昔、僕が学習塾で働いていた時に感じていたこと。
塾に通って成績を上げられる子どもは、一握りです。
言い換えれば、その一握り以外は、塾に行っても意味が無いし、成績が上がったりしません。
せっかく高いお金を支払って、子どもを塾に通わせても、成績が上がらない。
以前、同じように、
「子どもが塾に行ってるのに、勉強をしないし、宿題をしない」
って相談を受けたことがあって、
「塾を辞めて、浮いたお金を子どもの好きなことに使ってあげるといいよ」
って言ったんです。
そしたら、そのお母さん、すぐに塾をやめて、子どもの好きなことにお金を使ったんです。
子どもとしては嬉しいじゃない?
その後、子どもが高校受験するタイミングで、自分で勉強をやり始めて、第一志望の高校に合格しました。
なんで、子どもが塾に行っても成績を上がらなかったり、勉強や宿題をしないのか?
理由は簡単です。
「親が、子どもを塾に行かせているから」
です。
子どもは勉強をしたくない。
子どもは塾に行きたくない。
でも、親が勉強をしてほしかったり、塾に行かせたかったりするんよね。
その親の意向が色濃く出てたり、親の方が子どもよりもやる気マンマン、気持ちが強いと、子どもは塾に行っても勉強をしません。
親が勉強をしてほしくて、
親が塾に行って欲しくて、
親が受験をしてほしくて、
ほんで、子どもが勉強しなかったら、
親がイライラして、
親が何とかして勉強をさせようとする。
これ、
「親が主役になっている」
んですよね。
勉強って、子どもの主役でしょ?
子どもが勉強をするし、
子どもが受験をするし、
子どもが学校に通うわけやん?
本来なら、子どもが主役なはずの勉強や受験なのに、
実際的に、親が主役になっちゃってる。
親が主役を張っちゃってるんだから、必然的に、子どもは脇役になる。
親がエネルギーが高くて、子どものエネルギーが低くなる。
だ
か
ら
子どもが勉強をしないんです。
その状態の塾は、はっきり言って無駄やないかなー、って思います。
塾に行くけど、成績上がらんし、そもそも勉強せーへん。
何となく、年齢的に受験する年齢になったから、受験せなあかんな~、みたいな。
親からしたら、
「塾に行かせたら、子どもは勉強するはずだ」
って思うかもしれんけど、
「勉強をしない子どもは、塾に行っても勉強をしない」
んだよね。
冒頭に、
「ほとんどの子どもが、塾に行っても成績が上がらない」
って書いたでしょ?
じゃあ、塾に行って成績が上がる子どもは、
「塾に行かなくても、勉強をする子ども」
です。
塾に行かないと勉強をしない子どもは、塾に行っても勉強をするようにならないし、成績は上がらない。
塾に行かなくても勉強をする子どもは、塾に行ったらさらに勉強をするし、成績も上げていけます。
塾に行かないと勉強をしてなくて、塾に行くことで勉強をするようになって、成績も上げていける子どももいます。
まさに、僕がそうでした。
なんで、僕は家で全く勉強をしてなかったのに、塾に行ったら成績が上がったのか?っていうと、
「自分の意思で塾に行こうと思ったから」
です。
僕自身に、
「勉強をする意思があった」
「成績を上げる意思があった」
「受験をする意思があった」
からですね。
つまり、成績が上がる子どもと、上がらない子どもの違いは、
「子ども自身に、成績を上げる意思があるかどうか」
です。
もちろん、もうすでに高得点を叩き出してる子どもは、上がる成績の伸び代が小さいから上がりにくい。
でも、今の成績が悪くても、子ども自身に成績を上げる意思があれば、上げていける。
言い換えれば、
「子どもが主役であれば、自分から勉強するし、成績も上げていけるし、受験の合格率も上げていける」
ってこと。
逆を言えば、
「親が主役になっちゃうと、子どもは自分から勉強をしないし、当然、成績は上がらないし、受験の合格率も下がる」
ってこと。
もっと分かりやすく言えば、
「親がさせている勉強、行かせている塾は、あんまり意味が無い」
っていうこと。
親が行かせたくて行かせている塾にお金を支払うなら、子どもの好きなことにお金を使ってあげた方が、子どもは嬉しいし、未来に繋がる可能性も高い。
何なら、そのお金でBASEに来てもらった方が、子どもは自分から勉強を始めるし、いいよ(笑)
塾でさ、教えるのがめちゃくちゃ上手い先生もいる。
そういう先生に巡り合えると、子どもは勉強が楽しくなり、自分でやるようになる。
・・・けれども、親が主役になってると、家に帰ってきたら、その先生効果がリセットされちゃうんよね。
これは、僕が学習塾で働いていた時の本音だし、他の塾講師経験者も口を揃えて言います。
子どもの勉強したい気持ちの度合いは、塾でやる気になっても、家庭でリセットされるので、
0⇒10(塾)⇒0(家)⇒10(塾)⇒0(家庭)⇒・・・
みたいな感じでリピートしちゃう。
もし、家庭でリセットされないなら、
0⇒10(塾)⇒10(家)⇒20(塾)⇒20(家庭)⇒・・・
みたいな感じで、塾で先生の指導を受けたり、仲間と一緒に勉強をすることで、子どもの勉強意欲が高まっていきます。
家庭での「やる気リセット」は、家庭の領域なので、塾の先生にはなかなか手が出せない領域です。
しかも、塾の先生には、塾の経営があるから、親にはあんまり強く言えない。
これがもし、塾生の構成割合が、「親に行かされてる子ども」が一番多ければ、
「家庭でやる気リセットが起こってるので、子どもへの関わり方を変えてください」
なんて言って、
「塾辞めて、違う塾に行きます」
ってなると、経営が成り立たなくなっちゃう。
塾の経営を考えると、やる気リセットが起こってる子どもであっても、親にはハッキリ言わずに、塾に通い続けてもらった方がいいんよね。
先生としては複雑な気持ちやろうけれど、塾の継続のためには、目をつぶらないといけないこともあります。
当たり前やけど、僕が話してるのは、
「よくあるテンプレ」
の話なので、この話に該当しない家庭や、塾もたくさんあります。
例外もたくさんあるけど、僕が話してるテンプレに当てはまる事例は決して少なくない。
むしろ、めちゃくちゃ多いと思う。
で、勘違いしないで欲しいのが、僕が言ってるのは、
「こういう事例がたくさん起こっていますよ」
っていう話であって、
「だから、親がダメなんだよ」
とまでは言ってません。
まぁ、たしかに親の関わり方によって、
「子どものやる気リセット」
が起こってるとしても、それでも親が悪いわけじゃない。
だってさ、親は、子どものためを思って、子どもに必要だと思って、
「子どもに勉強をしてほしい」
「子どもを塾に行かせた方がいい」
みたいに思ってるわけやん?
それは、親が悪いんじゃなくて、親は「知らんかった」だけなんよ。
現代の教育(小中高大)では、
「親が子どもにどう関わったらいいか?」
を教えてくれないし、学ぶ機会は無い。
なんなら、学校の先生すら、自分の子どもとは上手く関係性が築けてなかったりするやんか。
学校の先生とか、保育士さんとかから、
「よその子どもには上手く関われるのに、自分の子どもには全然上手く関われない」
っていう話は、本当によく聞く。
みんな口を揃えて言うレベルでよく聞く。
そういう感じなので、親も、
「こうすれば、子どものやる気リセットをしない関わり方ができる」
ってことを学ぶ機会が無いんよ。
誰も教えてくれない。
誰も教えてくれなくて、知らなかったのなら、親は何も悪くないでしょ。
親の関わりによって「やる気リセット」が起こっていたとしても、
親が悪いわけじゃないし、ダメなわけでもない。
ただ、そのままでいたら、子どものやる気リセットは起こり続ける。
だから、何とかはせなあかん。
やからこそ、
「子どもが自分から勉強をするようようになってほしい」
って思う場合、親はコミュニケーションを学ぶ必要があるんよね。
親がコミュニケーションを学んで、子どものやる気リセットが起こらないようになるとするやんか。
そしたら、たとえ、子どものやる気を引きだすような先生に出会えなくても、少しずつ子どもの勉強意欲は上がっていきます。
親が何も言わんでも、子どもが自分から勉強をするようになる。
親が何も言わんでも、子どもが自分の将来について考え始める。
なんでやと思う?
「そういうものだから」
です(笑)
それが自然なんです。
だってさ、誰だって不幸になりたい人はおらんやんか。
誰だって幸せに生きたいやんか。
子どもが普通に生きてたら、
子どもが主役で生きてたら、
当然のように、
「自分の将来、幸せに生きたい!」
って思うもんなんよ。
自分が幸せに生きようと思って、自分のレベルを上げようと思ったら、勉強だって必要になる。
ほとんどの場合、子どもが夢を叶えたり、やりたいことを実現するためには、
「勉強」
って必要なんです。
言い換えれば、成長をしないといけない。
成長するためには、勉強する必要があったり、挑戦する必要があったりする。
引きこもりだって解消する必要がある。
そういうもんなんです。
だから、親がコミュニケーションを学んで、子どものやる気リセットが起こらないようにしたら、
子どもが自分から勉強を始めるし、
必要があれば、塾に行きたいと思うし、
学校に行きたいと思うし、
家の外に出たいと思う。
時には、ゲームだってやめようと思うし、親に「スマホ預かってて」みたいなことも言い始める。
冒頭で紹介した親子、
「塾を辞めて、浮いたお金を子どもの好きなことに使ってあげるといいよ」
って僕が言ったお母さんやね。
この息子くんは、高校受験にあたって、
「お母さん、スマホ預かってて」
って言って、
親に、
お願いをして、
スマホを制限してもらったんよ(笑)
すごくない?
でも、親のコミュニケーションを変えれば、これくらいの変化だって起こることがある。
なぜ?
「そういうもんだから」
です(笑)
そっちが普通なんだよね。
だって、子どもだって幸せになりたいから。
シンプルでしょ(笑)