「sabishigariya」 -4ページ目

第7話~西本先輩~

「ほんまやな。あんなんじゃ、まだまだアカンゆーことや」と立川先輩。


「恐ろしい。。。また、あんな走るだけの練習みたいなやつやんの。。。」と、心の中で思う。


「最後のクォーターや、今の点差から考えて、普通にやっても追いつくんは無理や。こっちもオールコートで


プレッシャーかけて、ボール取りにいくしかないわ。しんどいけど、最後まで頑張ろう。」とキャプテン。


さすが、キャプテン。ほんまにかっこいい。キャプテンは、オレの中で常に憧れの存在やった。


リーダーシップあるし、うまいし、おしゃれやし。


「ほんで、上村ベンチ下がって、西本が入って」


上村君が、交代させられた。今の現状では無理もない。


スタメンの西本先輩が戻り、ボール運びをきちんとすること、オールコートでディフェンスするため、


体力が他の選手に比べて残っている西本先輩を起用して、積極的にボールを取りにいくよう、キャプテンから


西本先輩に告げられとった。


「上村君ショックやろなー」と、心の中で思いながら、上村君の方を見た。


疲れ果てており、もはや顔をあげることさえできない状態やった。


「オレも、捻挫さえしてへんかったらコートにもう一回立ちたかったなぁ」と、ふと思う。



最終Qが始まった。



うちのチームのスローインから始まる。相手は、オールコートディフェンスをやめたようだ。


キャプテンから、西本先輩へパスが渡る。


「応援で声だしすぎて、のど渇いたな」と、イスの下にあったポカリをとりコートに目を向けたところ、


向いの得点板がペラペラとめくられ、2点がうちのチームに入っているのが目に入ってきた。


「あれっ、誰が決めたんすか?」


マネージャーに聞いてみると、「西本君やで」という返事がかえってきた。


「えっマジっすか!はやっ!どうやって決めはったんですか!」


「えっどうやってって普通に」


「なんすか!普通て!なんすか、1オン1ですか?」


「ちょっスコアかけへんから、ちょっと黙って」


「あっすんません。」


オレら下級生からすると、先輩の1プレー1プレーは非常に勉強になり、少しでもプレーを盗もうと


みんな必死やった。


西本先輩はキャプテンからボールをもらった瞬間に1オン1で、相手を抜き去り、シュートを決めていた。


オレがポカリをとった一瞬で、相手をかわして点を決めるというのは、西本先輩くらいでしか、うちのチームでは


できひんやろう。


西本先輩は、うちのチームでスピードに関しては右に出るものは、おらへんという程、速い先輩やった。


身長は165㎝と、低い方であるが、それをもろともしないお方やった。


バスケットボールは高校1年生から始め、あっという間に上達し、現在に至っている。


相手のシュートが外れ、再びうちの攻撃。


また、西本先輩にボールが渡る。相手が先ほどのドリブルを警戒してか、少し距離を置いて守っていた。


西本先輩は、すかさず3ポイントシュート・・・


「ぱさっ」


「うぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


「西本!西本!」


ベンチも盛り上がる。


そして、間髪入れず、オールコートでディフェンスをする。


2、3Qと休んでいたこともあるが、西本先輩が抜群の運動量を発揮する。


ディフェンスは、確実に効果があったようで、相手も苦労しているのが目に見えとった。


うちのチームは、最終Q開始1分強で、5点の加点と最高の立ち上がりでスタートした。


残り8分42秒   78-61

第6話~ディフェンス~

残り4分強で4点差。


スコアを見れば、完璧に互角の試合をしてると言っていいやろう。


タイムアウトでは、リバウンドを取るために※スクリーンアウトをきっちりとすること、※ゴール下から相手を

押し出す行為

簡単にシュート打たせないこと、と主にディフェンスに関する指示がキャプテン達からでていた。


せっかく、相手のシュートが落ちているのにゴール下で跳ね返ったボールを取られて、はいっ2点じゃあ


精神的にもなえる。


「よっしゃ!逆転すんで!1.2.3!」


「おぉぉぉぉぉぉぉ!」


オレは、この全員で円陣組んで、気合入れるのが好きやった。特に試合に出してもろてる時とか、


興奮してサブいぼたってまうねんよな。


うちのチームボールで始まる。


「おっ」


相手チームは、ここで一気に点差をあけるためにオールコートの※2-2-1ゾーンプレスをしてきよった。

※コートの半面やなくて、全面で前から2人、2人、1人でボールを積極的に奪いにいくような、そんな行為


「上村、ボールはよだせぇ!!」


相手のプレッシャーが強くて、思うようにドリブルもつけなければ、パスも回せない。


上村君は、シュートこそ一流の選手やったけど、ドリブルに関しては、ボールを運ぶという点では、


いまいちやった。


「ばしっ」


次々とボールを相手にとられ、相手の点数が増えていく。


気がつけば、残り40秒で76-56と、うちのチームのスコアが凍りついている間に相手は、16点連取、


試合を決めにかかってきてた。


「くっそーボール運びなら自信あんのになぁーーーなんでやねんーーーあいつ、ほんましばきたいわ」

とベンチで独り言をもらすオレ。


ようやく、ボールを相手コートへ運ぶことに成功。


しかし、ボールを運ぶことに精一杯になり、体力をそこで使ってしまったため、相手ディフェンスをふりきれない。


そうこうしている内に、またもやパスカットからの速攻で、2点をとられる。


キャプテンが、すぐさまリスタートをきろうとするが、


「ビーーーーーーーーーーーーーー」


タイムアップ。


3Qが終わった。


78-56と、ものの4分強で、4点差から、22点差までに開いてしまっていた。


選手がベンチへかえってくる。


「はぁはぁ」


特にボールを運ぶ、ガード陣のキャプテン、上村君、立川先輩は息をひどく、きらせていて、何も喋れない。


対して、センターの長田さんは、あまりボールも回ってこず、ボール運びには参加するが、


ガード陣並みの疲れとは程遠い様子やった。


「夏、みんなでゲロ吐くまで走ったのに、オレらの体力ってまだまだなんやな。」


キャプテンが息をきらせながら、そう言った。



第5話

上村君は、同級生の中でも、うまかった。こと、得点を取ることに関してはピカイチやったと思う。


オフェンス9、ディフェンス1みたいな人やった。


練習の中でも何回も1対1の練習とかで、勝負していっつも負けてました。


やし、「この子絶対レギュラーになるんやろな」って思ってて、負けへんように、シュートの練習とか


してたんやけども、まぁまだ結局は追いつかずのまま。


先輩に一回聞いてみたことがある。「なんで上村君試合でもっと使わないんですか?」


すると、返ってきた言葉はこうやった。


「あいつは、点取る力は確かにチーム1くらいあるんやけど、チームで動くとなった時には、ちょっとまだ


つかえへんわ」


なるほど。バスケットボールって奥が深いわ。としみじみ感じた瞬間やった。




3Qが始まる。


キャプテンが味方に指示を出す。相手は、ハーフタイムの間にばっちり作戦を練ってきた様子。


なんか、オーラが違った。


上村クンにパスが渡る。「どうすんねやろ」と思いながら、見ていると・・・


「あっ」


すぐシュートを打った。


「ぱさっ」


「あっ」


入った。これで、同点。「すげぇ。マジ強心臓。」


でも、試合は冷静に見てみると、ようやく同点。オレらのチームはようやくスタートラインにもっかい立った。


先輩達の表情は、ここから、と顔に書いてあるくらい引き締まっていた。


「っしゃ!いくでー!2番!2番!」と相手の4番、キャプテンが指示を出している。


※ナンバープレイの徹底が休憩の時に告げられたんやろう。※数字とかで、チームで決めたフォーメーションで


動いて点取りにいくみたいなプレイ


「ガシャンっ」


あっさりと決められた。さすがは、強豪と呼ばれるチーム。


「ガシャンっ」


「あれっ」


うちのチームに点が入ってる。


また上村君のシュートやった。「すげぇ、すごすぎるわ」


「なんか、スラムダンクの流川みたいや。」


そんな調子で、相手が入れると、こっちが入れ返す。それが、何度も続いた。


どちらのチームも、集中力切れず、一進一退の攻防の繰り返し。


「ガンっ」相手のシュートが外れ、ボールが宙に舞う。



「リバウンド!!!」


背の低いうちのチームは、簡単に上からボールを取られる。そして、ゴール下で決められる。


最初のようなナンバープレイの攻撃もしてくるが、結局は相手のチームの得点は、ゴール下に集約されていた。


「立川!!!上村!!!※スクリーンアウト!!!」 ※相手にリバウンドのボールとらせないように、ゴールの

外に相手を追いやる行為みたいな感じ


「ガシャンっ」


また、相手のチームにゴール下で点を取られる。


3Q残り4分24秒


60-56で相手チームのリードで、うちのチームがタイムアウトをとった。