構音訓練をしていたら他の音まできれいになった!:小児の機能性構音障害の訓練(3) | 向き不向きより前向き♪言語聴覚士かあこから感謝をこめて

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ST(言語聴覚士)として病院・施設・学校などでリハビリや訓練に長年携わっています。出会わせていただいてきた方々への感謝の心をこめて、日々思う事・考える事などを綴っていきます。
どなたかの「今」にお役に立てることがひとつでもあれば幸いです。

今回は、小児の構音障害(機能性構音障害)についてです。
3月に書いたこちらの記事の続きです。

た行が、か行になってしまう②:小児の機能性構音障害の訓練(2)


この記事を書いた2回後の訓練時(通算5回目)に
構音検査をしました。

訓練1回目に行った、
第1回の構音検査では、
何らかの音でひっかかる単語が
50語中29語ありました。

2回目の構音検査では、
50語中3語に減っていました。

ひっかかった単語が、
29語から3語になったのです。



今現在、出すのが難しい音は、
「つ」「ず」のふたつ。

ちょっと不安定さが残るのが、「じ」


他は、復唱でも、単語や文の音読、会話の中でも
正しくきれいに出るようになりました。


月に1回の訓練です。
1回の訓練は、30分弱。


練習だけを行った回は、3回のみです。

しかも、そのうちの最初の1回は、
元々きれいに出せる音を使って、
訓練のセットをつけました。

これは、

STの口を見る、
舌や唇の動きを真似る、
STの出す音を聞く、
自分の出す音を聞く、
比べる

といったことに馴染んでいただくことです。


3回目の訓練で「た行」

4回目の訓練で「さ行」
 
の練習をしました。


一緒の訓練時には、
単音を誘導して何とか出す。

単音で出せたら、

その音が
語頭・語中・語尾につく単語を試す。

うまく言える単語があれば、
それを家でも練習してもらう。


訓練で練習して出せるようになった音は、
次の訓練時には、
単音や、単語でだけではなく、
絵本読みや
会話の中でもきれいに出るようになっていました。


練習していない音もクリアになり、
会話時の発話の印象が大きく変わり、

検査上でも劇的に改善していた。

・・・という状況です。



このお子さんが持つ力
・ST(言語聴覚士)の口元をしっかり見て、何とか真似しようと出来る
・就学前ではあるけれど、ひらがなの読みが出来る
・音の聞き分けができる
・言語訓練に集中できる
等によるところも大きいと考えています。


練習してもいない音が、
どんどん出せるようになってくるのには、
びっくりしました。

予測できなかったと言う点で、
私の、技量はまだまだです。
精進精進!


でもですね。

多分・・・


訓練を開始したタイミングが、
このお子さんにとって
よかったのだと思います。

タイミングが良かったとは、どういうこと?


ということに関しては、
次回に書きます。

音を誘導する時に、
口の動きや音だけではなく、
身体全体の動きも使ったので、
それもいくつかご紹介してみますね。



それでは、本日はこのあたりで。

長文お読み下さり、ありがとうございました。







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