「六月七日」西田幾多郎
一九四五年(昭和20年)の今日「6月7日」にに、元京大哲学科教授の「西田幾多郎」が亡くなっています。


 西田幾多郎は日本最初の体系的哲学者で、東洋的無の思想を規定として、ヨーロッパ哲学を旺盛に摂取し、両者の主体的統一を図りました。シランも学徒出陣で軍隊に入る時、友人からこの「善の研究」の本を貰って読んだことがあります。差し迫った戦場での生死の意味に、自分でも納得できるようにと‥

戦時中、特攻航空隊の学徒兵は、よくこの西田幾多郎の「善の研究」をポケットに入れて、最後の出撃をしたそうです。しかし、戦後、平和になってみると、幾多郎の「無」という言葉は、若者を喜んで戦場に送るための、まやかしの右翼的思想ではなかったかと思ったことがあります。

 

  

   (西田幾多郎)         (善の研究)

 ・・将来の世界というものは、各国孤立の国家主義に落ち着くのではなく、何らかの意味において、世界的協調が出来なければ、落ち着かないのではないでしょうか。今日、各国の悩みは本当はそこにあるのではないかと思います。我が国の政治家たちも、そういう所に着眼してもらいたいと思います・・(昭和13年3月13日の手紙)

 

                         しらん
 

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