受講生の皆様、お疲れ様です。
今日はTAC京都校で無料公開セミナーがあり、その後、個人的に相談会を行いました。ご来校頂いた皆様、お疲れ様でした。
相談会を実施し、試験後初めて今年度の受講生とお会いすることができ、生の意見を頂いたり、貴重なデータを頂けたりしました。
実際に受講生の方々にお会いし話を聞くまでは、受講生の出来不出来がわからずやきもきするのですが、そのような不安もある程度払拭することができました。
そんなこんなで、各受講生と半日くらい話をしていたのですが、抱いた印象としては
5肢択一憲法は試験の出来不出来に関係なくやられている。取れてて5問中2問くらい。合格推定出せる人でも5肢択一憲法全落としとか普通にある
5肢択一行政法は、人にもよるがそこまでやられていない。思っていたより良く出来ている
5肢択一民法良く出来ている。人によっては「こんなに簡単でいいのか」と思いながら解いていた人複数
5肢択一商法は人によるが比較的良く出来ていた。そして、満点いた
多肢選択式問題41の出来が良くない。思っていたより
記述式は思っていたより良く書けているが、問題45の物上代位案外書けていない。問題46思っていたよりよく書けている
一般知識良く出来ている。基準点未達0。今日のところは。そして、満点いた。13問取得も複数いた。
という感じでしょうか。全体的に、問題の解き方最後に聞いてて助かったという声がいくつかありました。
当日の講評では、今回の本試験の難易度は「やや易しい〜普通ですが現時点では普通とします」等としていましたが、現時点では、厳しめに記述を採点しても合格推定出せる人が例年よりも多いので、当日の想定はそこまでずれていないと思います。この講評は、当日の記事でも書いていますが、私のクラスの授業を受けている方を対象とした講評であるため、たまたま対策がハマった結果かもそれませんが。
法令5肢択一をなんとかしのぎ、一般知識と記述で盛り返し合格圏内に入っているパターンが多い。逆に言うと、記述で論点ズレを起こしたり、一般知識で10問以上取れてないという事情があると、法令択一が難しいだけに取り返すのが難しくなる。
合格推定の人
記述まちの人
残念な結果だった人
どうしてもこの3類型に分かれてしまいますが、気持ちに一つ区切りをつけて、前に進んで頂ければと思っております。
さて、今回の試験では、行政法・憲法で壊滅的でも、一般知識でフィーバーが起こり、逆転で合格を手にすることが可能な試験となっています。事前の準備というよりは、現場での対応一つで左右されることになるため、受験生にとっては文句の一つでも言いたくなる試験かもしれませんね。
まず、大前提として私個人は行政書士試験に問題はあると思います。例えば、実務家登用試験と言うよりは教養試験に近いこと等は「どうしたものか」と思ったりもします。平たく言えば、実務で使う法律もっと出せよ、ということです。
それを前提としつつ、つらつらと書いていきましょう。
今回結果が出なかった人の中には、「行政書士試験って言っているのに、行政法がボロボロでも、クイズみたいな一般知識で得点稼いで合格出来る。そんな試験でいいのか」という感想を持つ人もいるでしょう。実際、試験後にそのような書き込みも目にしました。
しかし、この試験はそんな試験なんです。昔からずっと。
ある年は、択一民法が難化した年がありました。そんなときは「実務で使う民法が、勉強してもしなくても低得点になり、実務で使うともいえない憲法・行政法で勝負が決まるってどうなのか」という意見がでます。
また、一般知識が難化した年は「法令高得点なのに、わけのわからん一般知識で切るとは何事か」という声がでます。
昔からずっとセミナーで言っていることですが、この試験はほとんどの人が間違える、「強烈な問題」が相当数出ます。それが、今年は何処になったのか、というだけであり、それが毎年ズレているだけです。
なんでそんなことをするかと言うと、絶対評価だからです。得点が上がり過ぎると合格率が押さえられなくなるので、今回の憲法・行政法クラスの難問がどこかで相当数出るのです。そして、それらがもし少なかったらどうなるかと言うと、記述の採点を厳しくして絞り込むのです。
結局、絶対評価としていることから無理が生じ、際どい問題が毎年どこかで出題される。よって、他で稼ぐしかない。その出題数が少ないのならば、択一で稼いで記述抜きで合格ライン上に行かなくてはならない。
これが、この試験の本質だと思います。よって、今日のセミナーでも言いましたが、どのような試験になっても合格出来る総合力が必要となり、どこをどこまで学習するかという範囲の設定が他の試験よりも重要となります。また、解く必要のない問題、そこまで手を広げてはいけない問題が過去問の中に相当数あります。
全体を概観しつつ、バランスよく学習して取るべき所を確実に取る
そんなことが大切だと改めて実感しましたし、どこをどこまで、どのように勉強すればいいのか、という範囲設定が、「分かりやすく説明する」ということと同じくらい重要だなと思っております。
予備校とか講師の存在価値ってここだろうな、と。情報自体はなんぼでもありますから。
それらを、仕事等と勉強を両立させなければいけない兼業受験生に処理可能な範囲で設定し、分かりやすく提供する。そして、森永クラスでなければここまで勉強しなかったな、と言ってもらえる教室にする。
そんなことを思いながら17年目の講座に入っていこうと思います。
長くなってしまったので、問題46の講評は明日の記事で行います。今日もお疲れ様でした。
