僕は「子どもが自分から勉強を始める親のコミュニケーション」っていうのを伝えています。
子どもが自分から勉強を始めるかどうかは、親のコミュニケーションの取り方にかかってる。
とはいえ、子どもが勉強をしないからって、親が悪いわけじゃなくて、誰からもコミュニケーションを教えてもらっていないんだから、当たり前といえば当たり前です。
心理学やコミュニケーションについて、色んなことが分かってきて、それが少しずつ世間一般にも知られるようになってきた。
僕は、20年前から心理学が好きで学んできてたので、たまたま先に知ってただけなんです。
なので、これを読んでるお母さん、お父さんも、子どもが勉強をしないからって、自分を責めなくてもいいのね。
この記事に出会えたのは、とてもラッキーで、ここから意識を変えて、コミュニケーションを学んで、子どもとの関係を変えていけばいいんです。
そしたら、子どもは何歳であっても、自分から勉強を始めることがあります。
個人差があるから、絶対に勉強をするようになるとか、何年後に必ず勉強を始める、なんてことは言えないけどね。
でも、親のコミュニケーションの取り方を変えれば、間違いなく、子どもの意識は、
自分の未来をより良くしようと思うようになり、
そのために、勉強をしようと思うようになります。
うちの息子弟も、不登校で、中卒で、自宅引きこもり、昼夜逆転してる子なんですけど、自分の未来のためにデザインの勉強などを始めて、仕事をしています。
他にも、BASEに参加してくれたお母さんたちの子どもも、自分から勉強をすると決めて、受験して高校に通いだしたりしています。
親のコミュニケーションを変えると、たしかに、子どもたちは自分の未来のことを考えるようになり、そのために勉強をしようと思うようになるんです。
じゃあ、そのために、親はどんなコミュニケーションを取ればいいのか?
っていうと、最も基礎的なことは、
「子どもの話を聴く」
です。
「いやいや、子どもの話を聴いてるよ」
って思う人もいるかと思います。
そんな時に、ちょっと思い出してほしいのが、
「子どもの話を聴く時、親、しゃべってない?」
ってこと。
コミュニケーションっていうと、一般的なイメージは、
「会話のキャッチボール」
を思い浮かべるかもしれません。
子どもが話して、
それに関して、親が話して、
それに関して、子どもが話して・・・
ってなってない?
会話のキャッチボールも悪くない。
悪くないんだけど、
「子どもが自分から勉強を始める」
っていうためのコミュニケーションだと考えると、もう1つ、できるようになりたいコミュニケーションがあります。
それが、
「子どものボール投げ放題」
です。
親からはボールを投げない。
ひたすらに、子どもにボールを投げてもらう。
キャッチボールじゃない。
子どもが一方的に、ずっとボールを投げ続ける。
子どもが話をするためには、子どもが自分の心と向き合って、普段感じていることや、考えていることを言葉にしないといけませんよね。
ひたすらに子どもが話し続けるということは、
ひたすらに自分の心と向き合い続けて、
ひたすらに感じていることや、考えていることを言葉にし続ける、っていうことです。
子どもが感じていることや、考えていることを言葉にし続けると、子どもの感じていることがより繊細になり、考えていることがより洗練されていきます。
そうやって、子どもが興味関心を持っていることが、自分の未来をより良くすることや、そのための勉強に繋がっていきます。
子どもにはずっとしゃべっててもらう。
そのために、親ができるようにならないといけないのが、
「子どもの話を黙って最後まで聴く」
っていうこと。
「相手の話を黙って最後まで聴く」
っていうの、いつも講演会の最初のワークで入れているんですけど、これがなかなかどうして難しいみたいで。
相手の話を聴いてると、
「あ、それ、私もそう!」
って共感することが出てきたり、
「いや、私はそうじゃない」
って反論したくなることが出てきたり、
「それって、こういうことですか?」
って質問したくなったりします。
つまり、相手の話を聴いていると、
「自分が話したくなってしまう」
んです。
質問だって、言葉を発してるのは自分だし、相手に何の話をさせるのかを自分が決めちゃいます。
例えば、子どもに、
「今日の夜ご飯、何が食べたい?」
って聞いて、子どもが
「そんなことより、今日やってたゲームで、○○くんがさー」
みたいにゲームの話を返されたら、イラっとしない?
「いやいや、こっちは夜ご飯のことを質問してるんだから、答えなさいよ」
って思うよね。
そうやって、ついつい
「自分が話したくなる」
し、
「自分が聞きたい話をさせたくなる」
んです。
そして、子どもの話は中断されて、結局、言いたいことが言えないまま、親の話に移行してるんです。
繰り返すけど、こういうコミュニケーションはいたって普通だし、何も悪くない。
ただ、
「親が話をしている」
っていうことは、
「子どもが話を聴いている」
っていうことです。
親が話をして、子どもが話を聴いている場合、
「考えが深まるのは親の方」
なんですよね。
子どもの考えを深めたり、心が整ったりするには、
「子どもが話をしていて、親がその話を聴いている」
っていうコミュニケーションがすごく重要なんです。
子どもが話す時間が長くなればなるほど、子どもの中で考えが深まり、自分の心が整っていきます。
そして、自分の内面で、自分の関心ごとと勉強することが、いずれ自然とつながっていきます。
「子どもが自分から勉強を始める」
っていうのは、言い換えれば、
「子どもが自分の内側に、勉強をする理由を見つける」
っていうことです。
だから、親が話をすればするほど、それだけ子どもは自分の心の中を探索する機会が減ります。
親が話している間は、子どもが親の話を聴いてくれている時間です。
親がどれだけ良いことを言っていようとも、親が話している以上、子どもは「親の話を聴いてくれている」ってことです。
親が考え、親が話をしてるんだから、考えが深まるのは親の方なんです。
子どもの考えを深めて、子どもの内側から、
「勉強したーい!」
っていう気持ちを引き出すためには、
「親は黙らないといけない」
んです。
親の口数を減らして、子どもの口数を増やしていく。
ちょっと想像してもらった分かると思うけど、親がただ黙るだけだと、子どももただ黙るだけで、シーンとした時間が流れるだけ(笑)
黙ってる間、子どもの話を聴くわけですけど、
「子どもが話してて気持ちよくなるような聴き方」
をする必要があります。
子どもの本音って、
「親が引き出す」
んじゃなくて、
「親に話をしていると、うっかりポロっと本音を話してしまう」
っていう感じで話してくれます。
「本音を話して」
って言って話す本音は、カスタマイズされた本音であって、本音じゃないことがほとんどです。
BASEでは、
「子どもの関心に関心を持とう」
っていう話をしてるんですけど、これがまた難しいんだ。
子どもが話したい話は、往々にして、親が興味無い話です。
そこに関心を持って、10分も、20分も、時には1時間くらい話を聴いたりします。
そうすると、子どもは話をしながら、自分でも気づかないくらいの深さで話をしてくれる。
子どもが勝手に気付いて、勝手に問題を解決して、勝手に前に進んでいける。
実は、全部子どもの中に答えがある。
それを話してもらうだけでいい。
質問攻めにして、話してもらおうとするんじゃない。
子どもが「話したい」と思って、話をしてもらう。
そのためには、親が
「子どもが『もっと話したい』と思えるような聴き方」
ができている必要がある。
その一番、基本的なところが、
「子どもの話を黙って最後まで聴く」
です。
親が黙っている時間が長ければ長いほど、子どもはたくさんのことを話してくれる。
子どもの話を聴き続けてると、おのずと、
「自分の未来をより良くしたい」
「そのために、勉強をしたい」
時には、
「そのために、学校に行きたい」
っていうことが出てくる。
子どもだって、自分の未来を真剣に考えているんよ。
その話を、ただしてもらうだけでいい。
親がそういう聴き方ができるようになってくると、
子どもは自分の問題を自分で考えて、解決できるようになるし、
自分の理想を自分で考えて、実現できるようになるし、
それが親が願っているような結末にもつながります。
勉強をするとか、
学校に行くとか、
健康に気を付けるとか、
自分の身体を大切にするとか、
人と交流するとか、
家の外で活動をするとか、
仕事について考えるようになるとか。
親が子どもの話の聴き方を変えるだけで、
子どものあり方や行動は、180度変わっていきます。
なぜなら、本当は子どもだって、それを望んでいるんだもの。
つい最近、
「息子が全日制の高校に合格しました!」
っていう報告をしてくれたお母さんの動画をあげときます。
もちろん、お母さんが受験しろとか、勉強しろとか言ってない。
ゲーム仲間から高校行くことをオススメされて、それで高校受験を決めたんだって。