
      ■参詣道(さんけいみち)
   三霊場に対する信仰が盛んになるにつれて形成され、整備された「大峯奥駈道」、「熊野参詣道」、
  「高野参詣道」と呼ばれる三つの道です。これらの道は、人々が下界から神仏の宿る浄域に近づくた
  めの修行の場であり、険しく清浄な自然環境のなかに今日まで良好な状態で遺り、沿道の山岳・森林
  と一体となった文化的景観を形成しています。「大峯奥駈道」は、「吉野・大峯」と「熊野三山」の
  二大霊場を結ぶ山岳道で、修験道の最も重要な修行の場です。「熊野参詣道」は、「熊野三山」に参
  詣する道で、京都方面からの参詣のために最も頻繁に使われた「中辺路」、「高野山」との間を結ぶ
  「小辺路」、紀伊半島の南部の海沿いを行く「大辺路」、同じく南西部の海沿いを行く「紀伊路」、
  伊勢神宮との間を結ぶ「伊勢路」からなっています。「高野参詣道」は、金剛峯寺北側の紀ノ川から
  高野山に至る経路、霊場高野山を囲繞する経路などからなる参詣道です。
    <構成資産>
    大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)<玉置神社(たまきじんじゃ)を含む>、
    熊野参詣道(くまのさんけいみち)≪中辺路(なかへち)<熊野川(くまのがわ)を含む>
    ・小辺路(こへち)・大辺路(おおへち)・伊勢路(いせじ)<七里御浜(しちりみはま)、
    花の窟(はなのいわや)を含む>≫、高野参詣道(こうやさんけいみち)
  http://bunka.nii.ac.jp/special_content/hlinkA

○文化庁の世界文化遺産オンラインの、『紀伊山地の霊場と参詣道』が案内している『参詣道(さんけいみち)』にも、大事なものがすっぽり抜け落ちている。それは、吉野山・高野山・熊野本宮に参詣したことのある方なら、誰でも容易に気付く。

○それは、高野山への参詣道や熊野本宮への参詣道は案内されているのに、何故か、肝心要の吉野山への参詣道が完全に抜け落ちている。これは遺漏で済まされる問題では無い。『紀伊山地の霊場と参詣道』の存続にも関わるような、極めて大事な問題である。吉野山への参詣道無くして、『紀伊山地の霊場と参詣道』など、あり得ない。そんな問題である。

○文化庁が、こういう肝心要のものを忘れているのには、理由がある。それは世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』が、極めて意図的に形成されているからである。吉野山が世界文化遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』の中心であることが、文化庁には理解されていない。だから、和歌山県を中心に世界文化遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』を考えている。それが大きな誤りである。

○世界文化遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』は、そういう意味では、極めて中途半端なものとなっている。第一、奈良県の協力がまるで得られていない。それはそうだろう。奈良県を抜きにして、世界文化遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』は形成されているかのような結果となっている。それでは、奈良県は協力しようが無い。完全な文化庁の判断ミスである。もともと、世界文化遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』は、そんなものではない。

○第一、世界文化遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』で、参詣道として、最も古く、最も利用されたのが吉野山への参詣道なのである。それを抜きにして、世界文化遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』は、誰にも語れない。そんな大事なものを抜きにして世界文化遺産となっているのが、世界文化遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』なのである。そんなおかしな話は無い。

○「日本書紀」全三十巻の最後を飾っているのが、高天原廣野姫天皇紀である。高天原廣野姫天皇の諡号は持統天皇と申し上げる。その持統天皇は、持統天皇三年一月から、持統天皇十一年四月の九年間に、31回もの吉野詣でを繰り返している。これは尋常な数字ではない。

○文化庁は、本当は、そういう話をすべきだろう。そういう最も文化的なところを見失って、世界文化遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』が成立している。そんなおかしな話は無い。嘘みたいな話だが、本当の話である。

○当古代文化研究所では、持統天皇の吉野詣でが意味するものが何であるか。すでに研究し、解決済みである。詳しくは、次を参照参詣道れたい。
  ・書庫「吉野山の正体」:40個のブログ
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/389714.html?m=l&p=1