現状は現状として認識しつつ。 でも。 諦めない。 思いこまない。 | 向き不向きより前向き♪言語聴覚士かあこから感謝をこめて

向き不向きより前向き♪言語聴覚士かあこから感謝をこめて

ST(言語聴覚士)として病院・施設・学校などでリハビリや訓練に長年携わっています。出会わせていただいてきた方々への感謝の心をこめて、日々思う事・考える事などを綴っていきます。
どなたかの「今」にお役に立てることがひとつでもあれば幸いです。

今回は予定を変えて、父とのことを書こうと思います。


人の脳ってすごい。
人の心って、すごい。
人って、すごい。


と、感じた出来事があったのです。



囲碁は、白と黒の碁石を使いますよね。

囲碁を打っている時に、
自分がどちらの石で、打っているのかわからなくなる。

片方だけではなく、双方が、わからなくなる。

いつのまにか、白と黒の打ち手が入れ替わる。

きっと、
それはそれは不思議な世界が展開することと。



父が、そういう状況だと、
ケアマネージャーさんから、
デイサービスでの様子を教えていただいた時には、
とてもびっくりしました。

父は元々は、囲碁はかなり強かったのです。
(日本棋院の、6段だったかな?)

強いだけではなく、
囲碁が大好きでしたので。

そんな父が?と。

びっくしりて。

正直、ちょっとがっかりしました。


ちょっと・・・
と言うのは。

それでも、
楽しいのであれば、
今までとは違う楽しみ方のステージがあるのかな?

と、思ったからです。

この切り替えは、結構、瞬時でした。

だから、
がっかりしたのは、
ちょっとの間。


がっかりの度合いは、
ちょっとではなかったですけれど。




でも。

この状況、改善したそうです。

白と黒の入れ替わりは、見られなくなり。
ちゃんと、囲碁として成立しているとのこと。

そうして。
デイサービスで、囲碁を楽しまれる方が増え、

父との囲碁を目的に
利用日を変更して下さる方まで
いらしたとのこと。



すごい。

父の囲碁、復活!

どんどんひろがる、囲碁の輪!




シュールな場面が展開しようとも。
混乱して、トラブルが起きようとも。
(きっと、あったと思うのです)



諦めずに、場を提供して下さった
デイサービスのスタッフの皆様に、
とてもとても、感謝しています。


こんがらがったり、
途方にくれるようなことがあっても
(多分、あったと思うのです)

諦めなかった父のパワーに、
敬意の念がわいてきます。



囲碁を通した楽しさを共有して下さっている、
他の利用者さまたちに、
とてもとても感謝です。


すごくすごく、
嬉しいです。



囲碁のルールで混乱がみられた時期は、
デイサービスに通い始めて、
まだ間もないころでした。


環境に馴染むのに精一杯の時期だったかもしれません。

少し、長い目で見守っていただけたおかげさまです。

人の力を。
父の力を。
諦めないで下さったおかげさまです。


そうして。
父が、諦めなかったことが
大きいかもしれません。

母が諦めなかったことも
大きいかもしれません。

昔と同じにいかなくても。
楽しむことは、手離してほしくないな・・・と。
母も、私も、思いました。



父は、高次脳機能障害に認知症の症状が徐々にかぶってきている状況なのだそうです。

認知症は、不可逆。
・・・などと、教科書的には書かれていますが、


父をみていると、
出来なくなっていくことももちろんあるのですが、

復活したり。
進化したり。
新たに学習する面も、

ちゃ~んとあるなぁ。
・・・と、感じます。


なので。

現状は現状として認識しつつ。
でも。
諦めない。
思いこまない。


そんな感じで行こうと
あらためて、
感じさせてもらった出来事でした。





それでは、本日はこのあたりで。

長文お読み下さり、ありがとうございました。









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