【PS5】アランウェイク2 感想 | 僕とPSな日々

僕とPSな日々

ゲームなどの感想
主にプレイステーションで遊んでます

ストーリーテリング、構成、演出が最高に良かった。

 

概要

2010年にXBOX360の独占ゲームとして発売された「アランウェイク」の続編。

 

「アランウェイク」は2012年にPCに移植され、僕はその時にsteamでプレイした。

前作もストーリーは面白かったが、消化不良な結末だった。

それでも、ホラーらしいといえばホラーらしいし、続編は期待していなかったので、10年以上も経って続編が出るとは思わなかった。

 

ダブル主人公・ゲーム性

今回はダブル主人公で、一人目はFBIの捜査官サーガ・アンダーソン(女性)で、もう一人はもちろんアラン・ウェイクだ。

 

まずはサーガ編「リターン」から始まる。

捜査シーンがあり、その後、アクションの割合が増えていく。

アクションはフラッシュライト(懐中電灯)の光を敵に当てて弱らせて銃などで撃っていく、という方式なのだけど、前作よりも普通のTPSっぽくなっていて、「こんなゲームだったかな?」と思った。

 

その後、アラン編「イニシエーション」に入ったのだけど、このパートのアクション性は前作そのまんまで、フラッシュライトで敵を撃退するウェイトが大きいというか、光で敵をやっつける感じがより強く出ていて、「そうそう、これよ、これがアランウェイクよ」と嬉しくなった。信号弾(ファイアガン)が強いというのも前作と同じだ。

 

闇の中から出てくる亡霊のような敵と、光を味方につけて戦うというところが前作でも好きなところだったのでこういう部分が特に楽しかった。

 

 

話は戻るが、サーガ編はアクションシーンに入ると結構激しい。

フラッシュライトの効果もそれほど長く続かず、高速で動いてくる敵集団と戦うとなると毎回死闘になる。

死にまくりだった。

特に、最初の慣れないうちは、「緊張して進めているのにいざ敵と出くわすと心の準備ができていない」という感じになって、まごまごしているうちにすぐにやられることが多かった。

 

ボスバトル前になると闇の世界との「境界域」に入るのだけど、ここに入るのがめちゃくちゃ怖い。

まさにホラーの世界に踏み入っていく、という感じだった。

また、この境界域でのループ構造の不条理感がまた恐怖を増幅させる感じだった。

 

ボスはどのボスも強く、初見で倒せるということは全くなかった。

物量や回復薬使いまくりでは倒せない(回復薬の使用に時間がかかるので、回復中に攻撃を受けてしまう)ようなゲーム性になっているので、結構ちゃんと回避して立ち回らないと勝てない。

どのボスも7~8回は死んだ。

 

 

演出とストーリーテリング

ストーリーは、サーガのパートから始まるのだけど、そのサーガの相棒の刑事の名前が前作アランウェイクのアランが描いた人気シリーズの主人公である「アレックス・ケイシー」だ。

「アレックス・ケイシー」は実在の人物だったのか、それとも…?というところで戸惑う。

この時点でこの話が一筋縄ではいかないことがわかる。

 

そして、例によって、サーガの行く先々でアラン・ウェイクが書いたと思しき原稿が次々と見つかる。

その原稿では、サーガがホラー小説の主人公として書かれていて、彼女の行動を予言するかのような記載がされている。

また、サーガが現実では知らない人から記憶にないけれど原稿には書いてある事実を前提に話しかけられたりして…フィクションが現実を侵食していく、あの前作の不気味な感じが蘇ってくる。

 

そして、より凄いと思ったのが、アランのパートだ。

これは思っていた以上に前作からの続きの話なのだけど、アランパートの世界は不条理世界だ。

 

そこでの演出とギミックが一体化しているのが凄いと思った。

まずは、電灯と手持ちのランプで光を移し替えたりすることで場面が微妙に入れ替わるという、その説明不能な不条理感のあるギミックにゾクゾクした。

 

そして、それ以上にその後のタイプライターによる場面切り替えギミックには痺れた。

これは主人公が囚われのホラー小説家だという設定を生かしたギミックだ。

 

アラン・ウェイクがカチャカチャとタイプライターを叩いて、ホラー小説を書き進めるたびに場面が切り替わる。

アランが書いた内容の切り替えによって話が進むのと同時に次の場面がアンロックされる、という演出が秀逸だった。

これが世界観に合致していて、モダンホラー小説をテーマにしつつ、演出と一体になったギミックを利用して行動することでモダンホラー小説的な世界をゲームでしか表現できない形で描いていて、本当に凄いと思った。

 

また、アランパートでも結構死ぬのだけど、そのゲームオーバーの演出がまた良かった。

単にゲームオーバーしてやり直すというゲームでは当たり前のことなのに「また世界が戻ってループした」という感覚を抱かせるのが巧いと思った。

 

他にも凝った演出が多く、ストーリーテリングは技巧に満ちていた。

ゲームでもあり文学作品でもある、といってもいいくらいのクオリティだと思った。

 

僕は中学生の時、父親の本棚にあったスティーブン・キングやディーン・クーンツなどのモダンホラー小説にハマったことがあるのだけど、モダンホラー小説好きにはたまらない作りになっていると思う。

 

作中作の映画も結構雰囲気があって思わず見入ってしまった。

15分くらいあって、意味は必ずしも明瞭ではないのにに最後まで見た。

この映画でケイシーが最後に発したセリフが実はアランのセリフと同じだったりするのがまた面白い。

アランのセリフは続編匂わせなのか前作へのオマージュなのか、気になって悶絶した。

 

収集物・トロフィーなど

トロコンは必ずしもできなくて良いかなと思っていたら案外集まってきたし、途中で「ここから進むともう戻れませんがどうしますか」的なアドバイスもくれたので、そこで収集物を集めた。

攻略サイトもチラチラとみたけど、大体目印もあるし自力でいける。

 

ただ、童謡だけは自力では解けないものも結構あった。

「トリックスター」が何をあらわしているのか、文化圏が違うからかよくわからなかった。

あど、ビデオについては時限かもしれず、特に最後の方のは見落としやすかもしれないなと思った。

自分はくまなく探して大体自然に集まったけど、アランの最後のビデオは、どっちのドアを開けるかで確率1/2でとれなかったかもしれない。

一周クリアと同時にトロコンもできた。

ただ、このゲームはあんまりトロコンを意識せずにストーリーを純粋に楽しんだ方が良かったかもしれないなとも思った。

 

感想まとめ

演出やストーリーテリングが秀逸すぎるゲームだと思う。

アクションは案外難しめ。

謎解きもやや難しめ。

好みの分かれる感じはするけど、僕はめちゃくちゃ好き

という感じです。