こうやって、サロンワークに入って行くうちに、ふとある事に気付きました、、、、

つづく、、、、

スタイリストから頼まれ、ブローをする、、、これってどういう事なんだろう???と思いました、、、

マニアティスは当時、カットが537フランだったと思います。日本円で12000円位です。
この内訳は330フランがカット料金でした。残りがブロー料金となります。つまり、スタイリング、ブローに4~5000円払っている事になります。。。

と、改めて気付いた時、、、「ヤバい。。。」と内心思いビビリました、、、

僕はスタイリストのアシスタントとしてブロー、スタイリングをしていた、、、最終的にスタイリストがチェックするとは言え、、、僕がやるブローにもお客さんはお金を払っているんだ、、、それも4000円以上も。。。

これは、僕にとって大きな事でした、、、ただ、スタイリストのヘルプとしてブローするのでも、スタイリングするのでもない、、、「マニアティスのスタッフとしてやらなきゃいけないんだ」と思いました。。。

やっぱり、どこかに最後はスタイリストが仕上げをするんだ、、、という甘い気持ちがやっぱりありました、、、

それでも、パリでは天下のマニアティスです、、、それはお客様も当然、最高のモノを当たり前のように期待してくるワケですから、、、そりゃ、、、キビシいです。。。

気持ちを入れ替えて、ノータッチを目標にやっても、なかなか難しかったですね、、、


そんな日々を繰り返していましたが、ある日、、、本当に意識を変えさせられる事が起きました、、、

いつものように、ソロンジュ(履歴書3参照)にブローを頼まれました。
僕がソロンジュに替わって仕上げる事を分かると、明らかにそのお客さんは不満そうでした、、、
良くある事でした、、、特にアジア人で、やっと片言のフランス語しか喋れない僕ですからね、、、
それに、お客様はソロンジュに担当してもらう事をステータスに思っている人も多かったですから当然、ソロンジュにやってもらいたいワケです。。。
僕としては、どちらにしたってやるしかないですから、ブローをしていると、、、

お客様:「ちょっと、ここが乾いてないわよ!」

僕  :「そこは、まだやっていないので、後でやります、、、」

こんな、やり取りを何度も繰り返しました、、、僕としては、言いたい事いっぱいありましたが、お客様ですし、お客様の気持ちを考えるとムキになっても良くないな、、、と思い、途中でお客様には、ソロンジュを呼んで来ると伝え、ソロンジュに話をしました。。。

そうすると、、、

ソロンジュは、そのお客様の所へ行き、、、

ソロンジュ:「あなたは素人でしょ???」

お客様  :「、、、、、、」

ソロンジュ:「彼には私が頼んだの、、、彼はプロなんだから終わるまで黙ってなさい!」

お客様  :「、、、、、、」

ソロンジュ:「Keigo,続きを早くやって、終わったら呼んで!」

僕    :「。。。。。」

てっきり、お客様の機嫌を取るのかと思っていましたから、、、驚きました。。。
どっかで、嬉しい気持ちもありました。でも、同時にプレッシャーにもなりました。
マニアティスのスタッフとして、美容師としてプロであるという意味を知れたと思います。

僕は、「プロ」という言葉に執着があります。どんな時もプロとして、、というのが、僕の前提です。
自分の元々の考え方もありますが、きっとこの時の事が始まりなんだと思います。

プロ=マニアティス、、、この日から本当にこの事を自覚してサロンに立つようになりました。
例えアシスタントだとしても、プライドを持ち、最高のモノを提供する義務があると、、、、

つづく、、、