2017年2月2週公開の新作映画、「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」紹介 | 忍之閻魔帳

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ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち


▼2017年2月2週公開の新作映画



今週の新作映画は「マリオン・コティヤール祭り」。
2007年公開の「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」で
オスカーの主演女優賞を獲得して以来、
ロブ・マーシャルの「NINE」、
S・ソダーバーグの「コンテイジョン」、
ウディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」と
巨匠の手掛ける話題作へ立て続けに出演。
近年は「君と歩く世界」や「エヴァの告白」「サンドラの週末」といった
地味ながらメッセージ性の強い作品に傾倒しており
演技力にますます磨きがかかっている。
そんなマリオン・コティヤールの出演作が今週は2本同時に公開される。
3月3日に日本公開の「アサシンクリード」でも
マイケル・ファスベンダーと共演しており今年は飛躍の年となりそう。


発売中■Blu-ray:「エディット・ピアフ 愛の讃歌」

伝説のシャンソン歌手、エディット・ピアフの47年間を綴ったドラマ。
「永遠のマリア・カラス」「ウォーク・ザ・ライン」「ビヨンド・ザ・シー」
「Ray」など、伝説と言われている歌手の生涯を描いた作品が好きなので
贔屓目があることは承知の上だが、高慢で自己中心的だが
誰よりも歌を愛し、歌に愛されたピアフの生き様に心を打たれる。
晩年、砂浜で行われたインタビューで
「死についてどう思うか?」と尋ねられたピアフが、
「孤独よりはマシね」と寂しそうに笑いながら答えるシーンが印象的であった。
Blu-rayはメーカーの怠慢で高騰中。低価格での再販希望。



<2月10日公開>

2月10日公開・「マリアンヌ」
2月10日公開・「王様のためのホログラム」

2月10日公開・「英国ロイヤル・オペラ・ハウス くるみ割り人形」

<2月11日公開>

2月11日公開・「たかが世界の終わり」
2月11日公開・「サバイバルファミリー」

2月11日公開・「グリーンルーム」
2月11日公開・「世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方」
2月11日公開・「海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~」
2月11日公開・「ママ、ごはんまだ?」
2月11日公開・「ホワイトリリー」
2月11日公開・「相棒-劇場版IV」
2月11日公開・「抗い 記録作家 林えいだい」
2月11日公開・「おさるのジョージ いつでもいっしょ」
2月11日公開・「SYNCHRONIZER」
2月11日公開・「青鬼 THE ANIMATION」
2月11日公開・「チェインクロニクル ~ヘクセイタスの閃 第3章」




2月10日公開・「マリアンヌ」

「ザ・ウォーク」のロバート・ゼメキス監督の新作は
ひと組の夫婦に隠されたある秘密を描いたサスペンス・ドラマ。
主演はブラッド・ピットとマリオン・コティヤール。
ドイツと戦っていた第二次大戦の最中に
極秘任務を受けて偽装夫婦となった男女の物語。
ある時期から派手さ(メジャー性)を排した芝居へとシフトしつつあるブラピと
もともと作り込み系の芝居をするマリオンが相性抜群で、
予告編を観る限り良い予感しかしない。




2月10日公開・「王様のためのホログラム」

デイヴ・エガーズの同名原作をトム・ハンクス主演で映画化したコメディ。
サウジアラビアの国王相手に3Dホログラムを売り込むことになった
アメリカ人中年男性のロードムービー。
監督は私の人生の100本に入れてもいい
フェイバリット作品である「パフューム ある人殺しの物語」のトム・ティクヴァ。
トム・ハンクスとは「クラウド・アトラス」に続くタッグとなる。
ちょっと面白そう。


発売中■Book/Kindle:「王様のためのホログラム」




2月11日公開・「たかが世界の終わり」

「マイ・マザー」(2009年)で鮮烈なデビューを果たし、
その熱も冷めやらぬ間に「わたしはロランス」、
「トム・アット・ザ・ファーム」「Mommy」を立て続けに発表。
1〜2年に1本のペースで5作品を送り出し、
27歳にして巨匠の域に達しつつある若き天才グザヴィエ・ドランの最新作。
「わたしはロランス」を観た時に、
ドランがまだ22歳だと知った私は腰を抜かすほどの衝撃を受けた。

今作は、38歳の若さでこの世を去った
フランスの劇作家ジャン=リュック・ラガルスの戯曲の映画化。
これまでキャストの知名度に頼らずやってきたドランだが
本作は豪華キャストが顔を揃えている。
主演には、2003年の「かげろう」から応援しているギャスパー・ウリエル。
「ロング・エンゲージメント」「ハンニバル・ライジング」などを経て
イヴ・サンローランを演じた「サンローラン」で高い評価を受けたばかり。
共演は「わたしはロランス」にも出演したナタリー・バイ、
「アデル・ブルーは熱い色」「007 / スペクター」のレア・セドゥ、
「危険なメソッド」「美女と野獣」(実写版)のヴァンサン・カッセル、
そしてマリオン・コティヤール。
レア・セドゥは「サンローラン」でギャスパーと共演し、
「美女と野獣」ではヴァンサン・カッセルと共演していて
出演者が微妙に繋がっているのも興味深い。

27歳の監督にこれだけのキャストが揃うのだから
その実力は製作陣、出演俳優も認めるところなのだろう。
これでつまらないはずがない。


発売中■Blu-ray:「トム・アット・ザ・ファーム」
発売中■Blu-ray:「わたしはロランス」
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2月11日公開・「サバイバルファミリー」

「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」の矢口史靖監督の最新作は
世界中の電気が止まってしまった時、人はどうなるのかを描いたコメディ。
小日向文世、深津絵里、泉澤祐希、葵わかならが小市民家族となって
奇想天外な空間でのサバイバルを開始する。
昨年末からずっと予告編が流れていて、
この2ヶ月ほどで100回ぐらい予告編を観たような気がする。
ただ、設定はありがちだし、予告編の中のドタバタも
ちょっと古めかしい笑いが中心で
これで訴求出来るのは「笑点」や綾小路きみまろを好むおばちゃん世代ではないか。
同じ匂いを中井貴一の「グッドモーニングショー」からも感じていて、
あちらも案の定の結果だったのでこれもどうなるか。

売り込むためとはいえ、未だに「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」を
付けられてしまう矢口監督も不憫。ヒットはしなかったが
前作の「WOOD JOB!」は矢口監督の到達点と言って良い出来だった。


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【紹介記事】農林ボーイ、山猿と出会う。映画「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」



▼ジブリもアメコミも吸収して花開くティム・バートンの世界。
映画「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」



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ランサム・リグズのベストセラー「ハヤブサが守る家」を
「チャーリーとチョコレート工場」のティム・バートンが映画化した
ファンタジー「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」が公開中。

世界的なヒットでいえばティム・バートンの代表作は
「アリス・イン・ワンダーランド」ということになるのだろうが、
私的には「スリーピー・ホロウ」「スウィーニー・トッド」といった
ダーク・ファンタジーこそが本流だと認識しているので
古参のファンにとっては「待ってました」な作品。
主演は「ヒューゴの不思議な発明」のエイサ・バターフィールド。
共演には「007 / カジノ・ロワイヤル 」のエヴァ・グリーン、
ジュディ・デンチ、サミュエル・L・ジャクソンなど。
ペレグリン役のエヴァ・グリーンは、ボンドガールで世界的に注目されてから
その独特な美貌を武器に「シン・シティ」などでも活躍。
ティム・バートン作品には「ダーク・シャドウ」に出演済み。


2月3日公開・「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」

「(ティムの作風は)ディズニー作品のテイストとは合わない」
「(ディズニーの体制である)共同作業が自分には合わない」と
作風の不一致を理由に一度はディズニーから離れたティム・バートンだが、
「アリス・イン・ワンダーランド」を引き合いに出すまでもなく
近年の作風は両者共に歩み寄っている。
本作はダークサイド版の「ファインディング・ドリー」であり、
マーベルも真っ青なキッズ版「X-MEN」であり、
「千と千尋の神隠し」を彷彿させるジブリワールドの西洋版でもある。
繰り返される時間の中で生きるペレグリンと子供達は
「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」を想起させたりと
オリジナリティこそ低いものの、それら全ての要素を貪欲に吸収し、
『ティム・バートン作品』以外のなにものでもない
クオリティに仕上げてくるのだから
バートン作品と共に育ってきた私としては不満は全くない。

近年ダーク・ファンタジーのジャンルは
ギレルモ・デル・トロが請け負っていた部分も大きいのだが
不気味だけど楽しく、残酷だけれど可愛い
黄金の配合比率はやはりティム・バートンならでは。

序盤から中盤に差し掛かるあたりまでは物語がもたついているし、
CGもそれほど見どころがなく、「期待はずれか」と思ってしまうが
エヴァ・グリーン演じるミス・ペレグリンの手引きで
主題が持ち上がって来てからは怒濤の展開。
子供達の特殊能力が明らかになる後半は
「アベンジャーズ」(ちょっと大袈裟か)並の昂揚感も味わえる。

常連のジョニー・デップやヘレナ・ボナム=カーターは出ていないが
ルーチンワーク的な空気を排する意味でも
私はかえって良かったのではないかと思う。

『人間なんてひとりひとり違って当たり前だし、
 人と違った部分こそが君だけのスペシャルな長所なんだよ』

自身も変人と噂されたティム・バートンならではの温かな視点が心地良い。
子供達の特殊能力についてはあまり予備知識を入れない方が楽しめるので
なるべくまっさらな状態で観るのをお薦め。
ティム・バートン作品の中でもコワカワ路線が特にお好きな方なら文句なし。

映画「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」は現在公開中。



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