プロ=マニアティス、、、この日から本当にこの事を自覚してサロンに立つようになりました。
例えアシスタントだとしても、プライドを持ち、最高のモノを提供する義務があると、、、、

つづく、、、

そして、僕が欠けていた事が、、、

それは「個性」です。個性=キャラクター、、、こんな事自分の人生の中で考えた事なかったと思います。

イオネルというマルブフの女性スタイリストがいました。彼女は個性の塊のような女性でした。。。
彼女はKenzoが手がけたスタッフでしたし、日本に興味を持っていたので僕にも色々教えてくれたり面倒も見てもらいました。。。

僕がマルブフに入って間もない頃、、、

イオネル:「Keigoはロボだね!」

僕   :「ロボ???」

イオネル:「ロボットだよ。。。誰かのやっている事をマネしたり、誰かの言った事にいっつも頷いてる」

僕   :「そんな事ないよ!!!」

イオネル:「ロボじゃなかったら、なんでキャラクター(個性)がないの???」

僕   :「。。。。。」

僕としては、「何も分からないから他の人の行動を見て学ぶしかないし、フランス語が分からないんだから仕方ないだろう」と思いました。(その時は、それすら言えなかったんですが、、、)
大した話でないと思ったのですが、どっかで心にひっかかり続けました。。。

その時は個性と言われても、どうやって解決していくのかが明確な事でなかったので、正直分からないままでした。。。

つづく、、、

こうやって、サロンワークに入って行くうちに、ふとある事に気付きました、、、、

つづく、、、、

スタイリストから頼まれ、ブローをする、、、これってどういう事なんだろう???と思いました、、、

マニアティスは当時、カットが537フランだったと思います。日本円で12000円位です。
この内訳は330フランがカット料金でした。残りがブロー料金となります。つまり、スタイリング、ブローに4~5000円払っている事になります。。。

と、改めて気付いた時、、、「ヤバい。。。」と内心思いビビリました、、、

僕はスタイリストのアシスタントとしてブロー、スタイリングをしていた、、、最終的にスタイリストがチェックするとは言え、、、僕がやるブローにもお客さんはお金を払っているんだ、、、それも4000円以上も。。。

これは、僕にとって大きな事でした、、、ただ、スタイリストのヘルプとしてブローするのでも、スタイリングするのでもない、、、「マニアティスのスタッフとしてやらなきゃいけないんだ」と思いました。。。

やっぱり、どこかに最後はスタイリストが仕上げをするんだ、、、という甘い気持ちがやっぱりありました、、、

それでも、パリでは天下のマニアティスです、、、それはお客様も当然、最高のモノを当たり前のように期待してくるワケですから、、、そりゃ、、、キビシいです。。。

気持ちを入れ替えて、ノータッチを目標にやっても、なかなか難しかったですね、、、


そんな日々を繰り返していましたが、ある日、、、本当に意識を変えさせられる事が起きました、、、

いつものように、ソロンジュ(履歴書3参照)にブローを頼まれました。
僕がソロンジュに替わって仕上げる事を分かると、明らかにそのお客さんは不満そうでした、、、
良くある事でした、、、特にアジア人で、やっと片言のフランス語しか喋れない僕ですからね、、、
それに、お客様はソロンジュに担当してもらう事をステータスに思っている人も多かったですから当然、ソロンジュにやってもらいたいワケです。。。
僕としては、どちらにしたってやるしかないですから、ブローをしていると、、、

お客様:「ちょっと、ここが乾いてないわよ!」

僕  :「そこは、まだやっていないので、後でやります、、、」

こんな、やり取りを何度も繰り返しました、、、僕としては、言いたい事いっぱいありましたが、お客様ですし、お客様の気持ちを考えるとムキになっても良くないな、、、と思い、途中でお客様には、ソロンジュを呼んで来ると伝え、ソロンジュに話をしました。。。

そうすると、、、

ソロンジュは、そのお客様の所へ行き、、、

ソロンジュ:「あなたは素人でしょ???」

お客様  :「、、、、、、」

ソロンジュ:「彼には私が頼んだの、、、彼はプロなんだから終わるまで黙ってなさい!」

お客様  :「、、、、、、」

ソロンジュ:「Keigo,続きを早くやって、終わったら呼んで!」

僕    :「。。。。。」

てっきり、お客様の機嫌を取るのかと思っていましたから、、、驚きました。。。
どっかで、嬉しい気持ちもありました。でも、同時にプレッシャーにもなりました。
マニアティスのスタッフとして、美容師としてプロであるという意味を知れたと思います。

僕は、「プロ」という言葉に執着があります。どんな時もプロとして、、というのが、僕の前提です。
自分の元々の考え方もありますが、きっとこの時の事が始まりなんだと思います。

プロ=マニアティス、、、この日から本当にこの事を自覚してサロンに立つようになりました。
例えアシスタントだとしても、プライドを持ち、最高のモノを提供する義務があると、、、、

つづく、、、



どうやって生き残るか???

僕なりに考えたのは、、、、


つづく、、、、

自分の技術力アップ、、、とにかくブローをやる。。。
それで、とにかく多くの仕事をもらおうと思いました、、、
マルブフに入店以来、やり続けていた事も同じです。開店、閉店準備、掃除、各スタイリストの好みを把握しそれに対応するなどなど、、、

僕は、フランス人の多くは、僕より才能に優れてると感じてました。。。
でも、、、同時にサボろうともするヤツが多いんです。。。
僕にとっては、それが隙間なんです。いかに、誰よりも仕事をもらえるか、、、同じ1日を過ごすならやった方が良いと思いました。。。言い方悪いですけど、お客さんで勉強出来るんですから、、、、
マルブフに入った頃は、やっぱりKenzo、フィリップ、ソンドリーヌについてました、、、それが1番だと思ったからです。
でも、この時からは違いました。。。古株の仕事も率先してやるようにしました。。。
だって、いっぱいお客さん持ってますからね、、、
そりゃ、Kenzoのお客さんやっているほうが楽しいです。でも、自分にとって無駄なモノは無いと思ったら見え方変わって来るんです。。。

「無駄を無駄と知って敢えてやる、、、」僕が当時、自分に言い聞かせていた事です。

僕が、生き残る為には、、、「無駄だからやらない、、、」では通用しない、、、

ホント、これに気付いてからは、日中が楽しくなっていきました。もちろん、楽しい事ばかりじゃなく、お客様に怒られるのも、スタイリストに直され、怒られるのもしょっちゅうでした。。。

でも、モチベーションが変われば全てが変わります、、、ダメだったなら次はと、、、思えますし目標となりました。。。

こうやって、サロンワークに入って行くうちに、ふとある事に気付きました、、、、

つづく、、、、