1978年~1980年、田舎街を舞台とした、少年サッカー物語です。
エースナンバー10に憧れた少年は、10番を背負うことの意味を見つけることができるのか・・・。
この物語は、フィクションです。
登場する人物、団体名等は、基本的に架空のものですが、一部実名も登場したりします。
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10番との出会い 第7話
「いいか、亮。10番の仕事ってのはな、豪快なシュートや、華麗なドリブルを魅せることだけじゃないんだ。もちろん、それも大事なことなんだが、それがすべてじゃないんだよ」
「・・・」
亮は、仁の目をじっと見つめたまま、黙りこんでいる。
「10番の本当の仕事っていうのは、どんな状況でも、どんな体制でも、味方が苦しいときに得点を奪うことなんだぜ。わかるか?」
「わかるよ。でも、それはトゥーキックである必要ないよね?」
亮は、なおも食い下がる。
「なるほど・・・。じゃあ、聞くが、インステップで思い切り蹴る必要はあるのか?」
「あっ・・・」
亮は、何かに気がついたようだ。
「お前の好きなケンペスだけど、ワールドカップの決勝での2点目はインステップだったか?思い切り蹴り込んでいたか? あの時、ケンペスは足の裏でボールを押し込んだんだよ。 もしも、あの時インステップで蹴ろうとしたら、相手ディフェンダーにクリアされていただろうよ。」
「・・・」
「亮、良く聞け。10番の仕事ってのは、魅せるだけじゃない。チーム全体の責任を負うことなんだ。そのためにすべきことを実行できるやつだけが10番を背負うことができるんだ。 勝ち負けを左右する紙一重の状況で、シュートがトゥーキックだろうが何だろうが、そんなことは関係ないんだ。 それが、10番を背負う選手の責任なんだ。わかったか、亮?」
「うん・・・。」
「よし。」
仁は、そう言うと亮の頭をくしゃくしゃになでた後、表彰式へと向かっていった。
亮は、「10番の責任」という初めて出会った言葉にドキドキし、「10番」を背負うことの嬉しさを、これまで以上に感じていた。
「責任」という言葉の意味もわからずに・・・。
序章、完。第一章へ続く・・・。
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